NTTドコモが6G向けAI活用無線技術の実証実験を実施、通信速度が最大18%向上を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

NTTドコモが6G向けAI活用無線技術の実証実験を実施
4.8GHz帯で通信速度が最大18%向上を確認
電波伝搬環境に応じた送受信処理の最適化を実現

NTTドコモによる6G実証実験での通信速度向上

NTTドコモは、NTT、Nokia、SKテレコムと共同で第6世代移動通信方式に向けた実証実験を2024年11月20日に実施した。電波伝搬環境に応じてAIを用いた最適な変調方式を設計し、無線インターフェースへ適用することで通信性能の改善を図る取り組みで、国内初となる4.8GHz帯の電波を使用した実証実験となっている。^[1]

AIを活用した無線処理技術により、送信処理における最適な変調方式の設計と受信処理における参照信号不要のチャネル推定が可能となった。実験では屋内環境において従来と比較して通信速度が最大18%向上することが確認され、高い伝送効率の達成に成功している。

本実験の成果は2024年11月25日から開催される「NTT R&D FORUM 2024-IOWN INTEGRAL」にて出展される予定だ。実証実験を通じて得られた知見は、6Gの研究開発を加速させ、世界的な標準化や実用化に向けた検討に大きく貢献することが期待される。

6G無線技術の実験結果まとめ

項目	詳細
実験実施日	2024年11月20日
使用周波数帯	4.8GHz帯
実験環境	NTT横須賀研究センタ内実験室（7×13m）
通信速度向上率	最大18%（従来比）
主な技術革新	AIによる変調方式最適化、参照信号不要のチャネル推定

電波伝搬環境について

電波伝搬環境とは、電波が送信機から受信機まで伝わる過程における様々な物理的な条件や状況のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

建物や地形による電波の反射や回折の影響
大気条件による電波の減衰や散乱
移動体による電波の変動や干渉

本実験では、AIを活用して電波伝搬環境に応じた最適な変調方式を設計し、無線インターフェースへ適用することで通信性能を改善している。従来は参照信号を必要としていた伝搬チャネルの推定においても、AIによる一括処理が可能となり、高い伝送効率を実現している。

6G無線技術に関する考察

AIを活用した無線技術の実証実験は、将来の移動通信システムにおける性能向上の可能性を示す重要な一歩となった。従来必要とされていた参照信号が不要となることで、伝送効率の向上が実現し、さらにAIによる変調方式の最適化により通信速度の向上も達成されている。

今後の課題として、実環境での電波伝搬状況の複雑さや、AIモデルの処理負荷、リアルタイム性の確保などが挙げられる。これらの課題に対しては、より高度なAIアルゴリズムの開発や、ハードウェアの性能向上、効率的な学習手法の確立が必要となるだろう。

6G時代に向けた技術革新は、高速・大容量通信の実現だけでなく、通信の安定性や信頼性の向上にも寄与する。さらなる実証実験を重ねることで、より実用的な技術として確立されることが期待される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「6Gに向け、AIを活用した無線インターフェース実証実験において伝送効率の改善を確認 | 株式会社NTTドコモのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000118641.html, (参照 24-11-22).

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