TBMと多賀城市が包括連携協定を締結、カーボンリサイクル技術活用でゼロカーボンシティの実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TBMと多賀城市が包括連携協定を締結
カーボンリサイクル素材の社会実証・実装を推進
持続可能なまちづくりと経済・社会・環境の好循環を目指す

TBMと多賀城市の包括連携協定締結によるゼロカーボンシティ実現への取り組み

株式会社TBMと宮城県多賀城市は2024年10月8日、持続可能なまちづくりを推進するための包括連携協定を締結した。この協定は「ゼロカーボンシティ」の実現を目指した地球温暖化対策の強化と、市内企業や起業家とのビジネスマッチングや新事業創出による経済・社会・環境の好循環を目的としている。多賀城市役所にて締結式が行われたのだ。^[1]

TBMは2021年に宮城県多賀城市に環境配慮型素材「LIMEX」の量産プラント「東北LIMEX工場」を竣工し、LIMEX素材及び製品の普及に取り組んでいる。さらに2024年1月のダボス会議では、カーボンリサイクル技術を活用したCO2由来の炭酸カルシウムを原料とする新素材「CR LIMEX」を発表した。現在、東北LIMEX工場でCR LIMEXの量産化に向けた試作を進行中だ。

一方、多賀城市は2050年までに市域から排出される二酸化炭素量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」宣言を表明している。今回の協定締結により、多賀城市の気候変動対策とTBMの脱炭素・循環型社会実現に向けた事業活動の方向性が合致し、両者の連携が強化されることとなった。

TBMと多賀城市の包括連携協定の主な取り組み内容

取り組み分野	主な内容
カーボンリサイクル素材の開発・実装	CR LIMEX製品等の普及に向けた製品開発、社会実証・実装
環境配慮型素材の普及促進	環境配慮型の素材及び製品の啓発、普及促進
ビジネスマッチングと創業支援	スタートアップエコシステム形成、素材を介したビジネスマッチング、起業支援
脱炭素・循環型社会実現への取り組み	環境啓発事業、環境教育セミナー、脱炭素経営の普及啓発、CO2排出量算定支援

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カーボンリサイクル技術について

カーボンリサイクル技術とは、CO2を資源として有効活用する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

CO2を原料として再利用し、新たな製品や素材を生成
温室効果ガス排出削減と資源循環の両立を可能にする
化学品、燃料、鉱物など多岐にわたる分野での応用が期待される

TBMが開発したCR LIMEXは、このカーボンリサイクル技術を活用した新素材の一例である。CO2由来の炭酸カルシウムを原料とすることで、従来のLIMEX素材よりもさらに環境負荷を低減させている。この技術の実用化と普及は、多賀城市が目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に大きく寄与する可能性を秘めている。

TBMと多賀城市の包括連携協定に関する考察

TBMと多賀城市の包括連携協定は、地方自治体と民間企業が協力して環境問題に取り組む新たなモデルケースとなる可能性を秘めている。特にカーボンリサイクル技術を活用したCR LIMEXの社会実装は、地域経済の活性化と環境保護の両立を図る上で重要な役割を果たすだろう。一方で、新技術の導入には初期投資やインフラ整備など様々な課題が予想される。

これらの課題に対しては、地域住民や地元企業を巻き込んだ協議会の設立や、国や県レベルでの支援制度の活用が解決策として考えられる。また、CR LIMEXの用途拡大や性能向上といった技術面での進展も期待される。今後、多賀城市での取り組みが成功モデルとなり、他の自治体にも同様の官民連携が広がっていくことで、日本全体の脱炭素化が加速する可能性がある。

さらに、この協定を通じて生まれる新たなビジネスチャンスや雇用創出にも注目したい。環境技術を軸とした地域経済の活性化は、持続可能なまちづくりの重要な要素となるだろう。TBMと多賀城市には、この協定を通じて地域の環境・経済・社会の好循環を生み出す具体的な成果を示し、全国のモデルケースとなることを期待したい。