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ISCと荏原製作所が電動ポンプ搭載ロケットエンジン開発で提携、2028年までに人工衛星打ち上げ技術実証目指す

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

ISCと荏原製作所が電動ポンプ搭載ロケットエンジン開発で提携、2028年までに人工衛星打ち上げ技術実証目指す

PR TIMES より


記事の要約

  • ISCと荏原製作所が包括連携協定を締結
  • 電動ポンプを用いたロケットエンジンの共同開発に着手
  • 2028年3月までに人工衛星打ち上げ技術の実証を目指す

ISCと荏原製作所の包括連携協定によるロケットエンジン開発

将来宇宙輸送システム株式会社(ISC)は2024年8月21日に株式会社荏原製作所と包括連携協定を締結し、電動ポンプを活用したロケットエンジンの共同開発に取り組むことで合意した。ISCは「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」というビジョンを掲げ、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップ企業だ。[1]

荏原製作所は2000年代初頭よりJAXAのエンジン用ターボポンプ改良を支援してきた実績を持ち、その知見を活かしてロケットエンジン用電動ポンプの開発を進めている。電動ポンプは従来のターボポンプと比較して保全性や扱いやすさが向上し、再使用型ロケットと非常に相性が良いという特徴がある。

両社の連携により、2028年3月までに地球周回軌道に人工衛星を投入する技術実証を行うことを目指している。ISC代表取締役社長の畑田康二郎氏は、実績のある企業との連携が早期の再使用型ロケットによる高頻度宇宙輸送の実現に重要だと述べ、荏原製作所との協力が大きな飛躍の一歩になると期待を寄せている。

ISCと荏原製作所の連携協定概要

項目 詳細
協定締結日 2024年8月21日
開発対象 電動ポンプを用いたロケットエンジン
目標 2028年3月までに人工衛星打ち上げ技術の実証
ISCのビジョン 宇宙往還可能な輸送システムの実現
荏原製作所の強み JAXAのエンジン用ターボポンプ改良の実績
電動ポンプの特徴 保全性と扱いやすさの向上、再使用型ロケットとの相性
ISCの公式サイトはこちら

電動ポンプについて

電動ポンプとは、電気モーターを動力源として液体を移送する装置のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 電気エネルギーを直接使用するため、効率が高い
  • 制御が容易で、流量や圧力の調整が精密に行える
  • メンテナンス性が良く、長期運用に適している

ロケットエンジン用の電動ポンプは、従来のガスタービン駆動のターボポンプと比較して、システムの簡素化と信頼性の向上が期待できる。特に再使用型ロケットにおいては、打ち上げ後の点検や整備が容易になり、高頻度の運用を可能にする重要な技術となる。ISCと荏原製作所の連携により、この先進的な技術の実用化が加速することが期待される。

ISCと荏原製作所の連携協定に関する考察

ISCと荏原製作所の連携協定は、日本の宇宙産業にとって大きな前進となる可能性を秘めている。電動ポンプを用いたロケットエンジンの開発は、再使用型ロケットの実現に向けた重要なステップであり、宇宙輸送コストの大幅な削減につながる可能性がある。さらに、この技術開発は日本の宇宙産業の国際競争力強化にも寄与するだろう。

一方で、新技術の開発には常にリスクが伴う。電動ポンプの信頼性や耐久性の確保、宇宙空間での長期運用に対する適応性など、克服すべき技術的課題は多い。また、開発コストの増大や開発期間の延長といった経営上のリスクも考慮する必要がある。これらの課題に対しては、両社の技術力を結集した綿密な研究開発計画と、柔軟な戦略調整が求められるだろう。

今後、この連携協定を基盤として、より広範な宇宙関連技術の開発や、他企業・研究機関との協力関係の構築が進むことが期待される。特に、再使用型ロケットの運用に必要な周辺技術や地上設備の整備、法規制の整備など、総合的なアプローチが重要になるだろう。日本の宇宙産業全体の発展に向けて、この協定がカタリストとなることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「将来宇宙輸送システム株式会社、荏原製作所と包括連携協定を締結。同社が開発する電動ポンプを活用したロケットエンジンの開発を目指す | 将来宇宙輸送システム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000106229.html, (参照 24-09-29).

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