LUN(Logical Unit Number)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

LUN(Logical Unit Number)とは
LUNの割り当てと管理
LUNの割り当て方法
LUNとサーバーの関連付け
LUNの監視とトラブルシューティング
LUNとストレージパフォーマンス
LUNのストライピングとRAID
LUNのキャッシュとバッファ
LUNのQoS(Quality of Service)
LUNとストレージの仮想化
シンプロビジョニングとシックプロビジョニング
ストレージの仮想化とLUN
仮想化環境でのLUNの利用

LUN(Logical Unit Number)とは

LUN(Logical Unit Number)は、ストレージデバイスを識別するために使用される番号のことです。ストレージデバイスは、物理的なハードディスクやSSDなどの記憶装置を指します。

LUNは、ストレージデバイスをコンピュータシステムに接続する際に、各デバイスに割り当てられる一意の番号です。この番号によって、システムはストレージデバイスを認識し、アクセスすることができるようになります。

LUNは、SANやNASなどのストレージネットワークで広く使用されています。これらのネットワークでは、複数のサーバーがストレージデバイスを共有することが一般的です。LUNを使用することで、各サーバーがストレージデバイスを識別し、適切にアクセスできるようになります。

LUNの割り当ては、ストレージ管理ソフトウェアを使用して行われます。管理者は、ストレージデバイスにLUNを割り当て、各サーバーにそのLUNへのアクセス権を付与します。これにより、サーバーはストレージデバイスを認識し、データの読み書きが可能になります。

LUNは、ストレージ容量の柔軟な割り当てを可能にします。１つの物理ストレージデバイスを複数のLUNに分割し、異なるサーバーやアプリケーションに割り当てることができます。これにより、ストレージリソースの効率的な活用が実現されます。

LUNの割り当てと管理

LUNの割り当てと管理に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

LUNの割り当て方法
LUNとサーバーの関連付け
LUNの監視とトラブルシューティング

LUNの割り当て方法

LUNの割り当ては、ストレージ管理ソフトウェアを使用して行います。管理者は、ストレージデバイスを選択し、LUNを作成します。LUNのサイズや名前、アクセス権限などを設定し、適切なサーバーに割り当てます。

LUNの割り当て時には、ストレージデバイスの容量や性能、冗長性などを考慮する必要があります。適切なRAIDレベルを選択し、データの保護と可用性を確保します。また、LUNのサイズは、サーバーの要件に応じて適切に設定する必要があります。

LUNの割り当ては、ストレージネットワークの設計と密接に関連しています。ストレージ管理者は、ネットワークトポロジーやファブリックの構成を考慮し、最適なLUN割り当てを行います。これにより、パフォーマンスと可用性を最大化できます。

LUNとサーバーの関連付け

LUNをサーバーに割り当てた後は、サーバー側でLUNを認識し、マウントする必要があります。これは通常、ストレージ管理ソフトウェアと連携して行われます。サーバーは、割り当てられたLUNを検出し、ファイルシステムを作成してマウントします。

LUNとサーバーの関連付けには、様々なプロトコルが使用されます。代表的なプロトコルには、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)やFC(Fibre Channel)などがあります。これらのプロトコルを使用して、サーバーはLUNにアクセスし、データの読み書きを行います。

LUNとサーバーの関連付けを適切に行うことで、サーバーはストレージデバイスを効率的に利用できるようになります。また、フェイルオーバーやロードバランシングなどの高可用性機能を活用することで、サーバーとストレージ間の冗長性を確保できます。

LUNの監視とトラブルシューティング

LUNの割り当てと関連付けが完了した後は、継続的な監視とメンテナンスが重要です。ストレージ管理ソフトウェアを使用して、LUNの状態や性能を監視し、問題の早期発見と対処を行います。

LUNに関する一般的な問題には、容量不足やパフォーマンスの低下、接続の切断などがあります。これらの問題を迅速に特定し、適切な対処を行うことが重要です。トラブルシューティングには、ログの分析やパフォーマンスメトリクスの確認、設定の見直しなどが含まれます。

また、LUNの管理には、定期的なバックアップとリストアも欠かせません。障害発生時にデータを迅速に復旧できるよう、適切なバックアップ戦略を策定し、定期的にテストを行います。これにより、データの可用性と整合性を維持できます。

LUNとストレージパフォーマンス

LUNとストレージパフォーマンスに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

LUNのストライピングとRAID
LUNのキャッシュとバッファ
LUNのQoS(Quality of Service)

LUNのストライピングとRAID

LUNのストライピングは、複数のディスクにデータを分散して書き込む技術です。これにより、読み書きのパフォーマンスが向上します。ストライピングは、RAIDと組み合わせて使用されることが一般的です。

RAIDは、複数のディスクを組み合わせてデータの冗長性を確保する技術です。代表的なRAIDレベルには、RAID 0(ストライピング)、RAID 1(ミラーリング)、RAID 5(ストライピング＋パリティ)などがあります。RAIDレベルの選択は、パフォーマンスと冗長性のバランスを考慮して行います。

LUNにストライピングとRAIDを適用することで、高速なデータアクセスと冗長性の確保が可能になります。ただし、RAIDの設定は慎重に行う必要があります。RAIDレベルやストライプサイズなどのパラメータは、ワークロードの特性に応じて最適化します。

LUNのキャッシュとバッファ

LUNのパフォーマンスを向上させるために、キャッシュとバッファが使用されます。キャッシュは、頻繁にアクセスされるデータを高速なメモリに保持することで、読み取り性能を向上させます。バッファは、書き込みデータを一時的にメモリに保持し、ディスクへの書き込みを最適化します。

キャッシュとバッファの適切な設定は、LUNのパフォーマンスに大きな影響を与えます。キャッシュサイズやキャッシュポリシー、バッファの設定などを適切に調整することで、読み書きの性能を最大化できます。また、キャッシュの効果的な活用には、ワークロードの特性を理解することが重要です。

ストレージシステムによっては、キャッシュやバッファの設定を自動的に最適化する機能を提供しています。これらの機能を活用することで、管理者の負担を軽減しつつ、最適なパフォーマンスを実現できます。ただし、自動最適化の結果は定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行う必要があります。

LUNのQoS(Quality of Service)

LUNのQoS(Quality of Service)は、ストレージリソースの割り当てと優先度を制御する機能です。QoSを使用することで、重要なワークロードに対して十分なリソースを確保し、パフォーマンスを保証できます。

QoSは、LUNごとに設定できます。IOPSやスループット、レイテンシなどのメトリクスに基づいて、LUNに割り当てるリソースを制御します。これにより、重要なアプリケーションのパフォーマンスを維持しつつ、他のワークロードによる影響を最小限に抑えることができます。

QoSの設定には、ワークロードの要件や優先度を十分に理解することが重要です。適切なQoSポリシーを定義し、定期的にモニタリングと調整を行うことで、ストレージシステム全体のパフォーマンスを最適化できます。また、QoSを使用する際は、ストレージシステムのリソース容量を考慮し、過度な制限を避ける必要があります。