セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-15

【CVE-2024-47439】Substance3D Painter 10.1.0以前にNULL Pointer Dereferenceの脆弱性、アプリケーションのクラッシュの可能性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Substance3D Painterに脆弱性が発見される
• NULL Pointer Dereferenceによりアプリケーションがクラッシュの可能性
• 悪意のあるファイルを開くことで脆弱性が発現

Substance3D Painter 10.1.0以前のバージョンにNULL Pointer Dereference脆弱性

Adobeは2024年11月12日、3Dペイントツール「Substance3D Painter」の10.1.0以前のバージョンにNULL Pointer Dereference脆弱性が存在することを公開した。脆弱性の識別番号は【CVE-2024-47439】とされており、悪意のあるファイルを開くことでアプリケーションがクラッシュし、サービス拒否状態に陥る可能性があるとされている。^[1]

この脆弱性はCVSS v3.1のスコアリングシステムで5.5（MEDIUM）と評価されており、攻撃の複雑さは低いものの、ユーザーの操作が必要となる。ローカルからの攻撃であり、機密性や整合性への影響はないものの、可用性には高い影響があるとされている。

Adobeはこの問題に対応するため、セキュリティアップデートを公開している。影響を受けるバージョンを使用しているユーザーは、最新バージョンへのアップデートを推奨されている。対象となるのはバージョン0から10.1.0までのSubstance3D Painterだ。

Substance3D Painterの脆弱性概要まとめ

脆弱性の詳細はこちら

NULL Pointer Dereferenceについて

NULL Pointer Dereferenceとは、プログラムがNULLポインタを参照しようとすることで発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• プログラムの実行中にNULLポインタへのアクセスを試みる
• アプリケーションのクラッシュやサービス拒否につながる
• メモリ管理の不備により発生する可能性がある

NULL Pointer Dereferenceはプログラムの安定性に重大な影響を与える脆弱性であり、アプリケーションのクラッシュを引き起こす可能性が高い。Substance3D Painterの事例では、悪意のあるファイルを開くことでNULLポインタへのアクセスが発生し、アプリケーションがクラッシュしてサービス拒否状態に陥る可能性がある。

Substance3D Painterの脆弱性に関する考察

Substance3D Painterの脆弱性は、ユーザーの操作が必要となる点で攻撃のハードルが比較的高く、また機密性や整合性への影響がない点は評価できる。しかし、3Dモデリングやテクスチャ作成の現場では作業データの突然の損失が深刻な影響を及ぼす可能性があり、アプリケーションのクラッシュは業務効率を著しく低下させる要因となるだろう。

今後の課題として、ファイル開封時の事前検証機能の強化やバッファオーバーフロー対策の実装が必要になってくる。NULL Pointer Dereferenceの脆弱性は適切なメモリ管理とポインタの検証によって防ぐことが可能であり、今後のアップデートではこれらの対策が期待されるだろう。

また、3Dコンテンツ制作ツールのセキュリティ強化は、メタバースやデジタルツインなど3D技術の活用が広がる中でより重要性を増している。Substance3D Painterには、堅牢なセキュリティ対策と共にクリエイターの生産性を支援する機能の両立が求められる。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-47439, (参照 24-11-15).

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