【CVE-2024-45150】Adobe Dimension 4.0.4未満の境界外書き込みの脆弱性、情報漏洩やDoS攻撃のリスクで早急な対応が必要に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

Adobe Dimensionに境界外書き込みの脆弱性が発見
影響を受けるバージョンは4.0.4未満のAdobe Dimension
情報漏洩やDoS攻撃のリスクあり、早急な対応が必要

Adobe Dimension 4.0.4未満の境界外書き込みに関する脆弱性

アドビは2024年10月8日にAdobe Dimensionにおける境界外書き込みに関する脆弱性を公開した。この脆弱性は【CVE-2024-45150】として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは境界外書き込み（CWE-787）に分類されている。NVDの評価によると、CVSSv3での深刻度基本値は7.8と重要度が高く、早急な対応が求められる状況となっているのだ。^[1]

影響を受けるバージョンはAdobe Dimension 4.0.4未満であり、ローカル環境での攻撃が可能となっている。攻撃条件の複雑さは低く設定されており、特権レベルは不要だが利用者の関与が必要となっており、深刻な影響を及ぼす可能性があるだろう。

本脆弱性が悪用された場合、情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害状態にされるリスクがある。アドビはすでに正式な対策を公開しており、Adobe Security Bulletin APSB24-74において詳細な情報と対応方法が提供されている。

Adobe Dimensionの脆弱性概要

項目	詳細
影響を受けるバージョン	Adobe Dimension 4.0.4未満
CVSSスコア	7.8（重要）
攻撃条件	ローカル環境、低複雑性、特権不要、利用者関与必要
想定される影響	情報取得、情報改ざん、DoS状態
対策状況	公式パッチ提供済み（APSB24-74）

境界外書き込みについて

境界外書き込みとは、プログラムが意図した範囲を超えてメモリ領域に書き込みを行ってしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

バッファオーバーフローの一種として分類される
任意のコード実行やシステムクラッシュの原因となる
メモリ破壊によってプログラムの動作が不安定になる

本脆弱性はCVSSv3で7.8という高い深刻度が付与されており、攻撃者によって悪用された場合、情報漏洩やシステム障害などの重大な被害をもたらす可能性がある。特にAdobe Dimensionのような3Dデザインツールでは、ユーザーの重要な知的財産が含まれる可能性が高く、早急な対策が必要となっている。

Adobe Dimensionの脆弱性に関する考察

Adobe Dimensionの境界外書き込みの脆弱性は、3Dデザインツールの特性上、企業の機密情報や重要なデザインデータが危険にさらされる可能性がある点で深刻な問題となっている。特にローカル環境での攻撃が可能で攻撃条件の複雑さも低いことから、組織内部からの不正アクセスリスクが高まっており、早急な対策が必要となるだろう。

今後の課題として、3Dデザインツールのセキュリティ強化とともに、ユーザー側のセキュリティ意識向上が重要となってくる。特に企業環境では、重要なデザインデータの取り扱いに関するガイドラインの整備や、定期的なセキュリティ教育の実施が求められており、包括的なセキュリティ対策の構築が必要だろう。

また、アドビには今回のような脆弱性の早期発見・対応体制のさらなる強化が期待される。特に3D関連ツールは今後も需要の増加が見込まれることから、製品開発段階からのセキュリティ設計の徹底と、発見された脆弱性への迅速な対応が重要になってくるはずだ。