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【CVE-2024-50232】Linuxカーネルのad7124モジュールでゼロ除算脆弱性が発見、複数バージョンに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルのad7124モジュールでゼロ除算の脆弱性を発見
  • DIV_ROUND_CLOSEST関数でチャネルが0になる可能性
  • Linux 5.13以降の複数バージョンに影響

Linuxカーネルのad7124モジュールのゼロ除算脆弱性

Linuxカーネル開発チームは2024年11月9日、iioサブシステムのad7124 ADCドライバーにおけるゼロ除算の脆弱性【CVE-2024-50232】を公開した。この脆弱性はad7124_write_raw関数内でパラメータvalが0になる可能性があり、DIV_ROUND_CLOSEST関数呼び出し時にゼロ除算が発生する危険性がある。[1]

この脆弱性はLinuxカーネル5.13以降の複数のバージョンに影響を与えており、特にiio_write_channel_raw関数からiio_write_channel_attribute関数、iio_channel_write関数を経由して呼び出される際に発生する可能性が高い。valパラメータの検証が不十分であることが根本的な原因となっている。

影響を受けるバージョンは5.13から最新版までの広範囲に及んでおり、各ディストリビューションで順次セキュリティアップデートの提供が開始されている。この問題に対するパッチは既に開発され、複数のブランチにバックポートされることで、システムの安定性が確保されることになった。

Linux影響バージョンと対応状況まとめ

バージョン 影響状況
5.13以前 影響なし
5.15.171以降 修正済み
6.1.116以降 修正済み
6.6.60以降 修正済み
6.11.7以降 修正済み

ゼロ除算について

ゼロ除算とは、数式において0で割り算を行おうとする演算操作のことを指す。プログラミングにおいて、以下のような特徴がある。

  • システムクラッシュやハングアップの原因となる重大なバグ
  • 入力値の検証が不十分な場合に発生しやすい脆弱性
  • プログラムの実行時エラーを引き起こす危険な演算

ad7124モジュールの脆弱性では、DIV_ROUND_CLOSEST関数内でvalパラメータが0となる場合にゼロ除算が発生する可能性がある。この問題はiio_write_channel_raw関数から始まる一連の関数呼び出しチェーンで、入力値の検証が適切に行われていないことが原因となっている。

Linuxカーネルのad7124モジュール脆弱性に関する考察

今回の脆弱性はLinuxカーネルの広範なバージョンに影響を与えており、特に組み込みシステムでの影響が懸念される。ADCドライバーの基本的な機能に関わる部分での脆弱性であるため、産業用機器や計測機器など、高い信頼性が要求される環境での早急な対応が必要だろう。

この種の入力値検証の不備は、他のドライバーモジュールでも潜在的に存在している可能性がある。今後はコードレビューの段階で、特に数値演算を含むパラメータの妥当性チェックを強化する必要がある。さらに静的解析ツールの活用も、同様の問題の早期発見に有効だろう。

長期的には、Linuxカーネルのドライバー開発ガイドラインにおいて、数値パラメータの検証に関するベストプラクティスを明確化することが望ましい。またCIパイプラインに組み込む自動テストケースの拡充も、品質向上に貢献するはずだ。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50232, (参照 24-11-16).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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