菱華産業がMIRAIWOOD®︎技術で伝統工芸山中漆器をサスティナブル化、欧州ラグジュアリー市場を狙う

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

菱華産業が環境技術MIRAIWOOD®︎を活用した漆器を開発
我戸幹男商店と共同で伝統工芸山中漆器をサスティナブル化
欧州ラグジュアリー市場をターゲットに展開予定

MIRAIWOOD®︎技術を活用したサスティナブル漆器の開発

菱華産業株式会社は2024年10月16日、漆器の廃木粉をアップサイクルしたMIRAIWOOD®︎サスティナブル漆器「MWZ（みゆず）」の開発を発表した。この製品は石川県の伝統工芸山中漆器「我戸幹男商店」と共同開発され、環境志向の強い欧州ラグジュアリー市場をターゲットとしている。^[1]

MIRAIWOOD®︎技術は既存のプラスチック成型設備で高精度・高品質な木製品を生産する技術であり、プラスチック産業を環境にやさしい「サスティナブル木素材」の生産へと転換させることが可能だ。この素材は木材をベースに生分解性樹脂を混合したハイブリッド材料で、バイオマス度は73.3%以上を達成している。

昨今の世界的な木材の高騰と品不足（ウッドショック）が、天然木材を使う漆器や木製品の安定生産にとって大きな課題となっている中、MIRAIWOOD®︎のサスティナブル木素材は木製品や食品製造時の未利用部分を活用することで国内で原料を調達することが可能だ。この技術は日本の伝統工芸の継承支援や天然木の産業への貢献も目指している。

MIRAIWOOD®︎サスティナブル漆器「MWZ」の特徴

項目	詳細
素材	漆器の廃木粉をアップサイクルしたMIRAIWOOD®︎サスティナブル木素材
製造技術	工芸技術「山中彫」と天然漆の「山中塗」
製造元	伝統工芸山中漆器「我戸幹男商店」
ターゲット市場	環境志向の強い欧州ラグジュアリー市場
展示・販売	MATSUYA GINZA「めぐる未来、つづく工芸」展
開発支援	石川県加賀市の新製品開発補助事業に採択

アップサイクルについて

アップサイクルとは、廃棄物や不要になったものを新しい製品や素材に再生し、付加価値を高める循環型の取り組みのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

廃棄物の削減と資源の有効活用
新たな価値創造と環境負荷の低減
従来のリサイクルよりも高付加価値な再利用

MIRAIWOOD®︎サスティナブル漆器「MWZ」は、漆器製造時に発生する廃木粉をアップサイクルすることで、伝統工芸と環境技術を融合させた新しい価値を創出している。この取り組みは、天然資源の使用量削減と廃棄物の有効活用を同時に実現し、サスティナブルな製品開発の新たな可能性を示している。

MIRAIWOOD®︎サスティナブル漆器の開発に関する考察

MIRAIWOOD®︎技術を活用したサスティナブル漆器の開発は、伝統工芸と環境技術の融合という点で画期的だ。特に、漆器の廃木粉をアップサイクルすることで、資源の有効活用と伝統技術の継承を両立させている点が高く評価できる。一方で、伝統的な漆器との価格差や品質の違いが消費者に受け入れられるかが今後の課題となるだろう。

この技術の普及に伴い、他の伝統工芸品や木製品への応用が期待される。例えば、家具や建材など、より大規模な木製品への展開が考えられる。また、MIRAIWOOD®︎技術を活用した新たな伝統工芸品の開発や、他の産業廃棄物のアップサイクルへの応用など、技術の汎用性を高めることで、さらなる環境負荷の低減が可能になるだろう。

今後は、MIRAIWOOD®︎技術の更なる進化により、より高品質で多様な製品の開発が期待される。特に、天然木に近い質感や強度の実現、さらなるバイオマス度の向上などが課題となるだろう。また、この技術を活用した製品の環境影響評価やライフサイクルアセスメントを行い、その効果を定量的に示すことで、消費者や企業の理解を深め、サスティナブル製品の普及を加速させることができるはずだ。

参考サイト

^ PR TIMES. 「MIRAIWOOD®︎の環境技術で漆器の廃木粉をアップサイクルした、サスティナブルな伝統工芸漆器を開発 | 菱華産業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000150929.html, (参照 24-10-22).

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