東芝が次世代リチウムイオン電池を開発、LFP電池の10倍以上の充放電回数と超急速充電を実現
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記事の要約
- 東芝がNTO負極電池の開発を発表
- LFP電池の10倍以上の充放電回数を実現
- -30℃から60℃で安定した超急速充電が可能
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東芝が次世代リチウムイオン電池を開発
東芝は2024年11月6日、ニオブチタン酸化物を負極に使用した次世代リチウムイオン電池の開発を発表した。NTO粒子の表面にナノレベルの導電剤を均一に分散させ、粒子間に強固な導電ネットワークを形成する電極製造技術を開発することで、エネルギー密度と寿命の向上を達成している。[1]
開発された電池は5分間で約70%の超急速充電が可能であり、超急速充電と放電を15,000回以上繰り返しても80%以上の電池容量を維持する長寿命性能を実現している。さらに-30℃から60℃の過酷な環境下でも超急速充電が可能で、リチウムの析出が原理的に起こらないことから発煙・発火のリスクが極めて低い特徴を持つ。
商用車は稼働率が高く厳しい外気温の中で運行されることが多いため、電動化には超急速充電と長寿命性能、高い安全性と信頼性が必要不可欠である。東芝は本電池によって商用電気自動車の初期コストと運用コストの両方を削減でき、総所有コストの低減が期待できるとしている。
次世代リチウムイオン電池の性能まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
充電性能 | 5分間で約70%の超急速充電が可能 |
寿命性能 | 15,000回以上の充放電サイクルで80%以上の容量維持 |
動作温度範囲 | -30℃から60℃ |
安全性 | リチウム析出が起こらず発煙・発火リスクが極めて低い |
実証実験 | 7,000サイクル後で93%以上の容量維持を確認 |
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ニオブチタン酸化物について
ニオブチタン酸化物(NTO)とは、リチウムイオン電池の負極材料として使用される化合物であり、以下のような特徴を持つ材料である。
- 高速な充放電が可能な結晶構造を持つ
- 充放電時の体積変化が小さく長寿命
- 熱安定性が高く安全性に優れる
NTO負極を用いた電池は、粒子表面にナノレベルの導電剤を均一に分散させることで、優れた導電ネットワークを形成している。導電剤の使用量を最小限に抑えつつ高い入出力性能を実現することで、エネルギー密度と寿命の向上を両立することが可能となっている。
次世代リチウムイオン電池に関する考察
東芝が開発した次世代リチウムイオン電池は、商用電気自動車の普及における重要な技術的ブレイクスルーとなる可能性が高い。特に超急速充電と長寿命性能の両立は、商用車の運用効率を大幅に向上させ、電動化への移行を加速する原動力となることが期待できるだろう。
しかし、実用化に向けては製造コストの低減や量産体制の確立が課題となる可能性がある。NTO粒子への導電剤の均一分散には高度な製造技術が必要とされ、量産時の品質管理や歩留まりの確保が重要な検討事項となってくるだろう。
今後は実証実験を通じて得られるデータを基に、さらなる性能向上や用途拡大が期待される。特に商用車以外の用途への展開や、より過酷な環境下での使用に対応できる技術開発が進むことで、電動化社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めている。
参考サイト
- ^ TOSHIBA. 「LFP電池と同等の体積エネルギー密度を持ちながら、超急速充電と長寿命性能を両立する電池を開発 -大型商用電気自動車向けニオブチタン酸化物(NTO)負極電池、LFP電池の約10倍以上の充放電回数を実現- | 研究開発センター | 東芝」. https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/24/2411-01.html, (参照 24-11-13).
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