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【CVE-2024-50130】Linuxカーネルのnetfilter bpf脆弱性、メモリ解放後使用の問題が発覚し修正へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルでnetfilter bpfの脆弱性が発見
  • ネットワークネームスペースの参照保持に関する問題
  • CVE-2024-50130として識別される重要な脆弱性

Linuxカーネルのnetfilter bpf脆弱性

Linuxカーネルにおいて、netfilter bpfコンポーネントにおけるネットワークネームスペースの参照保持に関する重大な脆弱性が2024年11月5日に報告された。この脆弱性は【CVE-2024-50130】として識別され、bpf_nf_link_releaseでの__nf_unregister_net_hookの処理において、メモリの解放後使用(Use-after-free)の問題が発生することが確認されている。[1]

この脆弱性はKASANによって検出され、bpfがexit()やclose()の後に__nf_unregister_net_hook()の実行を遅延させることが可能な状態であることが判明した。netnsの参照がすでに解放されている状態でアクセスが行われるため、システムの安定性に深刻な影響を及ぼす可能性が高いだろう。

影響を受けるLinuxカーネルのバージョンは、6.4から6.6.58、6.11.5まで、および6.12-rc4以前のバージョンとなっている。この問題に対する修正として、netnsへの参照を適切に保持し、フックの登録解除後に解放する対策が実装されることになった。

Linuxカーネルの影響バージョンまとめ

項目 詳細
CVE番号 CVE-2024-50130
影響を受けるバージョン 6.4から6.6.58、6.11.5まで、6.12-rc4以前
脆弱性の種類 メモリの解放後使用(Use-after-free)
影響を受けるコンポーネント netfilter bpf
修正状況 6.6.59以降、6.11.6以降、6.12-rc5以降で修正

メモリの解放後使用について

メモリの解放後使用(Use-after-free)とは、すでに解放されたメモリ領域に対してアクセスを試みる深刻なプログラミングエラーのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • プログラムがクラッシュする可能性が高い
  • メモリ破壊によるデータの破損が発生する
  • 悪意のある攻撃者による権限昇格の可能性がある

Linuxカーネルにおけるメモリの解放後使用は、カーネルの安定性とセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性がある。netfilter bpfの脆弱性では、ネットワークネームスペースの参照が適切に保持されていないことにより、すでに解放されたメモリ領域へのアクセスが発生し、システムの不安定化やセキュリティリスクを引き起こす可能性が指摘されている。

Linuxカーネルのnetfilter bpf脆弱性に関する考察

netfilter bpfの脆弱性は、Linuxカーネルのネットワークスタック全体のセキュリティに関する重要な課題を浮き彫りにしている。ネットワークネームスペースの参照カウントの管理が適切に行われていないことで、メモリ管理の問題が発生し、システムの安定性とセキュリティに深刻な影響を及ぼす可能性があるだろう。

今後は、bpfプログラムとカーネルのネットワークサブシステム間の相互作用に関するより厳密な検証が必要になるだろう。特にリソースの解放とクリーンアップの順序に関して、より慎重な設計とテストが求められており、同様の問題の再発を防ぐためのコードレビューやセキュリティテストの強化が重要になってくる。

また、この脆弱性の発見はKASANツールの有効性を示しており、今後のカーネル開発においてもメモリ安全性に関する静的解析ツールの活用が一層重要になると考えられる。メモリ管理の自動化やより安全なAPIの設計など、長期的な解決策の検討も必要になってくるだろう。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50130, (参照 24-11-13).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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