MQueがNEDOの技術研究開発事業に採択、熱流体解析とAIでヒートポンプ開発の効率化を実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

MQueがNEDOの技術研究開発事業に採択
ヒートポンプ開発向け熱流体解析システムを開発
AIと流体シミュレーションで設計最適化を目指す

MQueの熱流体解析システムによるヒートポンプ開発支援

株式会社MQueは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の2024年度新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業に2024年11月26日に採択された。熱流体解析を強みとするMQueは、様々な熱源温度や作動環境に対応するヒートポンプ開発を支援するシステムの開発に着手することになった。^[1]

ヒートポンプの開発では作動環境や周辺温度に応じた設計変更や冷媒変更が必要となるが、実験ベースの開発には多大な時間とコストがかかるという課題が存在している。特に気液二相流のシミュレーションは技術的な難しさがあり、従来は実験ベースのトライアンドエラーに頼らざるを得ない状況が続いていた。

MQueは流体シミュレーションとAIを組み合わせることで、形状やパラメータの最適化を実現する開発支援システムの構築を進めている。このシステムは家庭用から設備用・工業用まで幅広いヒートポンプに適用可能で、廃熱や再生可能熱の利用拡大にも貢献することが期待されている。

MQueのヒートポンプ開発支援システムの特徴まとめ

項目	詳細
採択プログラム	NEDOの新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業
採択分野	社会課題解決枠フェーズB（再生可能エネルギー熱利用促進分野）
開発目標	ヒートポンプ技術の用途拡大に向けた熱流体解析システム
主要技術	流体シミュレーション、AI、熱流体解析
適用範囲	家庭用、設備用、工業用ヒートポンプ

気液二相流について

気液二相流とは、気体と液体が混在して流れる状態を指す流体力学上の現象のことで、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

気体と液体が入り乱れて複雑な流れを形成
シミュレーションによる予測が技術的に困難
ヒートポンプの性能に大きく影響を与える要素

気液二相流はヒートポンプ内部で発生する沸騰や凝縮現象の中核を成すため、その挙動を正確に予測することが高効率なヒートポンプの開発には不可欠となっている。従来の開発手法では実験による検証が必須であり、多大なコストと時間が必要とされてきた背景がある。

MQueの熱流体解析システムに関する考察

MQueの熱流体解析システムは、従来の実験ベースの開発手法から脱却し、シミュレーションとAIを組み合わせた革新的なアプローチを採用している点が注目に値する。このシステムにより、開発期間の短縮とコスト削減が実現すれば、よりスピーディーな製品開発サイクルが確立されるだろう。

ただし、気液二相流のシミュレーションには高度な技術力が要求されるため、システムの精度向上と検証が重要な課題となってくるはずだ。実験データの蓄積とAIモデルの継続的な改善を通じて、シミュレーション結果の信頼性を高めていく必要がある。

今後は特に地球温暖化係数の低い新冷媒への対応が重要になってくると予想される。環境規制の強化に伴い、各企業は新冷媒の採用を迫られているが、MQueのシステムがこうした新冷媒の特性評価や最適な設計パラメータの導出を支援できれば、業界全体の技術革新を加速させることができるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「熱流体解析を強みとする「MQue」、NEDOの「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」に採択 | 株式会社MQueのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000140645.html, (参照 24-11-27).

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