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公開：2024-07-30

Visual Studio 2022 17.10がMSVCバックエンドを大幅更新、ARM64サポートが強化され開発効率が向上

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• Visual Studio 2022 17.10でMSVCバックエンドが更新
• 新しい最適化、組み込み関数、機能が追加
• ARM64アーキテクチャのサポートが強化

Visual Studio 2022 17.10のMSVCバックエンド更新の詳細

Microsoftは、Visual Studio 2022 17.10でMSVCバックエンドの大幅な更新を行った。この更新では、新しい最適化技術、組み込み関数、機能が追加され、特にARM64アーキテクチャのサポートが強化されている。SLP（Superword Level Parallelism）ベクトル化の改善により、より多くの関数で効率的なコード生成が可能になったのだ。^[1]

ARM64アーキテクチャに関しては、新しい/feature (ARM64)フラグが導入され、オプションのArm A-Profileアーキテクチャ機能を有効にすることが可能になった。これにより、開発者はARM64プラットフォーム向けのより最適化されたコードを生成できるようになる。また、Armv8-AおよびArmv9-Aアーキテクチャの最新バージョンもサポートされ、最新のハードウェア機能を活用できるようになった。

x86およびx64アーキテクチャに対しても改善が行われ、ベクトル化の最適化やFMA（Fused Multiply-Add）命令の生成が強化された。さらに、Intel Lion Coveに対応した新しい組み込み関数が追加され、AVX-VNNI-INT16やSHA512などの最新の命令セットを利用可能になっている。これらの更新により、幅広いプラットフォームでのパフォーマンス向上が期待できるだろう。

Visual Studio 2022 17.10のMSVCバックエンド更新に関する考察

Visual Studio 2022 17.10におけるMSVCバックエンドの更新は、マルチアーキテクチャ対応の強化という点で非常に重要だ。特にARM64のサポート強化は、Windows on ARMの普及を後押しする可能性がある。しかし、既存のx86/x64向けに最適化されたコードベースを持つ開発者にとっては、ARM64への移行や最適化が新たな課題となるかもしれない。

今後のVisual Studioの更新では、クロスプラットフォーム開発をさらに容易にするツールや機能の追加が期待される。例えば、ARM64とx64のコードパフォーマンスを自動的に比較・分析する機能や、アーキテクチャ固有の最適化をより簡単に適用できるウィザードなどが有用だろう。これらの機能は、開発者の生産性向上と、異なるアーキテクチャ間でのコードの一貫性維持に貢献するはずだ。

また、AIを活用したコード最適化支援機能の導入も期待したい。機械学習モデルを用いて、プログラムの実行パターンを分析し、最適なベクトル化戦略や命令選択を提案する機能があれば、開発者は各アーキテクチャの特性を深く理解せずとも、効率的なコードを生成できるようになるだろう。このような革新的な機能の追加が、Visual Studioの競争力をさらに高めることになるはずだ。

参考サイト

1. ^ Microsoft Visual Studio. 「MSVC Backend Updates in Visual Studio 2022 version 17.10 - C++ Team Blog」. https://devblogs.microsoft.com/cppblog/msvc-backend-updates-in-visual-studio-2022-version-17-10/, (参照 24-07-30).
2. Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html
3. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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