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三菱HCキャピタルとSPACECOOLが業務提携、放射冷却素材で暑熱対策と省エネに貢献へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

三菱HCキャピタルとSPACECOOLが業務提携、放射冷却素材で暑熱対策と省エネに貢献へ

PR TIMES より


記事の要約

  • 三菱HCキャピタルとSPACECOOLが業務提携契約を締結
  • 放射冷却素材の活用で暑熱環境改善と省エネに貢献
  • 脱炭素ソリューションの開発を目指す

三菱HCキャピタルとSPACECOOLの業務提携で放射冷却素材の活用が加速

三菱HCキャピタル株式会社とSPACECOOL株式会社は2024年10月1日に業務提携契約を締結し、SPACECOOLへの出資も行った。両社は企業や自治体における暑熱対策や省エネなどの課題解決に向け、新たな脱炭素ソリューションの開発を目指している。この提携により、放射冷却素材の導入を通じて、建物内の温度上昇抑制や空調エネルギー消費の低減が期待されている。[1]

SPACECOOLが開発・販売する放射冷却素材は、独自の光学設計により太陽光をブロックし熱吸収を抑える遮熱機能と、「大気の窓」の波長域の赤外線を増大させて宇宙に熱を放射する機能を両立している。この素材の特徴として、反射率95%以上の遮熱機能と放射率95%以上の放射冷却機能を持ち、日中でもゼロエネルギーで外気より低温にすることが可能だ。

本提携に基づき、両社は顧客への放射冷却素材導入の提案を通じて、企業・官公庁・自治体などの暑熱対策や省エネなどの課題解決に貢献する。また、設備稼働や建物環境に関するデータを取得し、省エネ効果および機器の異常停止や追加メンテナンスにかかるコスト削減効果の見える化に取り組む。さらに、放射冷却素材の導入によるCO2排出量の削減やカーボンクレジットの創出など、新たなサービスの開発を推進する方針だ。

放射冷却素材の特徴まとめ

項目 詳細
遮熱機能 反射率95%以上
放射冷却機能 放射率95%以上
冷却性能 日中でもゼロエネルギーで外気より低温化
主な効果 建物内温度上昇抑制、空調エネルギー消費低減
応用分野 労働環境改善、屋外電子機器設備の長寿命化
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放射冷却について

放射冷却とは、物体が周囲に赤外線を放射し温度が下がる自然現象のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 物体からの熱放射により自然に冷却が行われる
  • 外部エネルギーを必要としないパッシブな冷却方法
  • 特定の波長域の赤外線を効率的に放射することで冷却効果を高める

SPACECOOLが開発した放射冷却素材は、「大気の窓」と呼ばれる波長8-13μmの範囲で高い透過率を持つ大気の特性を利用している。この波長域の赤外線を効率的に放射することで、素材の温度を周囲の気温よりも低く保つことが可能となり、建物や設備の冷却に活用できる。放射冷却技術は、エネルギー消費を抑えつつ効果的な温度管理を実現する革新的な手法として注目されている。

放射冷却素材の活用に関する考察

三菱HCキャピタルとSPACECOOLの業務提携は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩だ。放射冷却素材の活用により、建物のエネルギー効率が大幅に向上し、空調コストの削減と環境負荷の軽減が同時に達成される可能性がある。特に、都市部のヒートアイランド現象の緩和や、工場・データセンターなどの大規模施設の冷却効率化に大きな貢献が期待できるだろう。

しかし、放射冷却素材の普及には課題もある。初期導入コストの高さや、既存建築物への適用の難しさが、広範な採用の障壁となる可能性がある。また、地域や気候によって効果に差が出る可能性もあり、適用範囲の見極めが重要になるだろう。これらの課題に対しては、政府の補助金制度の整備や、リースやファイナンスなどの金融サービスとの連携による導入障壁の低減が解決策として考えられる。

今後、放射冷却素材の性能向上と並行して、AIIoT技術との融合による最適制御システムの開発が期待される。例えば、気象データと連動した動的な冷却制御や、建物全体のエネルギーマネジメントシステムとの統合などが考えられる。さらに、カーボンクレジット制度との連携により、企業の環境対策としての価値を高め、より広範な普及につながる可能性がある。放射冷却技術は、脱炭素社会実現の重要な要素技術として、今後の発展が大いに期待される。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「三菱HCキャピタルとSPACECOOLが業務提携契約を締結 | SPACECOOL株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000078861.html, (参照 24-10-02).

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