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EOSL(End of Service Life)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EOSL(End of Service Life)とは

EOSLとはEnd of Service Lifeの略称であり、ベンダーがシステムやソフトウェアに対するサポートを終了することを意味します。ベンダーが定めたEOSLの日付を過ぎると、セキュリティパッチなどの提供が打ち切られるため、システムの安全性が脅かされる可能性があります。

EOSLは製品のライフサイクルにおける最終段階に位置付けられています。ベンダーは新しい製品やサービスに注力するために、古い製品のサポートを段階的に縮小し、最終的にはEOSLを迎えることになります。

EOSLを迎えた製品を継続して使用することはセキュリティ上のリスクが高まるだけでなく、法令遵守の観点からも問題があります。特に、個人情報を扱うシステムや、オンラインバンキングなどの重要なシステムではEOSLを迎えた製品の使用は避けるべきでしょう。

EOSLへの対応としては該当する製品やシステムのアップグレードや移行が必要になります。しかし、これには多くの時間とコストがかかるため、計画的に進める必要があります。

また、クラウドサービスを利用することで、EOSLの問題を回避することも可能です。クラウドサービスではベンダーがシステムの保守・運用を行うため、EOSLの影響を受けにくくなります。

EOSLの対象となる製品やサービス

EOSLの対象となる製品やサービスに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ハードウェア製品のEOSL
  • ソフトウェア製品のEOSL
  • クラウドサービスとEOSL

ハードウェア製品のEOSL

サーバーやネットワーク機器などのハードウェア製品は一般的に5年から10年程度のサポート期間が設けられています。この期間が過ぎるとEOSLを迎え、故障時の部品交換などのサポートが受けられなくなります。

EOSLを迎えたハードウェア製品を継続して使用すると、故障時の復旧が困難になるだけでなく、性能面での問題も発生します。最新のソフトウェアやOSが動作しなくなるため、業務効率の低下や、セキュリティリスクの増大につながる可能性があります。

ハードウェア製品のEOSLへの対応としては新しい製品への移行が必要になります。移行に際してはデータの移行やシステムの設定変更など、多くの作業が発生するため、計画的に進める必要があります。

ソフトウェア製品のEOSL

オペレーティングシステム(OS)やミドルウェアなどのソフトウェア製品も、ハードウェア製品と同様にEOSLが設定されています。ソフトウェア製品のEOSLを迎えると、セキュリティパッチの提供が打ち切られ、脆弱性への対処ができなくなります。

EOSLを迎えたソフトウェア製品を継続して使用すると、マルウェアの感染や情報漏洩などのセキュリティインシデントが発生するリスクが高まります。また、法令遵守の観点からも問題があり、企業の信頼性を損なう可能性があります。

ソフトウェア製品のEOSLへの対応としては新しいバージョンへのアップグレードや、別の製品への移行が必要になります。移行に際しては互換性の確認やデータの移行など、多くの検証作業が必要になります。

クラウドサービスとEOSL

クラウドサービスを利用することで、EOSLの問題を回避することが可能です。クラウドサービスではベンダーがハードウェアやソフトウェアの保守・運用を行うため、利用者はEOSLを意識する必要がありません。

ただし、クラウドサービスを利用する場合でも、サービスの内容や利用方法によってはEOSLの影響を受ける可能性があります。例えば、特定のOSやミドルウェアを前提としたサービスを利用している場合、それらのEOSLを迎えると、サービスの継続利用が困難になる可能性があります。

クラウドサービスを利用する際はサービスの内容や利用方法を十分に確認し、EOSLの影響を受けないように注意する必要があります。また、クラウドサービスの利用にはベンダーロックインのリスクもあるため、移行性についても検討しておく必要があります。

EOSLの日付の確認方法

EOSLの日付の確認方法に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ベンダーのウェブサイトでの確認
  • 製品のドキュメントでの確認
  • サポート契約での確認

ベンダーのウェブサイトでの確認

多くのベンダーは自社の製品やサービスのEOSL情報をウェブサイト上で公開しています。製品名やバージョンを検索することで、EOSLの日付を確認することができます。

ただし、ウェブサイト上の情報は更新が遅れる場合があるため、最新の情報を入手できない可能性があります。また、EOSLの日付が明記されていない場合もあるため、注意が必要です。

ウェブサイト上でEOSL情報が見つからない場合はベンダーのサポート窓口に問い合わせることをお勧めします。サポート担当者から直接、最新のEOSL情報を入手することができます。

製品のドキュメントでの確認

製品に付属するドキュメントにも、EOSL情報が記載されている場合があります。取扱説明書やリリースノートなどを確認することで、EOSLの日付を把握することができます。

ただし、製品の購入時に付属していたドキュメントには最新のEOSL情報が反映されていない可能性があります。製品の購入から時間が経過している場合はベンダーのウェブサイトで最新のドキュメントを入手することをお勧めします。

また、ドキュメントによってはEOSLの日付が明記されていない場合もあります。EOSLに関する記述がない場合はベンダーのサポート窓口に問い合わせることをお勧めします。

サポート契約での確認

ベンダーとサポート契約を締結している場合、契約書にEOSLの日付が明記されていることがあります。サポート契約書を確認することで、EOSLの日付を把握することができます。

サポート契約は製品やサービスごとに内容が異なります。契約内容を十分に確認し、EOSLに関する条項があるかどうかを確認する必要があります。

また、サポート契約の更新時にはEOSLの日付が変更される場合があります。契約更新の際は必ずEOSLの日付を確認し、システムへの影響を検討しておくことが重要です。

EOSLへの対策と移行計画

EOSLへの対策と移行計画に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EOSLへの対策の必要性
  • 移行計画の立案
  • 移行における注意点

EOSLへの対策の必要性

EOSLを迎えた製品やサービスを継続して使用することはセキュリティ上のリスクが高まるだけでなく、法令遵守の観点からも問題があります。EOSLへの対策を怠ると、システムの安定稼働が脅かされ、業務に大きな支障をきたす可能性があります。

EOSLへの対策としては該当する製品やサービスの利用を停止し、新しい製品やサービスへの移行を検討する必要があります。移行には多くの時間とコストがかかるため、計画的に進める必要があります。

また、EOSLへの対策を講じる際はシステム全体への影響を考慮する必要があります。一部の製品やサービスのEOSLが、他のシステムに与える影響を十分に検討し、必要な対策を講じることが重要です。

移行計画の立案

EOSLを迎える製品やサービスからの移行を円滑に進めるためには移行計画を立案する必要があります。移行計画では移行の目的や範囲、スケジュール、体制などを明確にします。

移行計画の立案に際しては現状のシステム構成を十分に把握することが重要です。対象となる製品やサービスの利用状況を調査し、移行による影響を検討する必要があります。

また、移行先の製品やサービスの選定も重要なポイントです。新しい製品やサービスが、現在のシステムに適しているかどうかを十分に検討する必要があります。コストや性能、互換性などを総合的に判断し、最適な移行先を選定することが求められます。

移行における注意点

EOSLを迎える製品やサービスからの移行を行う際はいくつかの注意点があります。まず、移行に伴うリスクを十分に検討し、対策を講じる必要があります。移行作業によって、システムの停止やデータの消失など、重大な問題が発生する可能性があります。

また、移行先の製品やサービスの運用方法を十分に習得する必要があります。新しい製品やサービスの操作方法やトラブルシューティングなどを事前に学習し、円滑な運用ができるようにしておくことが重要です。

さらに、移行に伴うコストを適切に管理することも重要です。移行にかかる作業工数やライセンス費用などを事前に見積もり、予算内で対応できるようにしておく必要があります。コストを抑えるために、移行の範囲を適切に設定することも重要なポイントです。

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