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1310nmとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


1310nmとは

1310nmは光通信で使用される波長の1つであり、近赤外線の波長帯に属しています。この波長帯は光ファイバーの低損失領域に位置しており、長距離通信に適しています。

1310nm帯の光は石英系光ファイバーにおいて、材料分散がゼロになる波長でもあります。そのため、1310nm帯の光を用いることで、光ファイバー中の分散による信号の歪みを最小限に抑えることが可能となります。

1310nm帯の光源には主に分布帰還型レーザー(DFB laser)や垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)が用いられます。これらのレーザーは高速変調が可能であり、長距離伝送に適しています。

1310nm帯の光は主にメトロネットワークやアクセスネットワークで使用されています。これらのネットワークでは数十kmから数百kmの中距離伝送が必要とされており、1310nm帯の光がその要件を満たしています。

また、1310nm帯の光は波長分割多重(WDM)システムにおいても重要な役割を果たしています。WDMシステムでは複数の波長の光を同時に伝送することで、光ファイバーの伝送容量を飛躍的に向上させることができます。

1310nmの伝送特性と適用範囲

1310nmの伝送特性と適用範囲に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 1310nm帯の光の伝送損失と伝送距離
  • 1310nm帯の光の分散特性とその影響
  • 1310nm帯の光の適用範囲と用途

1310nm帯の光の伝送損失と伝送距離

1310nm帯の光は石英系光ファイバーにおいて低損失な波長帯であり、伝送損失は約0.35dB/kmと非常に小さくなっています。この低損失特性により、1310nm帯の光は長距離伝送に適しており、数十kmから数百kmの伝送が可能です。

また、1310nm帯の光は光ファイバーの曲げ損失に対しても耐性があります。そのため、布設時の取り回しが容易であり、設置コストの削減にも貢献します。

1310nm帯の光の低損失特性と曲げ耐性により、メトロネットワークやアクセスネットワークにおける中距離伝送に広く用いられています。これらのネットワークでは数十kmから数百kmの伝送距離が要求されることが多く、1310nm帯の光がその要件を満たしているのです。

1310nm帯の光の分散特性とその影響

1310nm帯の光は石英系光ファイバーにおいて材料分散がゼロになる波長帯です。材料分散とは光の波長によって屈折率が異なることに起因する分散であり、光信号の歪みの原因となります。

1310nm帯の光を用いることで、材料分散による信号の歪みを最小限に抑えることができます。これにより、高速な光信号の伝送が可能となり、伝送容量の増大に寄与します。

ただし、1310nm帯の光は波長分散と呼ばれる別の種類の分散の影響を受けます。波長分散は光の波長によって伝搬速度が異なることに起因する分散であり、長距離伝送時には無視できない大きさになります。そのため、長距離伝送時には波長分散補償技術が必要となります。

1310nm帯の光の適用範囲と用途

1310nm帯の光は主にメトロネットワークやアクセスネットワークにおける中距離伝送に用いられています。メトロネットワークは都市内や都市間を結ぶネットワークであり、数十kmから数百kmの伝送距離が要求されます。

一方、アクセスネットワークは家庭や企業などのユーザーを通信事業者のネットワークに接続するためのネットワークであり、数kmから数十kmの伝送距離が必要とされます。これらのネットワークでは1310nm帯の光の低損失特性と分散特性が活かされています。

また、1310nm帯の光は波長分割多重(WDM)システムにおいても重要な役割を果たしています。WDMシステムでは異なる波長の光を同時に伝送することで、光ファイバーの伝送容量を大幅に増大させることができます。1310nm帯の光はWDMシステムにおける主要な波長の1つとして使用されています。

1310nmの光源とその特徴

1310nmの光源とその特徴に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 1310nm帯の分布帰還型レーザー(DFB laser)の特徴
  • 1310nm帯の垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)の特徴
  • 1310nm帯の光源の変調速度と伝送容量

1310nm帯の分布帰還型レーザー(DFB laser)の特徴

分布帰還型レーザー(DFB laser)は1310nm帯の光源として広く用いられているデバイスです。DFBレーザーは活性層に回折格子を設けることで、単一の波長の光を発振させることができます。

DFBレーザーは高い波長安定性と狭いスペクトル幅を持っているため、長距離伝送に適しています。また、高速変調が可能であり、10Gbps以上の伝送速度を実現できます。

1310nm帯のDFBレーザーは主にメトロネットワークやアクセスネットワークにおける中距離伝送に用いられています。これらのネットワークでは高速かつ安定した光信号の伝送が要求されるため、DFBレーザーの特性が活かされているのです。

1310nm帯の垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)の特徴

垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)は近年注目を集めている1310nm帯の光源の1つです。VCSELは活性層を垂直方向に積層することで、面発光型のレーザーを実現したデバイスです。

VCSELは低消費電力、低コスト、高速変調が可能であるという特徴を持っています。また、アレイ化が容易であるため、並列伝送にも適しています。

1310nm帯のVCSELは主にデータセンター内の短距離伝送に用いられています。データセンターでは多数のサーバー間を高速に接続する必要があり、低コストかつ高速な光インターコネクトが求められます。1310nm帯のVCSELはこれらの要求に応えることができるデバイスなのです。

1310nm帯の光源の変調速度と伝送容量

1310nm帯の光源は高速変調が可能であり、高い伝送容量を実現できます。DFBレーザーは10Gbps以上の変調速度を実現できるため、長距離伝送においても高速な光信号の伝送が可能となります。

一方、VCSELは25Gbps以上の変調速度を実現できるため、短距離伝送においても大容量の光信号の伝送が可能です。また、VCSELアレイを用いた並列伝送では数百Gbpsを超える伝送容量を実現できます。

1310nm帯の光源の高速変調特性と高い伝送容量は現代の情報化社会を支える重要な要素の1つとなっています。今後も、1310nm帯の光源の高性能化が進むことで、より高速かつ大容量の光通信システムが実現されていくことが期待されています。

1310nmの光通信システムの将来展望

1310nmの光通信システムの将来展望に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 1310nm帯の光通信システムの高速化・大容量化の動向
  • 1310nm帯の光通信システムの適用範囲の拡大
  • 1310nm帯の光デバイスの高性能化と新技術の開発

1310nm帯の光通信システムの高速化・大容量化の動向

1310nm帯の光通信システムは今後さらなる高速化・大容量化が進むと予想されています。現在、1310nm帯の光源では10Gbps以上の変調速度が実現されていますが、将来的には100Gbpsを超える変調速度の実現が期待されています。

また、波長分割多重(WDM)技術の高度化により、1310nm帯の光ファイバーの伝送容量は飛躍的に増大すると考えられます。現在、WDMシステムでは数十波長の光を多重化することで、数Tbpsの伝送容量が実現されていますが、将来的には数百波長の多重化が可能になると予想されています。

1310nm帯の光通信システムの高速化・大容量化は高精細動画像の伝送やクラウドサービスの普及など、今後の情報化社会の発展を支える重要な要素の1つとなるでしょう。

1310nm帯の光通信システムの適用範囲の拡大

1310nm帯の光通信システムは現在主にメトロネットワークやアクセスネットワークで使用されていますが、今後はその適用範囲がさらに拡大すると考えられています。特に、5Gモバイルネットワークの普及に伴い、1310nm帯の光通信システムがモバイルフロントホールやバックホールに用いられることが期待されています。

また、データセンター内の光インターコネクトにおいても、1310nm帯のVCSELを用いた光通信システムの適用が進むと予想されます。データセンターでは高速かつ低コストな光インターコネクトが求められており、1310nm帯のVCSELがその要求に応えることができるからです。

1310nm帯の光通信システムの適用範囲の拡大は情報通信インフラの高度化と効率化に寄与すると考えられます。今後、1310nm帯の光通信システムが、より多様な分野で活用されていくことが期待されています。

1310nm帯の光デバイスの高性能化と新技術の開発

1310nm帯の光通信システムの発展には光デバイスの高性能化と新技術の開発が不可欠です。現在、1310nm帯の光源であるDFBレーザーやVCSELの高性能化が進められており、変調速度の向上や消費電力の削減が図られています。

また、1310nm帯の光通信システムにおける新技術の開発も活発に行われています。例えば、シリコンフォトニクス技術を用いた1310nm帯の光デバイスの開発が進められており、光集積回路の実現が期待されています。

さらに、1310nm帯の光ファイバーの伝送特性を改善するための新技術の開発も行われています。例えば、ホローコア光ファイバーと呼ばれる新しい光ファイバーでは1310nm帯の光の伝送損失を大幅に低減できることが示されています。このような新技術の開発により、1310nm帯の光通信システムの性能は今後さらに向上していくと考えられます。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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