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公開：2024-07-27

アシックスとダッソー・システムズ、パーソナライズされたフットウェア製品のオンデマンド提供実験を開始

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• アシックスとダッソー・システムズが協業
• パーソナライズされたフットウェア製品を提供
• 3DEXPERIENCEプラットフォームを活用

アシックスパーソナライゼーションスタジオの実証実験開始

アシックスとダッソー・システムズは、パリにある「アシックスパーソナライゼーションスタジオ」で、個人に合わせたフットウェア製品をオンデマンドで作製する実証実験を開始した。この取り組みは、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームとバーチャルツイン技術、そしてアシックスのスポーツシューズ開発で培った知的技術を組み合わせた新しい消費者サービスの実用化を目指している。^[1]

アシックスパーソナライゼーションスタジオは、コンパクトな生産設備を備えており、個々の顧客の足形や使用目的、好みに合わせた中敷を製造する。この製造プロセスでは、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で計測した足形データをもとに、アシックス独自のモデリング技術を用いて理想的な土踏まずの形状を予測する。

製造された中敷は、弾性に優れた素材と高度な3Dプリント技術を活用して立体的な格子構造を重ね合わせることで、優れた通気性とやわらかさを実現している。さらに、部位に応じて硬さを変えることで、足の負担軽減やパフォーマンス向上に必要な機能性を付加することを目指している。2025年以降には日本国内での実用化に向けた検証を重ね、将来的には中敷以外のフットウェア製品への応用も検討されている。

3DEXPERIENCEプラットフォームについて

3DEXPERIENCEプラットフォームとは、ダッソー・システムズが提供する統合型のビジネスプラットフォームのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 3D設計、シミュレーション、データ分析を統合
• バーチャルツイン技術を活用した製品開発
• クラウドベースでのコラボレーション機能

3DEXPERIENCEプラットフォームは、製品のライフサイクル全体を通じて、設計、エンジニアリング、製造、マーケティング、セールスなど、さまざまな部門や専門分野を横断的に統合することができる。このプラットフォームを活用することで、企業は製品開発プロセスを効率化し、イノベーションを加速させることが可能となり、市場投入までの時間短縮やコスト削減にも貢献することができるのだ。

パーソナライズされたフットウェア製品に関する考察

アシックスとダッソー・システムズの協業によるパーソナライズされたフットウェア製品の開発は、スポーツ用品業界に革新をもたらす可能性がある。しかし、大量生産とカスタマイズのバランスをどのように取るかが課題となるだろう。また、個人データの取り扱いや、3Dプリント技術の精度向上など、技術面でのさらなる進化が求められる可能性もある。

今後、このパーソナライゼーションの技術が他のスポーツ用品にも応用されることが期待される。例えば、ランニングシューズの靴底やアッパー部分のカスタマイズ、あるいはスポーツウェアの素材や形状の個別最適化などが考えられる。さらに、リアルタイムでの性能データ収集と分析を組み合わせることで、ユーザーのパフォーマンス向上に直結する製品開発が可能になるかもしれない。

また、この取り組みは持続可能性の観点からも注目に値する。オンデマンド生産により、在庫の無駄を減らし、環境負荷を軽減できる可能性がある。今後は、リサイクル可能な材料の使用や、製品のライフサイクル全体を通じた環境への配慮など、サステナビリティを重視した開発がさらに進むことが期待されるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「アシックスとダッソー・システムズ、足形やニーズをもとにパーソナライズされたプロダクトをオンデマンドで提供する実証実験をスタート | ダッソー・システムズ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000501.000006067.html, (参照 24-07-27).

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