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富士通がAI活用のモバイルネットワーク運用高度化アプリケーションを開発、2024年11月よりグローバル提供開始へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

富士通がAI活用のモバイルネットワーク運用高度化アプリケーションを開発、2024年11月よりグローバル提供開始へ

PR TIMES より


記事の要約

  • NEDOの委託事業で富士通がAI技術を活用したネットワーク運用高度化アプリケーションを開発
  • モバイルネットワークの品質向上と省電力化を実現する世界初の技術を搭載
  • 2024年11月よりグローバルに提供開始予定

富士通がAI活用のモバイルネットワーク運用高度化アプリケーションを開発

NEDOの委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、富士通株式会社はAI技術を活用し、モバイルネットワークの通信品質を高めつつ省電力化を図る世界初の技術などから成る、ネットワーク運用を高度化するアプリケーションを開発した。このアプリケーションは、O-RAN仕様に基づく運用管理システム「FUJITSU Network Virtuora Service Management and Orchestration」に搭載され、2024年11月より全世界のモバイルネットワーク事業者に向けてグローバルに順次提供を開始する予定だ。[1]

開発されたアプリケーションは、AIでネットワーク品質をリアルタイムで推定し品質を維持する技術と、イベント開催時などネットワーク品質の劣化を未然に防止する技術、基地局のカバーエリアを再設計して品質を維持する技術の三つで構成されている。これらの技術により、モバイルネットワークの利用者が最も期待する「つながりやすさ」を、通常時だけでなく自然災害などの有事やイベント開催時にも実現し、利便性と満足度向上、有事の安全性確保につなげることが可能となった。

さらに、モバイルネットワーク事業者にとっては、トラフィック量に応じた適切な運用により運用コスト削減、省電力化を支援することが可能となる。このアプリケーションの開発により、グローバルでデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進む中、5Gモバイルネットワークの機能強化や、利用者単位、アプリケーション単位でのネットワーク品質確保が期待されている課題に対応することが可能となったのだ。

富士通の新アプリケーションの特徴まとめ

QoE推定技術 トラフィック予兆検知技術 異常検知・エリア再設計技術
主な機能 リアルタイムQoE推定と品質維持 トラフィック上昇の予兆検知 サービス品質低下検知と復旧
技術的特徴 100GbpsのRANトラフィック対応 AIによる人流増加検知 周辺セルとの比較による高精度異常検知
主な効果 基地局収容利用者数19%向上 99.8%の時間で品質影響なし 復旧時間を1日から1時間以内に短縮
対象シーン 通常時の品質維持 イベント開催時の品質維持 装置故障時の品質維持

QoEについて

QoEとは、Quality of Experienceの略称で、動画のストリーミングサービスやオンラインゲーム、アプリケーションなどを使用した際に感じる利用者の満足度や快適さのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 利用者の主観的な体験品質を数値化
  • ネットワークの技術的指標だけでなく、利用者視点の評価
  • 画質、レスポンス、安定性など多様な要素を総合的に評価

富士通が開発したアプリケーションでは、このQoEをリアルタイムで推定し、QoE低下を検知した際には自動的に他の基地局のネットワークエリアに切り替える技術を実装している。これにより、利用者一人ひとりのQoEを正確に把握し必要なリソースを割り当てることで、利便性・満足度を確保しつつ、過剰リソースを抑制することが可能となった。この技術は、多様なアプリケーションに柔軟に対応できる点が特徴だ。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「世界初、5Gモバイルネットワークの品質劣化を防止するAI技術を開発、グローバルに提供開始 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000135644.html, (参照 24-10-18).

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