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LINEヤフーがRAG技術活用の業務効率化ツールSeekAIを全従業員に導入、年間70~80万時間の削減目指す

text: XEXEQ編集部


記事の要約

  • LINEヤフーが独自業務効率化ツール「SeekAI」を全従業員に導入
  • RAG技術活用で社内文書から最適な回答を表示
  • 年間70~80万時間の業務時間削減を目指す

LINEヤフーのSeekAI導入で業務効率化に大きな一歩

LINEヤフー株式会社は、生成AIを活用した社内向け独自業務効率化ツール「SeekAI」を全従業員に本格導入した。このツールは、RAG(Retrieval Augment Generation)技術を駆使し、膨大な社内文書データベースから検索要件に最適化された情報を取得し回答を生成する仕組みだ。従業員の問い合わせ時間を大幅に削減し、業務効率の向上に貢献することが期待される。[1]

SeekAIの特筆すべき点は、社内ワークスペースツールや社内データを参照元としていることだ。これにより、従業員が入力した質問に対して、部門やプロジェクトごとに最適化された回答を表示することが可能となった。テスト導入段階では、技術関連の社内ナレッジ共有やカスタマーサポート業務において、高い正答率と工数削減効果が確認されている。

LINEヤフーは生成AIの活用を積極的に推進しており、SeekAIの導入はその一環だ。同社では、OpenAIのAPIGoogle Cloud、Amazon Web Servicesの大規模言語モデルを導入し、従業員が様々な生成AIを選択できる環境を整備している。さらに、生成AI利用研修を実施し、対話チャット型の独自AIアシスタントを提供するなど、全社的な取り組みを展開している。

SeekAI 一般的な大規模言語モデル
データソース 社内ワークスペースツール・社内データ モデル内のデータ
回答の最適化 部門・プロジェクトごとに最適化 一般的な回答
データ登録 任意の社内データを登録可能 固定データ
カスタマイズ性 高い(独自フレームワーク・プロセス) 限定的
サポート体制 専門組織によるサポートあり 一般的にサポートなし

RAGとは

RAGとは、Retrieval Augmented Generationの略称で、情報検索と生成AIを組み合わせた自然言語処理技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 大規模な文書データベースから関連情報を検索
  • 検索結果を基に生成AIが回答を生成
  • 最新または特定のデータソースからの情報提供が可能
  • 精度の高い回答生成が可能
  • ドメイン固有の知識を活用できる

RAGは従来の生成AIモデルの限界を克服する技術として注目されている。事前学習済みの大規模言語モデルでは扱えない最新情報や特定のドメイン知識を、外部データベースから取得して回答に反映できるため、より正確で適切な情報提供が可能だ。企業の内部文書や専門分野のデータベースと連携することで、高度な業務支援ツールとしての活用が期待されている。

SeekAIに関する考察

SeekAIの導入により、LINEヤフーの業務効率化は大きく前進すると考えられる。しかし、社内データの適切な管理や更新が課題となる可能性がある。データの鮮度や正確性が回答の質に直結するため、継続的なメンテナンスが不可欠だ。また、セキュリティ面での配慮も重要となるだろう。

今後、SeekAIにはより高度な自然言語理解や、部門横断的な情報連携機能の追加が期待される。例えば、複数の部門にまたがる複雑な質問に対しても、適切な回答を生成できるような機能が望ましい。さらに、ユーザーの利用パターンを学習し、個人ごとにカスタマイズされた回答を提供する機能も有用だろう。

SeekAIの成功は、LINEヤフーの従業員全体にとって大きな恩恵をもたらすと予想される。特に、新入社員や異動してきた社員にとっては、迅速な情報アクセスが可能となり、業務の習熟度向上に貢献するだろう。一方で、AIへの過度な依存や、人間同士のコミュニケーション減少といった懸念点にも注意を払う必要がある。

参考サイト

  1. ^ LINEヤフー. 「LINEヤフー、RAG技術を活用した独自業務効率化ツール「SeekAI」を全従業員に本格導入。膨大な社内文書データベースから部門ごとに最適な回答を表示し、確認・問い合わせ時間を大幅に削減|LINEヤフー株式会社」. https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008806/, (参照 24-07-20).
  2. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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