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Looker Studioのデータソース設計・運用のポイントを徹底解説!

text: XEXEQ編集部


Looker Studioのデータソースの種類と特徴

「Looker Studioのデータソースの種類と特徴」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Looker Studioで使用できる主なデータソースの種類
  • Looker Studioのデータソースの埋め込みと再利用可能の違い
  • データソースの認証情報の種類とアクセス権限について

Looker Studioで使用できる主なデータソースの種類

Looker Studioでは、Googleが提供する無料のコネクタを使用して、Google スプレッドシート、Google 広告、Google アナリティクスなどのGoogleのサービスからデータを取得できます。また、Looker Studio パートナーが作成した有料のコミュニティ コネクタを使用することで、Salesforceなどの外部サービスのデータも連携可能です。CSV形式のファイルをアップロードして、独自のデータソースとして使用することもできます。

ほとんどのデータソースは、基になるデータセットに対するライブ接続を維持しており、Looker Studioにデータをインポートせずに参照します。一方、パフォーマンス向上のために、抽出済みデータソースを使用することで、データの静的なスナップショットを作成し、Looker Studioに保存することも可能です。データソースの種類によって、データの更新頻度や保存方法が異なるため、要件に合わせて適切なデータソースを選択する必要があります。

BigQueryをデータソースとして使用する場合、カスタムクエリまたはテーブル・ビューを指定することができます。カスタムクエリを使用すると、レポート用にテーブルを追加せずに簡単に設定できる反面、グラフで使用しない項目も処理対象になるため、BigQueryのコスト効率が悪くなります。一方、テーブルを使用すると、グラフで使用する項目だけが処理対象になるため、BigQueryの課金対象を削減できますが、テーブルの作成・維持管理のコストが増加します。

Looker Studioのデータソースの埋め込みと再利用可能の違い

Looker Studioのデータソースには、「埋め込み」と「再利用可能」の2種類があります。埋め込みデータソースは、特定のレポートに直接埋め込まれ、そのレポート限定で使用可能です。レポートの編集者以上の権限があれば、データソースの編集と接続の変更が可能であり、レポートを共有またはコピーすると、埋め込みデータソースも一緒に共有・コピーされます。

一方、再利用可能なデータソースは、複数のレポートで共有して使用することができます。データソースの内容を変更すると、同じデータソースを使用している他のレポートにも反映されるため注意が必要です。再利用可能なデータソースを編集するには、データソースの編集者以上の権限が必要であり、レポートの共有やコピーを行ってもデータソース自体は共有・コピーされません。

埋め込みデータソースは、レポートとデータソースの編集権限が一致するため、複数人でのレポート編集がスムーズに行えるメリットがあります。一方、再利用可能なデータソースは、組織全体で一貫したデータモデルを作成・共有できるメリットがあります。レポートの要件や運用方法に応じて、適切なデータソースの種類を選択する必要があります。

データソースの認証情報の種類とアクセス権限について

Looker Studioのデータソースへのアクセス権限は、データの認証情報によって制御されます。オーナーの認証情報を使用する場合、データソースのオーナーの権限情報を利用して、全てのユーザーがデータにアクセスできます。この場合、データセットへのアクセス権がないユーザーでもデータを閲覧できるため、機密情報を含むデータを扱う際には注意が必要です。

閲覧者の認証情報を使用する場合、各ユーザーごとのデータセットへの権限情報に基づいて認証が行われます。そのため、データセットへのアクセス権を持たないユーザーはデータを閲覧できません。サービスアカウントの認証情報は、BigQueryのデータセットに対してのみ使用可能であり、人間ではなくソフトウェアやシステムが操作するために設定された特別なタイプのGoogleアカウントです。

データソースの認証情報は、レポートの共有設定とは独立して管理する必要があります。レポートの共有やユーザー権限の設定を行う際は、データソースの認証情報の設定も合わせて見直し、適切なアクセス制御を行うことが重要です。特に、オーナーの認証情報を使用している場合は、レポートの共有先ユーザーが信頼できるかどうかを十分に確認してから共有する必要があります。

Looker Studioのデータソースの編集と共有方法

「Looker Studioのデータソースの編集と共有方法」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Looker Studioの埋め込みデータソースの編集方法
  • 再利用可能なデータソースの共有と編集権限の設定
  • Looker Studioのデータソースエディタの主な機能

Looker Studioの埋め込みデータソースの編集方法

Looker Studioの埋め込みデータソースを編集するには、そのデータソースが埋め込まれているレポートを編集する必要があります。レポートの編集画面で、メニューから「リソース」>「追加済みのデータソースの管理」を選択し、対象のデータソースの「編集」ボタンをクリックすることで、データソースエディタを開くことができます。

また、レポート内の特定のグラフやテーブルに紐づいているデータソースを編集したい場合は、そのコンポーネントを選択し、右側のプロパティパネルの「データソース」から直接編集することも可能です。埋め込みデータソースの編集は、レポートの編集者以上の権限を持つユーザーであれば行うことができます。

埋め込みデータソースを編集する際は、変更内容がそのレポートにのみ反映され、他のレポートには影響しないことに注意してください。また、レポートの共有やコピーを行うと、埋め込みデータソースも一緒に共有・コピーされるため、データソースの内容を変更すると、共有先のユーザーにも影響が及ぶ点に留意が必要です。

再利用可能なデータソースの共有と編集権限の設定

再利用可能なデータソースは、Looker Studioのホームページの「データソース」タブから管理することができます。データソースを他のユーザーと共有するには、対象のデータソースを選択し、共有設定から編集者または閲覧者の権限を付与します。データソースを共有されたユーザーは、権限に応じてデータソースの内容を閲覧・編集することができます。

ただし、再利用可能なデータソースを使用しているレポートを共有しても、データソース自体は自動的に共有されません。レポートの編集者以上の権限を持つユーザーがデータソースを編集できるようにするには、データソースも明示的に共有する必要があります。また、データソースの接続情報を変更できるのは、データソースの認証情報のオーナーのみであるため注意が必要です。

再利用可能なデータソースを削除すると、そのデータソースを使用している全てのレポートからデータソースが削除されるため、慎重に行う必要があります。一方、特定のレポートからデータソースを削除しても、他のレポートやデータソース自体には影響しません。再利用可能なデータソースを効果的に活用するには、データソースの管理担当者を明確にし、適切な共有・編集権限の設定とメンテナンスを行うことが重要です。

Looker Studioのデータソースエディタの主な機能

Looker Studioのデータソースエディタでは、データソースの構造や設定を編集することができます。データソースの名前や説明を変更したり、フィールドの名前や属性を編集したりすることが可能です。また、計算フィールドを作成して、既存のフィールドを組み合わせた新しいフィールドを定義することもできます。

データソースエディタでは、データの認証情報の設定や更新頻度の調整、キャッシュオプションの設定など、データソースの動作に関する各種設定も行えます。フィールドにユーザー権限に基づくフィルタを適用することで、データに対する行レベルのセキュリティを実現することも可能です。

データソースエディタの変更履歴機能を使用すると、データソースの変更内容を追跡し、必要に応じて以前のバージョンに復元することができます。また、データソースエディタから直接新しいレポートやエクスプローラを作成したり、データソースのコピーを作成したりすることも可能です。データソースエディタを効果的に活用することで、データソースの構造や設定を柔軟にカスタマイズし、レポートやダッシュボードの要件に適したデータモデルを構築できます。

Looker Studioのデータソースの選択とコスト最適化

「Looker Studioのデータソースの選択とコスト最適化」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • BigQueryをデータソースにするメリットと注意点
  • BigQueryのカスタムクエリとテーブルの使い分け
  • Looker Studioのデータソース設計のベストプラクティス

BigQueryをデータソースにするメリットと注意点

BigQueryをLooker Studioのデータソースとして使用することで、GAやFirebaseのレポートでは実現が難しい柔軟なデータ抽出や集計が可能になります。BigQueryではSQLを用いて複雑なクエリを記述できるため、レポートの要件に応じたデータ加工を行うことができます。また、大量のデータを高速に処理できるため、GAのAPIの制限に悩まされることなくレポートを作成・共有できます。

ただし、BigQueryをデータソースにする場合は、以下の点に注意が必要です。まず、GAやFirebaseのデータをBigQueryにエクスポートする設定を事前に行う必要があります。また、BigQueryの利用には費用が発生するため、クエリの実行によるコストを適切に管理することが重要です。さらに、一部のディメンションがBigQueryに含まれていない場合があるため、レポートの要件に応じてデータソースを選択する必要があります。

BigQueryをデータソースにする場合は、データセットやテーブルの設計、クエリの最適化、コストの監視など、データエンジニアリングの知見が必要になります。また、データソースの認証情報の管理や、データ更新プロセスの自動化なども検討が必要です。BigQueryの利用コストとメンテナンスコストを適切に見積もり、レポーティングの要件に見合ったデータソースを選択することが重要です。

BigQueryのカスタムクエリとテーブルの使い分け

Looker StudioのデータソースとしてBigQueryを使用する際、カスタムクエリとテーブルのどちらを選択するかは、レポートの要件と運用方法に応じて判断する必要があります。カスタムクエリを使用すると、レポート用のテーブルを作成せずに、SQLを用いて柔軟にデータを抽出・加工できるメリットがあります。一方、クエリの実行では、グラフで使用しないフィールドも処理対象になるため、コスト効率が悪くなる場合があります。

テーブルをデータソースにする場合は、レポートで使用するフィールドのみを含むテーブルを事前に作成しておくことで、クエリの処理対象を削減し、コストを最適化することができます。ただし、テーブルの作成と維持管理には追加のコストと工数が発生します。特に、データソースが日々更新される場合は、テーブルの更新プロセスを自動化する必要があります。また、レポートの要件変更に伴ってフィールドを追加する場合は、過去のデータを含めてテーブルを再作成する必要があります。

カスタムクエリとテーブルの使い分けは、データ量、更新頻度、レポートの要件、運用体制などを総合的に判断する必要があります。データ量が少なく、レポートの要件が頻繁に変更される場合はカスタムクエリを使用し、大量のデータを扱い、レポートの構成が安定している場合はテーブルを使用するのが一般的です。ただし、レポートの要件に応じて、カスタムクエリとテーブルを組み合わせて使用することも可能です。

Looker Studioのデータソース設計のベストプラクティス

Looker Studioで効果的なレポートやダッシュボードを作成するには、データソースの設計が重要な要素となります。以下は、データソース設計のベストプラクティスです。まず、レポートの要件に基づいて、必要なデータ項目とその粒度を明確にします。その上で、データソースの種類(コネクタ、ファイルアップロード、BigQueryなど)を選択し、データモデルを設計します。

データモデルを設計する際は、パフォーマンスとメンテナンス性のバランスを考慮することが重要です。レポートで使用する項目のみを抽出し、適切なデータ型とフィールド名を設定します。また、計算フィールドやカスタムグループを活用して、レポートの要件に合わせたデータ構造を設計します。データソースのキャッシュ設定や更新頻度も、パフォーマンスとコストに影響するため、適切に調整する必要があります。

組織全体で一貫性のあるレポートを作成するには、再利用可能なデータソースを活用することが有効です。共通の指標や次元を定義し、マスターデータソースとして管理することで、レポート間の整合性を確保できます。また、データソースの認証情報やアクセス権限を適切に設定し、セキュリティを確保することも重要です。データソースの設計は、レポートの品質と運用効率に直結するため、関係者間で要件を調整し、ベストプラクティスに基づいて設計することが求められます。

タイトル:Looker Studioのデータソース設計・運用のポイントを徹底解説! ディスクリプション:Looker Studioでは、データソースの適切な選択と設計が、レポートやダッシュボードの品質に大きく影響します。本記事では、Looker Studioのデータソースの種類や特徴、BigQueryの活用方法、データソース設計のベストプラクティスなど、データソースに関する重要なポイントを詳しく解説します。

参考サイト

  1. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/
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