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公開：2024-08-01

TOWINGが高機能バイオ炭「宙炭」を米国で試験導入、ソイル・ヘルス向上と炭素貯留を目指す

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• TOWINGが高機能バイオ炭を国外初試験導入
• 兼松グループKAPIの大豆圃場で実証実験開始
• ソイル・ヘルス向上と炭素貯留を目指す

TOWINGの高機能バイオ炭「宙炭」の国外初試験導入

株式会社TOWINGは、兼松株式会社のグループ会社であるKG Agri Products, Inc.（KAPI）が保有する米オハイオ州の大豆実験圃場において、高機能バイオ炭「宙炭（そらたん）」の試験導入を開始した。この取り組みは、ソイル・ヘルスの向上と炭素貯留を目的としており、兼松のサプライチェーン脱炭素化の一環として位置付けられている。^[1]

実証実験は2024年5月より開始され、一定の成果を得た後により広範囲な実証へと移行する予定だ。TOWINGは今後もKAPIをはじめとした国内外の農業加工事業者と連携し、高機能バイオ炭の普及施策を検討していく方針を示している。

国内においては、兼松および兼松アグリテック株式会社と共同で、有機配合肥料とTOWINGの「宙炭」のセット販売を開始した。この取り組みは、農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」に沿ったものであり、化学肥料使用量の低減と有機農業の拡大を目指している。

ソイル・ヘルスについて

ソイル・ヘルスとは、土壌の健康（soil health）のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 土壌が生きた生態系として継続的に機能する能力
• 生物の生産性を持続させる役割
• 大気と水の質を向上させる効果

ソイル・ヘルスの概念は、土壌を単なる栽培基盤としてではなく、生態系の重要な構成要素として捉える考え方だ。健全な土壌は、植物の生長を促進するだけでなく、水質浄化や炭素貯留など、環境保全にも大きく貢献する。

高機能バイオ炭の農業利用に関する考察

高機能バイオ炭の農業利用は、環境負荷の低減と農業生産性の向上を両立させる可能性を秘めているが、その効果の検証には長期的な観察が必要となるだろう。特に、異なる気候条件や土壌タイプにおける効果の差異、また作物の種類による適応性の違いなどを明らかにすることが今後の課題となる。

今後、バイオ炭の生産過程における環境負荷の削減や、より効率的な施用方法の開発が期待される。同時に、バイオ炭の使用が土壌微生物叢に与える影響や、長期的な土壌の物理化学的特性の変化についても詳細な研究が必要だ。

さらに、バイオ炭の利用を通じて創出されるカーボンクレジットの信頼性と価値の向上が重要となるだろう。企業のサプライチェーン排出量削減への寄与度を正確に測定し、カーボンクレジットの国際的な基準との整合性を確保することで、バイオ炭技術の普及と持続可能な農業の実現が加速すると考えられる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「TOWING、兼松のグループ会社KAPIに高機能バイオ炭を国外初の試験導入へ | 株式会社TOWINGのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000081010.html, (参照 24-08-01).

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