AWSがCodeBuildでmacOS環境をサポート、Apple製品向けアプリ開発が加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
AWS CodeBuildがmacOS環境のサポートを開始
AWS CodeBuildのmacOS対応機能まとめ
継続的インテグレーションについて
AWS CodeBuildのmacOS対応に関する考察
参考サイト

記事の要約

AWSがCodeBuildでmacOS上のビルド環境に対応
Apple M2インスタンスでmacOS 14 Sonomaを利用可能
AWSサービスとの統合やカスタムAMIの利用が可能

AWS CodeBuildがmacOS環境のサポートを開始

Amazon Web Services（AWS）は、継続的インテグレーションサービスであるAWS CodeBuildにおいて、macOS上でのビルドとテスト環境のサポートを2024年8月19日より開始したと発表した。この新機能により、開発者はApple M2インスタンス上でmacOS 14 Sonomaを利用し、iOS、iPadOS、watchOS、tvOS、macOS向けアプリケーションのビルドやテストが可能になった。^[1]

AWS CodeBuildのmacOS対応により、開発者はAWSの他のサービスとシームレスに統合できるようになった。具体的には、Amazon VPC、AWS Secrets Manager、IAMなどのサービスとの連携が可能となり、セキュアで効率的な開発環境の構築が実現した。さらに、開発者は事前にパッケージされたビルド環境を使用するか、独自のAmazon EC2 AMIを利用してmacOSインスタンスをプロビジョニングする選択肢も得られた。

現在、macOSビルド環境は米国東部（オハイオ）、米国東部（バージニア北部）、米国西部（オレゴン）、欧州（フランクフルト）、アジアパシフィック（シドニー）の各リージョンで利用可能となっている。この機能の導入により、AWSはクラウド上でのAppleプラットフォーム向けアプリケーション開発をさらに強化し、開発者に新たな選択肢を提供している。

AWS CodeBuildのmacOS対応機能まとめ

	対応OS	ハードウェア	対応リージョン	主な統合サービス
基本仕様	macOS 14 Sonoma	Apple M2インスタンス	米国東部、米国西部、欧州、アジアパシフィック	Amazon VPC, AWS Secrets Manager, IAM
開発対象プラットフォーム	iOS, iPadOS, watchOS, tvOS, macOS	-	-	-
カスタマイズオプション	カスタムAMI対応	-	-	-

継続的インテグレーションについて

継続的インテグレーション（CI）とは、ソフトウェア開発プロセスにおいて、開発者のコード変更を定期的に統合し、自動的にビルドとテストを行う手法のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

コードの品質向上と早期のバグ発見が可能
開発チームの生産性と効率性の向上
リリースプロセスの迅速化と自動化

AWS CodeBuildは、このCI/CDパイプラインを構築するためのフルマネージドサービスである。macOSサポートの追加により、Apple製品向けアプリケーション開発者も、AWSのクラウドインフラストラクチャを活用した効率的な開発プロセスを実現できるようになった。これにより、開発者はインフラストラクチャの管理から解放され、アプリケーションの開発に集中できるようになった。

AWS CodeBuildのmacOS対応に関する考察

AWS CodeBuildのmacOS対応は、クラウドベースのApple製品向けアプリケーション開発において画期的な進展だと言える。この機能により、開発者はハードウェアの調達や管理の負担から解放され、スケーラブルで柔軟な開発環境を手に入れることができるようになった。特に、Apple M2インスタンスの提供は、最新のハードウェア性能を活用した効率的な開発を可能にするだろう。

一方で、macOSビルド環境の利用にはいくつかの課題が予想される。例えば、ネットワークレイテンシーの問題やコスト管理、セキュリティ設定の複雑さなどが挙げられる。特に、機密性の高いコードや署名用の証明書の管理には、より慎重なアプローチが必要となるかもしれない。これらの課題に対しては、AWSのセキュリティサービスの適切な活用や、専門的なトレーニングの提供が解決策となり得るだろう。

今後、AWS CodeBuildのmacOS対応がさらに進化することが期待される。例えば、より多くのリージョンでの利用可能性の拡大や、Apple Silicon向けの最適化されたビルドプロセスの提供、Xcodeの自動アップデート機能などが考えられる。また、ARやVR開発のためのツールチェーンとの統合も、将来的に重要な機能追加となるかもしれない。このような進化により、AWS CodeBuildはAppleエコシステムにおける開発の中心的な役割を担っていく可能性が高い。