【CVE-2024-9258】IrfanView 4.66のSIDファイル解析に重大な脆弱性、任意コード実行のリスクが発覚
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記事の要約
- IrfanViewのSIDファイル解析に脆弱性が発見
- 初期化されていないポインタにより任意のコード実行が可能
- 脆弱性のCVSSスコアは7.8でHigh評価
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IrfanView 4.66の任意コード実行の脆弱性
Zero Day Initiativeは2024年11月22日、画像ビューアソフトウェアIrfanView 4.66 64bitにおいてリモートでコード実行が可能な脆弱性【CVE-2024-9258】を発見したことを公開した。この脆弱性はSIDファイルの解析処理における初期化されていないポインタの不適切な処理に起因しており、攻撃者が細工を施したファイルを開かせることで任意のコード実行が可能となる危険性が指摘されている。[1]
IrfanViewの脆弱性はCWE-824(初期化されていないポインタへのアクセス)に分類されており、深刻度を示すCVSSスコアは7.8(High)と評価された。攻撃の成功には標的ユーザーが悪意のあるページを訪問するかファイルを開く必要があるものの、攻撃が成功した場合は現在のプロセスのコンテキストでコードを実行できる可能性があるとされている。
この脆弱性は当初ZDI-CAN-23276として識別されており、2024年11月25日にはCISA-ADPによってSSVC評価も実施された。SSVCの評価では、この脆弱性は自動化された攻撃は不可能であるものの、技術的な影響は全体に及ぶと判断されている。
IrfanViewの脆弱性情報まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-9258 |
影響を受けるバージョン | IrfanView 4.66 64bit |
脆弱性の種類 | CWE-824:初期化されていないポインタへのアクセス |
CVSSスコア | 7.8(High) |
攻撃の前提条件 | ユーザーが悪意のあるページを訪問するか、ファイルを開く必要がある |
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初期化されていないポインタについて
初期化されていないポインタとは、メモリ上のアドレスを指し示す変数が適切な初期値を持たないまま使用される状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- メモリ上の不正なアドレスにアクセスする可能性がある
- プログラムの予期しない動作や異常終了の原因となる
- 攻撃者による任意のコード実行に悪用される可能性がある
初期化されていないポインタの問題は、特にC/C++などの低レベル言語で頻繁に発生する脆弱性の一つとして知られている。IrfanViewの事例では、SIDファイルの解析処理においてポインタの適切な初期化が行われていなかったため、攻撃者が細工したファイルを通じて任意のコードを実行できる状態となっていた。
IrfanViewの脆弱性に関する考察
IrfanViewの脆弱性は、一般的な画像ビューアソフトウェアにおけるメモリ管理の重要性を改めて浮き彫りにした事例として注目に値する。特にSIDファイルという特殊なファイル形式の処理において脆弱性が発見されたことは、レガシーフォーマットのサポートにおけるセキュリティ対策の難しさを示している。今後は同様の脆弱性を防ぐため、ファイル処理時のメモリ管理をより厳密に行う必要があるだろう。
ユーザーの操作を必要とする脆弱性であるため、一般的なマルウェア対策ソフトウェアや適切なセキュリティ意識によって、ある程度のリスク軽減が期待できる。しかし、CVSSスコアが示すように影響度は高く、特に企業環境での使用においては慎重な対応が求められる。システム管理者は、IrfanViewの使用状況を把握し、必要に応じて代替ソフトウェアへの移行を検討する必要があるだろう。
長期的には、画像処理ライブラリ全般におけるメモリ安全性の向上が期待される。特にRustのような安全性の高い言語の採用や、自動化されたセキュリティテストの導入により、同様の脆弱性を未然に防ぐことが可能になるはずだ。IrfanViewの開発チームには、こうした最新のセキュリティプラクティスの導入を期待したい。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-9258, (参照 24-11-27).
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
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