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inetdとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


inetdとは

inetdとは、UNIX系オペレーティングシステムにおいてネットワークサービスを管理するデーモンプログラムの一つです。inetdは、「インターネットスーパーサーバー」とも呼ばれています。

inetdは、クライアントからの接続要求を受け付け、対応するネットワークサービスを起動する役割を担っています。これにより、必要なサービスだけを必要な時に起動することができ、システムリソースを効率的に利用できます。

inetdが管理するネットワークサービスは、/etc/inetd.confファイルに記述されています。このファイルには、サービス名、ソケットタイプ、プロトコル、待ち受けポート、起動するサーバープログラムなどが定義されています。

inetdは、TCPラッパー(libwrap)とも連携し、ホスト単位でのアクセス制御を行うことができます。これにより、悪意のあるアクセスからシステムを保護し、セキュリティを向上させることができます。

現在では、xinetdやsystemdなど、より高機能なスーパーサーバーも登場しています。しかし、inetdは長年にわたって使用され、多くのUNIXシステムの基盤となっているデーモンプログラムの一つです。

inetdの設定ファイル

inetdに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • inetd.confファイルの構文と設定方法
  • inetdとTCPラッパーの連携による アクセス制御
  • inetdの再起動と設定の反映

inetd.confファイルの構文と設定方法

inetd.confは、inetdが管理するネットワークサービスを定義するための設定ファイルです。このファイルは、各サービスを1行で記述し、フィールドをスペースまたはタブで区切る形式になっています。

inetd.confの主なフィールドには、サービス名、ソケットタイプ、プロトコル、待ち受けポート、起動するサーバープログラム、サーバープログラムの引数などがあります。これらを適切に設定することで、inetdがサービスを適切に管理できるようになります。

service_name socket_type protocol wait/nowait user server_program arguments

inetdとTCPラッパーの連携によるアクセス制御

inetdは、TCPラッパー(libwrap)と連携することで、ホスト単位でのアクセス制御を行うことができます。TCPラッパーは、hosts.allowとhosts.denyの2つのファイルを使用して、アクセスを許可または拒否するホストを定義します。

inetd.confファイルで、サーバープログラムの前に/usr/sbin/tcpdのようにTCPラッパーを指定することで、そのサービスにアクセス制御を適用できます。これにより、信頼できないホストからのアクセスを制限し、システムのセキュリティを向上させることができます。

service_name socket_type protocol wait/nowait user /usr/sbin/tcpd server_program

inetdの再起動と設定の反映

inetd.confファイルを変更した後は、inetdを再起動する必要があります。これにより、変更した設定が反映され、新しいサービスが有効になります。

inetdの再起動は、kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`コマンドを使用して行います。このコマンドは、inetdプロセスにHUPシグナルを送信し、設定ファイルの再読み込みを促します。設定に問題がなければ、inetdは新しい設定で再起動されます。

kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid`

inetdのログ機能

inetdに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • inetdのログ出力先とログのローテーション
  • syslogを用いたinetdのログ管理
  • inetdのデバッグモードとトラブルシューティング

inetdのログ出力先とログのローテーション

inetdは、サービスの起動や終了、エラーなどのイベントをログに記録します。デフォルトでは、これらのログはsyslogを通じて/var/log/messagesファイルに出力されます。

ログファイルのサイズが大きくなりすぎないように、ログローテーションを設定することが推奨されます。これにより、一定期間ごとにログファイルが切り替えられ、古いログが圧縮されるため、ディスク容量を効率的に利用できます。

syslogを用いたinetdのログ管理

inetdのログは、syslogを介して出力されるため、syslogの設定を適切に行うことが重要です。/etc/syslog.confファイルを編集し、inetd関連のログをファイルに出力したり、リモートのsyslogサーバーに転送したりすることができます。

また、syslogのfacilityやpriorityを使って、inetdのログを他のログと区別して管理することもできます。これにより、ログの解析やトラブルシューティングがしやすくなります。

inetdのデバッグモードとトラブルシューティング

inetdの動作に問題がある場合、デバッグモードを有効にすることで、より詳細なログを出力できます。inetdをデバッグモードで起動するには、-dオプションを使用します。

デバッグモードでは、inetdは標準エラー出力にデバッグメッセージを出力します。これらのメッセージを解析することで、設定ミスやサービスの起動失敗などの問題を特定しやすくなります。

/usr/sbin/inetd -d

inetdの代替となるスーパーサーバー

inetdに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • xinetdの特徴と設定方法
  • systemdを用いたソケットアクティベーション
  • inetdからxinetdやsystemdへの移行

xinetdの特徴と設定方法

xinetdは、inetdの拡張版であり、より高機能なスーパーサーバーです。xinetdは、アクセス制御、ログ機能、リソース制限など、inetdにはない多くの機能を提供します。

xinetdの設定は、/etc/xinetd.confファイルと、/etc/xinetd.d/ディレクトリ内のサービス固有の設定ファイルで行います。これらのファイルで、サービスの起動オプション、アクセス制御、リソース制限などを詳細に設定できます。

systemdを用いたソケットアクティベーション

systemdは、現代のLinuxシステムで広く使用されているinit システムであり、サービス管理に革新的なアプローチを提供します。systemdのソケットアクティベーション機能を使用すると、inetdのようにサービスを必要に応じて起動することができます。

systemdでは、.socketファイルを使用してサービスの起動を制御します。クライアントからの接続要求があると、systemdがサービスを自動的に起動し、接続を渡します。これにより、リソースの効率的な利用と高速な起動が実現されます。

inetdからxinetdやsystemdへの移行

inetdからxinetdやsystemdへ移行する際は、サービスの設定を新しいスーパーサーバーの形式に合わせて書き換える必要があります。移行の際は、inetd.confファイルとの互換性や、サービス固有の設定の違いに注意が必要です。

移行作業を進める前に、必ず現在の設定をバックアップし、移行計画を綿密に立てることが重要です。段階的に移行を進め、各ステップでサービスの動作を確認しながら作業を進めることで、トラブルを最小限に抑えることができます。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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