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【CVE-2024-5764】Nexus Repository 3の暗号化パスフレーズ脆弱性、設定データベースのセキュリティに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Nexus Repositoryに静的なハードコード暗号化パスフレーズの問題
  • バージョン3.0.0から3.72.0までが影響を受ける
  • 管理者は初回起動時のみパスフレーズを変更可能

Nexus Repository 3.0.0-3.72.0のハードコード暗号化パスフレーズ脆弱性

Sonatype社は、Nexus Repositoryの設定データベースにおいて、静的なハードコード暗号化パスフレーズが使用されている脆弱性【CVE-2024-5764】を2024年10月23日に公開した。この脆弱性は、SMTPやHTTPプロキシの認証情報、ユーザートークンなどの機密情報の暗号化に影響を与えることが判明している。[1]

この問題は、Nexus Repositoryのバージョン3.0.0から3.72.0までの広範なバージョンに影響を及ぼすことが確認されており、管理者は初回起動時にのみ暗号化パスフレーズを変更できる仕様となっていた。CVSSスコアは5.9(MEDIUM)と評価され、ローカルアクセスでの攻撃が可能となる深刻な脆弱性である。

Sonatype社は、この脆弱性の発見者としてMaveris社のDylan Evansを公式に認定しており、脆弱性の詳細情報をベンダーアドバイザリーとして公開している。この脆弱性は、SSVCの評価によると技術的な影響は部分的であり、自動化された攻撃は確認されていない。

Nexus Repository 3.0.0-3.72.0の脆弱性詳細

項目 詳細
CVE番号 CVE-2024-5764
影響を受けるバージョン 3.0.0から3.72.0
CVSSスコア 5.9(MEDIUM)
脆弱性の種類 ハードコード認証情報の使用(CWE-798)
影響範囲 SMTP、HTTPプロキシ認証情報、ユーザートークン
脆弱性の詳細はこちら

ハードコード認証情報について

ハードコード認証情報とは、ソフトウェアのソースコード内に直接埋め込まれたパスワードや暗号鍵などの認証情報のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • ソースコード内に固定値として記述される認証情報
  • 変更や更新が困難な認証メカニズム
  • セキュリティ監査での検出が比較的容易

Nexus Repositoryの事例では、設定データベースの暗号化に使用されるパスフレーズがハードコードされており、初回起動時以外での変更が不可能な状態となっていた。このような実装は、攻撃者が認証情報を特定した場合、複数のシステムに対して同じ攻撃手法が適用可能となる重大なセキュリティリスクを引き起こす可能性がある。

Nexus Repositoryの暗号化パスフレーズ問題に関する考察

静的なハードコード暗号化パスフレーズの使用は、開発効率の向上や導入の簡素化という利点がある一方で、深刻なセキュリティリスクを引き起こす可能性がある。特にエンタープライズ環境では、複数のインスタンスが同じ脆弱性を持つことになり、一度パスフレーズが漏洩した場合の影響範囲が極めて広くなる可能性が高い。

今後は、動的なパスフレーズ生成システムの導入や、定期的なパスフレーズのローテーション機能の実装が求められるだろう。また、既存のインスタンスに対しても、アップグレード時に新しい暗号化方式への移行を可能にする仕組みの提供が重要となる。セキュリティと利便性のバランスを考慮した設計が、今後の製品開発における重要な課題となるはずだ。

将来的には、クラウドキーマネジメントサービスとの連携や、ハードウェアセキュリティモジュールの活用など、より強固な暗号化キー管理の仕組みが期待される。コンテナ環境での利用が増加する中、Kubernetes Secretsとの統合やクラウドネイティブな暗号化ソリューションの採用も検討に値する選択肢となるだろう。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-5764, (参照 24-11-08).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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