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公開：2024-08-22

アンリツがUSB4 Version 2.0レシーバテストソリューションを販売開始、80 Gbit/sデータ転送の評価が可能に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• アンリツがUSB4 Version 2.0レシーバテストソリューションを販売開始
• 80 Gbit/sデータ転送速度に対応したMP1900Aの機能拡張
• USB4 v2の普及に貢献し大容量データ転送を評価可能に

アンリツのUSB4 Version 2.0レシーバテストソリューション販売開始

アンリツ株式会社は2024年8月20日、シグナル クオリティ アナライザ-R MP1900Aの機能を拡張し、データ転送速度80 Gbit/sを実現した最新USB通信規格「USB4® Version 2.0」向けレシーバテストソリューションの販売を開始した。本ソリューションにより、HD動画などの大容量データを転送するUSBデバイスを評価できるため、USB4 v2の普及に貢献することが期待される。^[1]

USB4 v2は従来のUSB4 v1と比べ、データ転送速度が2倍に高速化されている。これによりUSB Type-C®ケーブルを介した動画データのディスプレイやストレージドライブへの高速転送が、よりスムーズに行えるようになった。一方でBaudレートの高速化とPAM3変調の採用により、通信時のノイズや信号の揺らぎ（ジッタ）が問題となる可能性がある。

MP1900Aは新製品のPPGモジュールを追加することで、USB4 v2へのアップグレードが可能となっている。このモジュールによるPAM3出力信号は、低ジッタ・高品質波形性能により確かなレシーバテストをサポートする。さらに、USB接続時の安定した通信状態確立のためのトレーニング機能を評価するReceiver Frequency Variation Training Testもサポートしている。

USB4 Version 2.0レシーバテストソリューションの特徴

MP1900Aの詳細はこちら

PAM3について

PAM3とは、Pulse Amplitude Modulation 3の略称で、3値の電圧レベルで信号を表現する変調方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 3つの異なる電圧レベルを使用して信号を伝送
• 従来の2値変調方式と比べて高速なデータ転送が可能
• 信号の周波数帯域幅を抑えつつ、高速通信を実現

USB4 Version 2.0ではPAM3変調方式が採用されており、これによってデータ転送速度の大幅な向上が実現されている。しかし、PAM3の採用に伴い、信号品質の評価がより複雑になるため、アンリツのMP1900AのようなBERTでの高度な評価が必要となっている。

USB4 Version 2.0レシーバテストソリューションに関する考察

アンリツのUSB4 Version 2.0レシーバテストソリューションは、高速化するUSB規格に対応した評価環境を提供することで、次世代デバイスの開発を加速させる可能性がある。特に80 Gbit/sという高速データ転送に対応したテスト環境は、4K/8K動画やAIを活用したIoTデバイスなど、大容量データを扱う製品の品質向上に大きく貢献するだろう。

一方で、USB4 v2の高速化に伴い、ノイズやジッタの影響がより顕著になる可能性がある。このため、今後はより高度な信号品質評価技術や、ノイズ低減技術の開発が求められるだろう。また、USB4 v2対応デバイスの普及に伴い、互換性の問題や既存のUSB規格との共存など、新たな課題が浮上する可能性もある。

今後、アンリツには単なるテストソリューションの提供だけでなく、USB4 v2の普及を促進するためのコンサルティングや、業界標準の策定への貢献など、より幅広い役割が期待される。さらに、次世代の通信規格に向けた先行的な研究開発や、AIを活用した自動評価システムの構築など、テスト技術のさらなる革新にも期待がかかる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「80 Gbit/sデータ転送を実現した「USB4® Version 2.0」レシーバテストソリューションを販売開始 | アンリツ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000109169.html, (参照 24-08-23).

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