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IPヘッダとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


IPヘッダとは

IPヘッダは、IPパケットの先頭に付加される情報部分です。IPパケットはインターネット上でデータを送受信する際に使用される単位であり、IPヘッダにはパケットの送信元や宛先に関する情報が含まれています。

具体的には、IPヘッダにはバージョン、全長、識別番号、フラグ、フラグメントオフセット、生存時間、プロトコル、ヘッダチェックサム、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスなどの情報が格納されます。これらの情報は、パケットを適切に配送するために不可欠なものばかりです。

IPヘッダの長さは通常20バイトですが、オプション情報を追加することで最大60バイトまで拡張可能となっています。オプション情報には、セキュリティ関連の情報や経路制御に関する情報などが含まれる場合があります。

IPヘッダは、ネットワーク上でパケットを送受信する際に重要な役割を果たしています。各ルータはIPヘッダの情報を参照して、パケットを適切な宛先に転送するための処理を行います。

また、IPヘッダには、パケットの分割や再構成に関する情報も含まれています。大きなデータを送信する際には、複数のパケットに分割して送信する必要がありますが、その際にIPヘッダの情報が活用されるのです。

IPヘッダの構造と各フィールドの役割

「IPヘッダの構造と各フィールドの役割」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • IPヘッダの基本的な構造
  • IPヘッダの各フィールドの意味と目的
  • IPヘッダのオプション情報の役割

IPヘッダの基本的な構造

IPヘッダは、バージョン、ヘッダ長、サービスタイプ、全長、識別番号、フラグ、フラグメントオフセット、生存時間、プロトコル、ヘッダチェックサム、送信元IPアドレス、宛先IPアドレスなどのフィールドから構成されています。これらのフィールドは、それぞれ4バイトずつに区切られています。

IPヘッダの先頭には、バージョン情報とヘッダ長が格納されます。バージョンは、現在主に使用されているIPv4では4となっています。ヘッダ長は、IPヘッダの長さを4バイト単位で表したものです。

続いて、サービスタイプ、全長、識別番号、フラグ、フラグメントオフセットといったフィールドが並びます。これらのフィールドは、パケットの優先度や分割に関する情報を格納するために使用されるものです。

IPヘッダの各フィールドの意味と目的

IPヘッダの各フィールドには、それぞれ重要な意味と目的があります。例えば、生存時間(TTL)フィールドは、パケットが無限にネットワーク上を循環することを防ぐために使用されます。TTLの値は、パケットが通過するルータごとに1ずつ減少し、0になると破棄されるのです。

プロトコルフィールドは、パケットのペイロード部分で使用されているプロトコルを示すために使用されます。代表的なプロトコルとしては、TCP(6)やUDP(17)などがあります。ヘッダチェックサムは、IPヘッダの整合性を確認するために使用されるフィールドです。

送信元IPアドレスと宛先IPアドレスは、パケットの送信元と送信先を特定するために使用されます。これらの情報は、ルータがパケットを適切に転送するために不可欠なものとなっています。

IPヘッダのオプション情報の役割

IPヘッダには、オプション情報を追加することができます。オプション情報は、セキュリティ関連の情報や経路制御に関する情報などを格納するために使用されます。オプション情報を使用する場合、IPヘッダの長さは20バイトから最大60バイトまで拡張されます。

代表的なオプション情報としては、レコードルートやタイムスタンプなどがあります。レコードルートは、パケットが通過したルータのIPアドレスを記録するために使用されます。タイムスタンプは、パケットが各ルータを通過した時刻を記録するために使用されるオプションです。

オプション情報は、ネットワークの運用管理やトラブルシューティングの際に有用な情報を提供してくれます。ただし、オプション情報の使用はオーバーヘッドを増加させるため、必要に応じて適切に使用することが求められます。

IPヘッダとフラグメンテーション

「IPヘッダとフラグメンテーション」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • フラグメンテーションの仕組み
  • フラグメンテーションに関するIPヘッダのフィールド
  • フラグメンテーションの注意点

フラグメンテーションの仕組み

フラグメンテーションは、大きなIPパケットを複数の小さなパケットに分割する仕組みです。ネットワーク上には、MTU(Maximum Transmission Unit)と呼ばれる、一度に送信できるパケットの最大サイズが定められています。MTUを超えるサイズのパケットを送信する場合、フラグメンテーションが行われます。

フラグメンテーションが行われると、元のパケットは複数のフラグメントに分割されます。各フラグメントには、元のパケットの一部分のデータが格納されることになります。フラグメントを受信した側では、フラグメントを再構成して元のパケットを復元する必要があります。

フラグメンテーションは、IPヘッダの情報を使用して行われます。フラグメンテーションが行われた場合、各フラグメントのIPヘッダには、元のパケットを復元するために必要な情報が格納されることになります。

フラグメンテーションに関するIPヘッダのフィールド

IPヘッダには、フラグメンテーションに関連する複数のフィールドが存在します。代表的なものとしては、フラグとフラグメントオフセットがあります。これらのフィールドは、パケットの分割と再構成に関する情報を格納するために使用されます。

フラグフィールドは、3ビットで構成されています。最初のビットは予約済みで常に0となり、2ビット目はDF(Don't Fragment)フラグ、3ビット目はMF(More Fragments)フラグとして使用されます。DFフラグが1の場合、そのパケットは分割禁止を示します。MFフラグは、そのパケットが分割されたものかどうかを示すために使用されるものです。

フラグメントオフセットは、13ビットで構成されるフィールドです。このフィールドは、分割されたパケットのオフセット値を格納するために使用されます。オフセット値は、元のパケットの先頭からのバイト数を8で割った値となります。

フラグメンテーションの注意点

フラグメンテーションは、IPパケットを複数のフラグメントに分割することで、大きなパケットを送信可能にする仕組みです。ただし、フラグメンテーションにはいくつかの注意点があります。

まず、フラグメンテーションを行うと、パケットの再構成に時間がかかるようになります。これは、フラグメントが複数のパケットに分かれて送信されるため、受信側では全てのフラグメントを受信してから再構成を行う必要があるためです。また、フラグメントの一部が欠落した場合、パケット全体が破棄されてしまう可能性もあります。

さらに、フラグメンテーションを行うと、IPヘッダのオーバーヘッドが増加します。これは、各フラグメントにIPヘッダが付加されるためです。オーバーヘッドの増加は、ネットワークの効率性を低下させる要因となります。そのため、できる限りフラグメンテーションを回避することが望ましいとされています。

IPヘッダとセキュリティ

「IPヘッダとセキュリティ」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • IPヘッダを使用したセキュリティ対策
  • IPセキュリティ(IPsec)とIPヘッダの関係
  • IPヘッダに関連するセキュリティ上の脅威

IPヘッダを使用したセキュリティ対策

IPヘッダには、セキュリティ関連の情報を格納するためのオプションフィールドが用意されています。このオプションフィールドを使用することで、パケットの認証や暗号化などのセキュリティ対策を行うことができます。代表的なセキュリティオプションとしては、セキュリティラベルやストリームIDなどがあります。

セキュリティラベルは、パケットの機密性や完全性を保護するために使用されるオプションです。セキュリティラベルを使用することで、パケットにセキュリティレベルを設定し、適切なセキュリティポリシーに基づいて処理を行うことができます。ストリームIDは、複数のパケットを関連付けるために使用されるオプションであり、セキュリティの文脈では、暗号化されたパケットの復号に使用されることがあります。

ただし、これらのセキュリティオプションは、全てのネットワークで使用できるわけではありません。セキュリティオプションを使用するには、送信側と受信側の両方がオプションに対応している必要があります。また、セキュリティオプションの使用は、オーバーヘッドの増加につながるため、適切に使用する必要があります。

IPセキュリティ(IPsec)とIPヘッダの関係

IPセキュリティ(IPsec)は、IPパケットレベルでセキュリティを提供するためのプロトコルスイートです。IPsecは、パケットの認証、暗号化、改ざん検知などの機能を提供します。IPsecを使用する際には、IPヘッダの一部が使用されます。

具体的には、IPsecではAH(Authentication Header)とESP(Encapsulating Security Payload)という2つのプロトコルが使用されます。AHは、IPヘッダとペイロードの整合性を検証するために使用されます。AHを使用する場合、IPヘッダの一部が認証の対象となります。ESPは、ペイロードの暗号化と認証を行うために使用されるプロトコルです。

IPsecを使用する場合、IPヘッダの一部が拡張されます。これは、IPsecで使用される情報を格納するためです。例えば、ESPを使用する場合、IPヘッダの後にESPヘッダが追加されます。ESPヘッダには、セキュリティパラメータインデックス(SPI)や順序番号などの情報が格納されます。

IPヘッダに関連するセキュリティ上の脅威

IPヘッダは、ネットワーク上でパケットを送受信する際に重要な役割を果たします。ただし、IPヘッダに関連するセキュリティ上の脅威も存在します。代表的な脅威としては、IPスプーフィングやフラグメンテーション攻撃などがあります。

IPスプーフィングは、送信元IPアドレスを偽装して攻撃を行う手法です。攻撃者は、送信元IPアドレスを trusted なホストのアドレスに偽装することで、攻撃対象のホストからの応答を得ようとします。IPスプーフィングを防ぐには、送信元IPアドレスのフィルタリングや暗号化された通信の使用などが有効です。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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