ウェザーニュースアプリが熱中症対策機能を強化、「非常に危険」ランクと特別警戒アラートを追加

text: XEXEQ編集部

記事の要約

ウェザーニュースアプリで熱中症対策機能を強化
熱中症情報に「非常に危険」ランクを追加
熱中症特別警戒アラートをプッシュ通知で提供

ウェザーニュースアプリの熱中症対策機能強化

株式会社ウェザーニューズは、累計4,200万ダウンロードを誇るお天気アプリ「ウェザーニュース」の熱中症情報をアップデートし、新たに「非常に危険」ランクを追加した。このランクは環境省と気象庁が発表する熱中症警戒アラートの基準である暑さ指数（WBGT）33℃をしきい値としており、ユーザーに対してより厳重な警戒を促す仕組みとなっている。^[1]

さらに、2024年4月から運用が開始された熱中症特別警戒アラートにも対応し、発表された際にはアプリユーザーに即時でプッシュ通知を行う機能を実装した。この機能により、過去に例のない危険な暑さが予想される際に、ユーザーは迅速に情報を入手し、適切な対策を取ることが可能になった。

アプリの「熱中症情報」コンテンツでは、1kmメッシュの高解像度で48時間先まで1時間ごとの熱中症危険度を表示し、さらに週間予報も提供している。ウェザーニューズは熱中症患者搬送者数とWBGTの関係を分析し、時期・エリアによる熱中症の発生傾向を考慮した独自の熱中症危険度を算出することで、より精度の高い情報提供を実現している。

	新規追加ランク	熱中症警戒アラート	熱中症特別警戒アラート	情報提供範囲
主な特徴	「非常に危険」ランク	WBGT 33℃基準	即時プッシュ通知	48時間先まで1時間ごと
目的	厳重な警戒を促す	熱中症リスク警告	過去に例のない危険通知	詳細な熱中症リスク把握
データソース	独自算出	環境省・気象庁基準	環境省・気象庁発表	1kmメッシュ高解像度

WBGTとは

WBGTとは、Wet Bulb Globe Temperature（湿球黒球温度）の略称で、熱中症の危険度を判断するための指標のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

気温、湿度、輻射熱を考慮した温熱指標
熱中症予防に広く活用される国際的な指標
環境省や気象庁が熱中症警戒アラートの基準として採用

WBGTは単なる気温だけでなく、湿度や輻射熱も考慮に入れているため、人体への熱ストレスをより正確に評価することができる。特に日本のような高温多湿な環境下では、気温だけでは正確に熱中症のリスクを判断できないため、WBGTの活用が重要となっている。環境省と気象庁が発表する熱中症警戒アラートでは、WBGT値が33℃以上になると予測される場合に発表されることとなっている。

ウェザーニュースアプリの熱中症対策機能に関する考察

ウェザーニュースアプリの熱中症対策機能強化は、気候変動に伴う猛暑の常態化を背景に、非常に時宜を得た取り組みである。しかし、今後はアプリユーザーの個人差（年齢、性別、健康状態など）を考慮したよりパーソナライズされた熱中症リスク評価が求められるだろう。また、屋内外の環境差や、ユーザーの活動状況（運動中、労働中など）に応じたきめ細かな警告システムの開発も課題となる可能性がある。

新機能として、ウェアラブルデバイスとの連携によるリアルタイムの体調モニタリングや、AIを活用した熱中症リスク予測の精度向上が期待される。さらに、熱中症対策としての具体的な行動推奨（水分補給のタイミングや量、涼しい場所への移動ルートなど）をリアルタイムで提供する機能も有用だろう。これらの機能が追加されれば、アプリの実用性と信頼性がさらに向上すると考えられる。

今後、ウェザーニュースアプリには、単なる情報提供ツールを超えて、ユーザーの健康管理を総合的にサポートするプラットフォームへと進化することが期待される。特に、高齢者や屋外労働者など熱中症リスクの高い層に向けたカスタマイズ機能の充実や、地域の医療機関や自治体との連携強化によるより包括的な熱中症対策システムの構築が、アプリの発展の鍵を握るだろう。