AI

エーアイ

公開：2024-08-08

ロゼッタとデジタルハーツがゲーム特化型AI翻訳エンジン「ELLA」を正式ローンチ、感情豊かな自動翻訳を実現

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• ロゼッタとデジタルハーツがAI翻訳エンジン「ELLA」を共同開発
• ゲーム特化型のAI翻訳サービスを正式ローンチ
• 感情豊かな表現を用いた自動翻訳を実現

ゲーム特化型AI翻訳エンジン「ELLA」の特徴と可能性

株式会社メタリアルのグループ企業であるロゼッタと、デジタルハーツは2024年8月7日にゲーム特化型AI翻訳エンジン「ELLA」を活用した翻訳サービスを正式にローンチした。このサービスは、ゲームをはじめとするエンターテインメントコンテンツのグローバル展開を加速させるニーズに応えるものだ。ELLAは、自然言語処理AIとキャラクタージェネレーターAIを組み合わせ、感情豊かな表現を用いた自動翻訳を実現している。^[1]

ELLAの主な特徴として、キャラクターのパーソナリティに応じた翻訳文生成が可能であることが挙げられる。簡単なプロンプト設定だけで、特定のキャラクターになりきった翻訳案をAIが自動的に提案する。さらに、話者と相手との関係性を考慮した口調の変化も実現しており、より自然な対話表現を生成することができる。

また、ELLAは翻訳の効率性も大幅に向上させている。従来の翻訳方法と比較して、100万文字の日本語を英語に翻訳する場合、最大で75％の期間短縮が可能だ。これにより、作業効率の向上とコスト抑制を同時に実現している。現在は日本語と英語の対応のみだが、今年度中に中国語（簡体字・繁体字）、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、韓国語にも対応予定である。

ELLA（Expressive Localization and Linguistic AI）の機能まとめ

キャラクタージェネレーターAIについて

キャラクタージェネレーターAIとは、数値をもとに文章に個性を与え翻訳する人工知能システムのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• キャラクターの性格や話し方を再現する能力
• 文脈に応じた適切な言葉遣いの選択
• 感情表現や口調の微妙な違いを表現可能

このAIは、単なる機械的な翻訳を超えて、原文のニュアンスやキャラクターの個性を保ちつつ、ターゲット言語に適した表現を生成する。ゲームやアニメなどのコンテンツローカライズにおいて、キャラクターの魅力を損なうことなく異なる言語圏の観客に伝えることが可能になる。これにより、クリエイティブな翻訳の自動化が実現し、エンターテインメント産業におけるグローバル展開の新たな可能性を開いている。

ELLAに関する考察

ELLAの登場により、ゲーム業界におけるローカライゼーションの質と効率が飛躍的に向上する可能性がある。しかし、AIによる翻訳がヒューマンライターの仕事を完全に代替する可能性も懸念される。今後は、AIと人間の翻訳者がどのように協働していくか、また、AIの出力をどのように品質管理していくかが重要な課題となるだろう。

ELLAの今後の発展として、より多様なゲームジャンルや文化圏に対応できる機能の追加が期待される。例えば、特定の時代や文化に根ざした言い回しや俗語の適切な翻訳、あるいはゲーム内の世界観に合わせたファンタジー言語の生成などが考えられる。これらの機能が実現すれば、ゲームの世界観やキャラクターの魅力をより正確に伝えることが可能になるだろう。

さらに、ELLAの技術をゲーム以外のエンターテインメント分野、例えば映画やアニメーションのローカライゼーションにも応用することで、日本のポップカルチャーの海外展開がさらに加速する可能性がある。一方で、文化的な微妙なニュアンスの翻訳や、創作者の意図を正確に反映することなど、AIならではの課題も浮き彫りになるかもしれない。これらの課題に対する継続的な改善と、人間の専門家との効果的な協働が、ELLAの真価を発揮する鍵となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「世界同時発売に対応、ゲーム特化型クリエイティブAI翻訳エンジン「ELLA」本格提供開始。日本のゲーム・アニメ業界を世界へ。～対話型AI市場シェアNo.1のロゼッタ、デジタルハーツと共同開発～ | 株式会社ロゼッタのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000616.000006279.html, (参照 24-08-08).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「AI」に関するコラム一覧「AI」に関するニュース一覧