JPEG(Joint Photographic Experts Group)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

JPEG(Joint Photographic Experts Group)とは
JPEGの圧縮率と画質の関係
JPEGの圧縮率を上げるほど画質が低下する仕組み
圧縮率と画質のバランスを考慮した最適な設定方法
高圧縮JPEGの特徴と用途
JPEGの色空間とカラープロファイル
JPEGで使用される代表的な色空間
カラープロファイルの役割と重要性
色空間変換時の注意点
JPEGの保存とメタデータ
JPEGのメタデータの種類と役割
メタデータの編集と保存方法
メタデータを活用した画像管理のヒント

JPEG(Joint Photographic Experts Group)とは

JPEGはJoint Photographic Experts Groupの略称で、静止画像を圧縮するための規格の一つです。この規格は、画像データを劣化させながら圧縮することで、ファイルサイズを小さくすることができます。

JPEGは、写真やグラフィックの圧縮に適しており、Webページや印刷物などで広く使用されています。圧縮率を高くすると画質が低下しますが、ファイルサイズを大幅に減らすことができるため、ストレージや通信帯域の節約に役立ちます。

JPEGの圧縮アルゴリズムは、人間の視覚特性を利用しています。人間の目は、輝度の変化には敏感ですが、色の変化にはそれほど敏感ではありません。そのため、JPEGは輝度データを多く保持し、色データを間引くことで圧縮効率を高めているのです。

JPEGは非可逆圧縮であるため、一度圧縮すると元のデータを完全に復元することはできません。したがって、編集を繰り返すたびに画質が低下していきます。可逆圧縮が必要な場合は、PNGやTIFFなどの他のフォーマットを使用する必要があります。

JPEGは、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真の保存フォーマットとしても広く使われています。多くのデバイスやソフトウェアがJPEGをサポートしており、互換性が高いのも特徴です。

JPEGの圧縮率と画質の関係

JPEGの圧縮率と画質の関係について、以下3つを簡単に解説していきます。

JPEGの圧縮率を上げるほど画質が低下する仕組み
圧縮率と画質のバランスを考慮した最適な設定方法
高圧縮JPEGの特徴と用途

JPEGの圧縮率を上げるほど画質が低下する仕組み

JPEGの圧縮率を上げると、画像データの一部が失われるため、画質が低下します。具体的には、高周波成分のデータが削減されるため、エッジのぼやけや細部の損失が発生します。

圧縮率が高いほど、失われるデータ量が多くなるため、画質の低下が顕著になります。特に、圧縮率を90%以上に設定すると、ブロックノイズと呼ばれるモザイク状のノイズが目立つようになります。

ただし、圧縮率を低くしすぎると、ファイルサイズが大きくなりすぎてしまいます。したがって、用途に応じて適切な圧縮率を選択することが重要です。

圧縮率と画質のバランスを考慮した最適な設定方法

JPEGの圧縮率は、用途に応じて調整する必要があります。例えば、Webページに掲載する写真の場合、ファイルサイズを小さくすることが重要なので、圧縮率を高めに設定することが一般的です。

一方、印刷物に使用する写真の場合は、画質を重視する必要があるため、圧縮率を低めに設定するのが適切でしょう。通常、印刷用の写真は、圧縮率を60%～80%程度に設定することが推奨されています。

最適な圧縮率は、画像の内容によっても異なります。細部が多い画像や、色の変化が少ない画像は、圧縮による劣化が目立ちやすいため、圧縮率を低めに設定する必要があるでしょう。

高圧縮JPEGの特徴と用途

高圧縮JPEGは、ファイルサイズを大幅に減らせる一方で、画質の大幅な低下を伴います。ブロックノイズやエッジのぼやけが目立ち、細部の情報が失われるため、鑑賞用には適しません。

しかし、高圧縮JPEGは、サムネイル画像やプレビュー画像の生成に適しています。また、画質よりもファイルサイズを優先する必要がある場合、例えばモバイルデータ通信量を節約したい場合などにも有用です。

ただし、高圧縮JPEGを繰り返し編集すると、画質の劣化が蓄積されていくため、注意が必要です。できるだけ、オリジナルの画像データを保管しておき、必要に応じて再圧縮するようにしましょう。

JPEGの色空間とカラープロファイル

JPEGの色空間とカラープロファイルについて、以下3つを簡単に解説していきます。

JPEGで使用される代表的な色空間
カラープロファイルの役割と重要性
色空間変換時の注意点

JPEGで使用される代表的な色空間

JPEGは、様々な色空間をサポートしていますが、最も一般的なのはsRGB色空間です。sRGBは、モニターやWebブラウザなどで標準的に使用される色空間で、多くのデバイスで互換性が高いのが特徴です。

一方、印刷用の画像には、CMYKやAdobe RGBなどの色空間が使用されることがあります。これらの色空間は、sRGBよりも広い色域を持っているため、より豊かな色表現が可能になります。

ただし、色空間の違いを考慮せずに画像を使用すると、意図しない色の変化が生じる可能性があります。そのため、画像の用途に応じて適切な色空間を選択することが重要です。

カラープロファイルの役割と重要性

カラープロファイルは、色空間の特性を記述したデータで、画像に埋め込まれています。このプロファイルを参照することで、異なるデバイス間でも色の再現性を維持することができます。

例えば、モニターで作成した画像を印刷する場合、モニターとプリンターでは色の再現範囲が異なります。カラープロファイルを使用することで、色空間の違いを補正し、意図した色に近づけることができるのです。

カラープロファイルを埋め込まない画像は、異なるデバイスで表示した際に、色が大きく変化する可能性があります。したがって、画像の配布や共有を行う際は、必ずカラープロファイルを埋め込むようにしましょう。

色空間変換時の注意点

JPEGの色空間を変換する際は、画質の劣化に注意が必要です。特に、色域の広い色空間から狭い色空間への変換では、色情報が失われるため、色の欠落やバンディングと呼ばれる色の段差が発生することがあります。

色空間の変換は、画像編集ソフトで行うことができますが、変換方法によっては画質が大きく損なわれる可能性があります。できるだけ、元の色空間を維持し、必要な場合にのみ変換するようにしましょう。

また、カラープロファイルを変更する際は、画像の用途に応じて適切なプロファイルを選択することが重要です。例えば、Webページに掲載する画像は、sRGBが適していますが、印刷用の画像では、CMYKやAdobe RGBが適しています。

JPEGの保存とメタデータ

JPEGの保存とメタデータについて、以下3つを簡単に解説していきます。

JPEGのメタデータの種類と役割
メタデータの編集と保存方法
メタデータを活用した画像管理のヒント

JPEGのメタデータの種類と役割

JPEGには、画像データだけでなく、撮影日時や撮影場所、使用カメラなどの情報を記録するメタデータが含まれています。代表的なメタデータとして、Exif(Exchangeable image file format)やIPTC(International Press Telecommunications Council)などがあります。

Exifは、デジタルカメラで撮影した画像に記録される情報で、撮影日時や露出、GPSによる位置情報などが含まれます。一方、IPTCは、主に報道写真で使用されるメタデータで、キャプションや著作権情報などを記録することができます。

これらのメタデータを活用することで、画像の管理や検索が容易になります。例えば、撮影日時や位置情報を基に画像を分類したり、キーワードを付与して検索したりすることができます。