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【CVE-2024-47827】Argo Workflows 3.6.0-rc1でサービス拒否の脆弱性、グローバル変数の競合状態が原因に

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Argo Workflowsのコントローラーでサービス拒否の脆弱性を確認
  • バージョン3.6.0-rc1で競合状態とグローバル変数の問題が発生
  • バージョン3.6.0-rc2で修正プログラムが提供

Argo Workflows 3.6.0-rc1のサービス拒否脆弱性

GitHubは2024年10月28日にArgo Workflowsのコントローラーに影響を与えるサービス拒否の脆弱性【CVE-2024-47827】を公開した。Kubernetes上での並列ジョブのオーケストレーションを実現するオープンソースコンテナネイティブワークフローエンジンArgo Workflowsのバージョン3.6.0-rc1において、グローバル変数での競合状態によりワークフローを実行するユーザーがコントローラーをクラッシュさせることが可能になっている。[1]

この脆弱性はCVSS v3.1のスコアリングシステムで基本値5.7(MEDIUM)と評価されており、攻撃元区分は隣接ネットワークからのアクセス、攻撃条件の複雑さは低く、必要な特権レベルは低いとされている。可用性への影響が高く、機密性と完全性への影響は無いと判断されており、脆弱性の種類はCWE-362とCWE-1108に分類されている。

argoprojチームはこの問題に対処するため、バージョン3.6.0-rc2でパッチを提供している。影響を受けるバージョン3.6.0-rc1を使用している組織は、可能な限り早急にバージョン3.6.0-rc2へのアップデートを実施することが推奨される。このアップデートにより、グローバル変数の競合状態の問題が解決され、安全なワークフローの実行が可能になるだろう。

Argo Workflowsの脆弱性概要

項目 詳細
CVE番号 CVE-2024-47827
影響を受けるバージョン 3.6.0-rc1
CVSSスコア 5.7(MEDIUM)
CWE分類 CWE-362、CWE-1108
修正バージョン 3.6.0-rc2

競合状態について

競合状態とは、複数のプロセスやスレッドが共有リソースに同時にアクセスする際に発生する問題のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 同時実行時のタイミングに依存して予期せぬ動作が発生
  • 共有リソースへの同期制御が不適切な場合に発生
  • デッドロックやデータの整合性喪失などの問題を引き起こす

Argo Workflowsの脆弱性では、グローバル変数へのアクセス制御が適切に実装されていないことが原因となっている。競合状態は再現性が低く、特定の条件下でのみ発生する特徴があり、バグの特定や修正が困難になる場合が多いため、共有リソースへのアクセス制御には特に注意が必要だ。

Argo Workflows脆弱性に関する考察

Argo Workflowsの脆弱性は、Kubernetesを使用している多くの組織に影響を与える可能性がある重大な問題である。グローバル変数の競合状態という基本的な設計上の問題が、サービス拒否攻撃の可能性を生み出してしまったことは、共有リソースの適切な管理の重要性を改めて浮き彫りにしている。同時に、オープンソースコミュニティの迅速な対応により、短期間で修正版が提供されたことは評価に値するだろう。

今後は同様の問題を防ぐため、グローバル変数の使用を最小限に抑え、より安全な設計パターンを採用することが重要となる。また、コンテナオーケストレーションツールの開発においては、並行処理に関する厳密なテストケースの作成と、セキュリティ面での検証を強化する必要があるだろう。Kubernetesエコシステムの発展に伴い、このような基盤技術のセキュリティ強化がますます重要になってくる。

セキュリティ対策としては、定期的な脆弱性スキャンの実施や、最新のセキュリティパッチの適用が不可欠となる。また、開発者コミュニティとの密接な連携により、脆弱性情報の共有や修正プログラムの迅速な展開を実現することで、より強固なセキュリティ体制を構築できるだろう。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-47827, (参照 24-11-07).

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