セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-16

【CVE-2024-41745】IBM CICS TX StandardのWeb UIに深刻な脆弱性、クロスサイトスクリプティング攻撃のリスクが発生

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• IBM CICS TX Standardにクロスサイトスクリプティングの脆弱性
• Web UIに任意のJavaScriptコードが埋め込み可能に
• 信頼されたセッション内での認証情報漏洩のリスク

IBM CICS TX Standardの脆弱性に関する警告

IBMは2024年11月1日、CICS TX StandardのWeb UIにクロスサイトスクリプティングの脆弱性が発見されたことを公開した。認証されていないユーザーによってWeb UIに任意のJavaScriptコードが埋め込まれる可能性があり、信頼されたセッション内での認証情報の漏洩につながる恐れが指摘されている。^[1]

IBM Security DivisionによってCVE-2024-41745として識別されたこの脆弱性は、CVSSスコア6.1の中程度の深刻度と評価されており、攻撃者は特別な権限を必要とせずに悪用が可能だ。攻撃の成功には利用者の操作が必要となるものの、一度成功すると信頼されたセッション内でのデータ漏洩リスクが発生する。

影響を受けるバージョンはIBM CICS TX Standard 11.1であり、IBMは既にセキュリティアドバイザリを公開している。この脆弱性は部分的な技術的影響をもたらし、自動化された攻撃の可能性は低いとされているが、早急な対応が推奨されている。

CVE-2024-41745の詳細情報まとめ

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クロスサイトスクリプティングについて

クロスサイトスクリプティングとは、Webアプリケーションの脆弱性の一種で、悪意のあるスクリプトがユーザーのブラウザで実行されることを可能にする攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• Webサイトに悪意のあるスクリプトを注入可能
• ユーザーの認証情報や個人情報を窃取する危険性
• 信頼されたセッション内でスクリプトが実行される

CICS TX Standardで発見されたクロスサイトスクリプティングの脆弱性は、認証されていないユーザーがWeb UIに任意のJavaScriptコードを埋め込むことを可能にする。攻撃者はこの脆弱性を悪用して、正規ユーザーの認証情報を窃取する可能性があるため、早急なセキュリティパッチの適用が推奨されている。

IBM CICS TX Standardの脆弱性に関する考察

IBM CICS TX Standardの脆弱性対応において評価すべき点は、発見後の迅速な情報公開とCVSSスコアによる適切なリスク評価の実施である。特に自動化された攻撃の可能性が低いと判断されている点は、組織が対応の優先順位を決定する上で重要な情報となっている。ただし、認証されていないユーザーによる攻撃が可能という点は、システムの信頼性に関する重大な課題を提起しているだろう。

今後の課題として、Web UIのセキュリティ設計の見直しが必要となる可能性が高い。入力値の適切なバリデーションやサニタイズ処理の実装、コンテンツセキュリティポリシーの強化など、多層的な防御メカニズムの導入を検討すべきだ。特にエンタープライズシステムにおいては、セキュリティと利便性のバランスを考慮した対策の実装が求められるだろう。

将来的には、AIを活用した脆弱性検知システムの導入やセキュリティテストの自動化など、より効率的な予防措置の実装が期待される。IBMには継続的なセキュリティアップデートの提供と、脆弱性情報の透明性の高い公開を維持することで、製品の信頼性向上に努めてほしい。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-41745, (参照 24-11-16).
2. IBM. https://www.ibm.com/jp-ja

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