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National Instruments製品に複数の脆弱性、I/O TraceとLabVIEWに影響

text: XEXEQ編集部


記事の要約

  • National Instruments製品に複数の脆弱性
  • I/O TraceとLabVIEWが影響を受ける
  • 任意のコード実行や情報漏えいのリスク

National Instruments製品の脆弱性に関する詳細

National Instrumentsは2024年7月24日、同社が提供する複数の製品に存在する脆弱性を公開した。影響を受ける製品には、I/O Trace 24.3およびそれ以前のバージョン、LabVIEW 2024 Q1、2023、2022、2020およびそれ以前のバージョンが含まれる。これらの製品には、スタックベースのバッファオーバーフロー(CVE-2024-5602)、境界外読み取り(CVE-2024-4079)、メモリバッファーエラー(CVE-2024-4080、CVE-2024-4081)の脆弱性が存在することが明らかになった。[1]

これらの脆弱性が悪用された場合、攻撃者による任意のコード実行や情報漏えいのリスクがある。特に、CVE-2024-5602の脆弱性は任意のコード実行を可能にし、CVE-2024-4079、CVE-2024-4080、CVE-2024-4081の脆弱性は情報漏えいや任意のコード実行のリスクをもたらす。National Instrumentsは、「LabVIEW 2020およびそれ以前」以外の影響を受ける製品に対してアップデートを提供している。

ユーザーに対しては、提供されているアップデートを適用することが推奨されている。「LabVIEW 2020およびそれ以前」のバージョンについては、すでにサポートが終了しているため、アップデートは提供されない。この脆弱性に関する情報は、ICS Advisory(ICSA-24-205-01およびICSA-24-205-03)でも公開されており、産業用制御システムのセキュリティにも影響を与える可能性がある点に注意が必要だ。

CVE-2024-5602 CVE-2024-4079 CVE-2024-4080/4081
脆弱性の種類 スタックベースのバッファオーバーフロー 境界外読み取り メモリバッファーエラー
影響を受ける製品 I/O Trace 24.3以前 LabVIEW全バージョン LabVIEW全バージョン
想定される影響 任意のコード実行 情報漏えい、任意のコード実行 情報漏えい、任意のコード実行
対策方法 アップデートの適用 アップデートの適用(2020以前除く) アップデートの適用(2020以前除く)

バッファオーバーフローとは

バッファオーバーフローとは、プログラムがバッファ(データを一時的に保存する領域)に想定以上のデータを書き込むことで、隣接するメモリ領域を上書きしてしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • メモリの破壊や不正アクセスにつながる可能性がある
  • 攻撃者による任意のコード実行を可能にする
  • システムのクラッシュやセキュリティ侵害の原因となる

バッファオーバーフローは、プログラミング言語のC言語C++などで特に発生しやすい脆弱性の一つだ。これは、これらの言語が低レベルのメモリ操作を可能にし、バッファのサイズチェックを開発者に委ねているためである。適切な入力検証やバッファサイズの管理、安全な関数の使用など、セキュアコーディング手法を採用することで、バッファオーバーフローのリスクを大幅に軽減することができる。

National Instruments製品の脆弱性に関する考察

National Instruments製品の脆弱性は、産業用制御システムや研究開発環境に広く使用されているツールに影響を与えるため、その影響は潜在的に大きいと言えるだろう。特に、LabVIEWは多くの研究機関や企業で使用されており、これらの組織がアップデートを適用するまでの間、セキュリティリスクにさらされる可能性がある。また、サポートが終了した古いバージョンのユーザーは、新しいバージョンへの移行を検討する必要に迫られるかもしれない。

今後、National Instrumentsには、より強固なセキュリティ体制の構築が求められるだろう。例えば、製品開発過程でのセキュリティテストの強化や、脆弱性が発見された際の迅速な対応体制の整備などが考えられる。また、ユーザー側も、定期的なセキュリティアップデートの適用や、使用していない古いバージョンの製品の廃止など、積極的なセキュリティ対策を講じる必要がある。

産業用制御システムのセキュリティは、重要インフラの保護という観点からも極めて重要だ。今回の脆弱性の公開を契機に、産業界全体でセキュリティ意識の向上と具体的な対策の実施が進むことが期待される。同時に、開発者コミュニティーとの協力や、セキュリティ研究者との連携を通じて、より安全で信頼性の高い製品開発を目指すことが、National Instrumentsの今後の課題となるだろう。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNVU#92819309: 複数のNational Instruments製品における複数の脆弱性」. https://jvn.jp/vu/JVNVU92819309/index.html, (参照 24-07-26).

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