イオン環境財団が第8回生物多様性みどり賞受賞者を発表、カザフスタンとペルーの2名が選出され生物多様性保全に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

公益財団法人イオン環境財団が第8回生物多様性みどり賞受賞者を発表
カザフスタンのヴェラ・ヴォロノヴァ氏とペルーのイサベル・カルデロン氏が受賞
生物多様性保全活動に対し各10万米ドルの賞金を贈呈

第8回生物多様性みどり賞の受賞者決定と授賞式の開催

公益財団法人イオン環境財団と国際連合環境計画生物多様性条約事務局は2024年10月8日に第8回生物多様性みどり賞の受賞者を発表した。この賞は生物多様性の保全とその普及や啓発、共有において顕著な功績と活動が認められる個人を顕彰するもので、受賞者には生物多様性保全活動を支援するために10万米ドルの賞金が贈られる。^[1]

今回の受賞者は、カザフスタン生物多様性保全協会のエグゼクティブディレクターであるヴェラ・ヴォロノヴァ氏と、環境活動団体スマック・カウサイの創設者兼CEOであるイサベル・アグスティナ・カルデロン・カルロス氏の2名だ。ヴォロノヴァ氏は中央アジア全域における種の回復や保護区の創設に取り組み、カルデロン氏は花粉媒介者の保護活動と地域コミュニティの社会経済的発展を推進している。

授賞式は10月に開催される生物多様性条約第16回締結国会議（COP16）の会場であるコロンビアで実施される予定だ。イオン環境財団は受賞者との連携により、植樹活動やアジア学生交流環境フォーラムへの学生参加など、様々な環境活動を推進している。今後も受賞者との連携を強化し、生物多様性保全の取り組みを継続的に推進していく方針である。

第8回生物多様性みどり賞受賞者の活動内容

	ヴェラ・ヴォロノヴァ氏	イサベル・カルデロン氏
所属	カザフスタン生物多様性保全協会	スマック・カウサイ
役職	エグゼクティブディレクター	創設者兼CEO
主な活動	種の回復、保護区の創設、自然保護法の整備	花粉媒介者の保護、地域コミュニティの発展
特筆すべき功績	草原地帯の哺乳類個体群と移動コリドーの回復	「ビーハニー・ルート」プロジェクトの実施
活動の影響	農村コミュニティの生活改善、次世代教育	生態系回復、原生植物の再植林、男女平等推進

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移動コリドーについて

移動コリドーとは、野生動物が安全に移動できるよう保護された自然生息地帯のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

野生動物の生息地を連結し、自由な移動を可能にする
生物多様性の維持と種の保全に重要な役割を果たす
人間の開発による生息地の分断化を緩和する

ヴェラ・ヴォロノヴァ氏の活動では、絶滅が危惧されていた草原地帯の哺乳類個体群の回復と移動コリドーの回復に大きな功績を残している。これにより、野生動物の生息域の連結性が向上し、生物多様性の保全に貢献している。移動コリドーの回復は、単に野生動物の移動を助けるだけでなく、生態系全体の健全性を維持する上で重要な役割を果たしているのだ。

生物多様性みどり賞に関する考察

生物多様性みどり賞は、生物多様性保全に貢献する個人を顕彰することで、この分野での革新的な取り組みを促進する重要な役割を果たしている。特に、受賞者の活動が地域コミュニティの発展と密接に結びついている点は高く評価できる。一方で、この賞の認知度をさらに高め、より多くの人々に生物多様性保全の重要性を伝える必要があるだろう。

今後の課題としては、受賞者の活動をより広範囲に展開し、グローバルな生物多様性保全の取り組みにつなげていくことが挙げられる。そのためには、受賞者間のネットワーク構築や、彼らの知見を活かした教育プログラムの開発など、賞の枠を超えた継続的な支援体制の構築が求められる。イオン環境財団には、こうした取り組みを通じて、生物多様性保全の重要性を社会全体に浸透させる役割が期待されるだろう。

さらに、生物多様性みどり賞を通じて発掘された革新的なアプローチを、企業や政府の環境政策に反映させていくことも重要だ。受賞者の活動から得られた知見を、より大規模な生物多様性保全プロジェクトに応用することで、賞の影響力を最大化できるはずだ。今後は、こうした多角的なアプローチによって、生物多様性みどり賞がグローバルな環境保全活動のカタリストとなることを期待したい。