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公開：2024-08-01

THKがOMNIedgeを発表、SORACOMを採用しOEE最大化プラットフォームの通信基盤を強化

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• THKがOEE最大化プラットフォームOMNIedgeを公開
• SORACOMのIoTプラットフォームを採用し通信を実現
• AIを活用した予兆検知や監視の迅速な導入が可能に

THKのOMNIedgeによる製造DXの推進

THK株式会社は、設備総合効率（OEE）の最大化を目指すグローバル展開のプラットフォーム「OMNIedge」を公開し、その通信基盤としてソラコムのIoTプラットフォームSORACOMを採用した。OMNIedgeは、センサーやハードウェア、通信機器一式、AIソリューションをトータルで提供し、工作機械や半導体製造装置などの直動部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するシステムである。^[1]

本ソリューションは、THKの主力製品であるLMガイド、ボールねじ、アクチュエータなどの直動部品の潤滑状態や破損状況を数値化し、AIアルゴリズムによって異常を検出する。これにより、外部からは点検が困難な箇所の効率的なメンテナンスが可能となり、生産現場のロス削減に貢献する。

さらに、THKは本システムの対応範囲を拡大し、プロセスオートメーションやユーティリティ設備向けのモータ、ポンプなどの回転部品の故障予兆検知AIソリューション、工作機械の切削工具の摩耗や欠損を検知する「工具監視AIソリューション」なども提供している。これらのソリューションにより、製造業全体のデジタル変革を推進し、生産性向上を実現することが期待される。

OEE（設備総合効率）について

OEEとは、Overall Equipment Effectivenessの略称で、生産設備の効率性を総合的に評価する指標のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 稼働性、品質、性能の3要素から算出される
• 設備の生産性を包括的に把握できる
• 改善活動の効果測定に活用される

OEEは、設備の稼働時間や生産量、不良品率などの要素を考慮して算出される総合的な指標である。この指標を活用することで、製造ラインの非効率な部分を特定し、改善策を講じることが可能になる。結果として、生産性の向上やコスト削減、品質改善などの効果が期待でき、製造業の競争力強化に貢献する重要な指標として広く活用されている。

OMNIedgeによる製造DXに関する考察

OMNIedgeの導入により、製造業における予防保全の精度が飛躍的に向上することが期待される。しかし、AIによる予兆検知の精度向上には、大量の高品質なデータが必要不可欠である。そのため、初期段階では誤検知や見逃しが発生する可能性があり、システムの信頼性を確立するまでには一定の時間を要する可能性がある。

今後、OMNIedgeに追加してほしい機能としては、異常検知時の自動停止機能や、他社製品との相互運用性の向上が挙げられる。さらに、検知した異常パターンをデータベース化し、業界全体で共有できるプラットフォームの構築も期待したい。このような機能拡充により、製造業全体の知見が集約され、より高度な予防保全が実現できるだろう。

OMNIedgeの今後の展開として、AIの学習モデルの継続的な改善と、より多様な製造設備への対応拡大が期待される。また、収集したデータを活用した製品設計へのフィードバックや、サプライチェーン全体を通じた最適化など、製造DXの範囲をさらに拡大していくことが望まれる。これにより、製造業の競争力強化と持続可能な生産体制の構築につながるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「THKが、グローバル展開するOEE最大化プラットフォーム 「OMNIedge」にSORACOMを採用 | 株式会社ソラコムのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000034562.html, (参照 24-08-01).

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