経済

ECONOMY

公開：2024-08-07

bitBiomeとTwist Bioscienceが戦略的提携、トランスアミナーゼ酵素スクリーニングキットを共同開発し医薬品産業に革新をもたらす可能性

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• bitBiomeとTwist Bioscienceが戦略的提携を発表
• トランスアミナーゼ酵素スクリーニングキットを共同開発
• 生体触媒用の多様な酵素を初めて提供

bitBiomeとTwist Bioscienceの戦略的提携による革新的な酵素スクリーニングキットの開発

bitBiome株式会社とTwist Bioscience Corporationは2024年8月6日に戦略的提携を発表し、共同開発したトランスアミナーゼ酵素スクリーニングキットを公開した。このキットは48種類の多様性に富んだトランスアミナーゼ酵素のコレクションで構成されており、研究開発用の触媒スクリーニングと評価に即座に使用できる画期的な製品となっている。^[1]

トランスアミナーゼ酵素は医薬品産業において重要な役割を果たしており、キラルアミンの合成に有用な選択肢として近年注目を集めている。この酵素は従来の合成法に代わる環境に優しい代替手段として期待されており、本キットの開発によってその活用がさらに進むことが予想される。

本キットの開発には、Twist社の大容量合成技術とbitBiome社の独自データベース「bit-GEM」が活用された。bit-GEMは20億以上の微生物配列を含む唯一無二のデータベースであり、これらの技術の組み合わせにより、生体触媒プロセス用に最適化された酵素の効率的な導入が可能となった。特に医薬品有効成分（API）の合成に適したユニークなトランスアミナーゼのセットが特徴となっている。

bitBiomeとTwist Bioscienceの戦略的提携の概要

トランスアミナーゼについて

トランスアミナーゼとは、アミン供与体からアミン基を転移させる反応を触媒する酵素のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• キラルアミンの合成に有用な触媒として機能
• 医薬品産業において重要な役割を果たす
• 環境に優しい合成プロセスの実現に貢献

トランスアミナーゼは、従来の化学合成プロセスに代わる生体触媒として注目されている。この酵素を利用することで、低分子医薬品やその他の主要化合物の製造において、より効率的かつ環境負荷の低い生産方法が可能となる。特に医薬品有効成分（API）の合成において、トランスアミナーゼの活用は大きな可能性を秘めている。

bitBiomeとTwist Bioscienceの戦略的提携に関する考察

bitBiomeとTwist Bioscienceの戦略的提携は、バイオテクノロジー分野に大きな影響を与える可能性がある。両社の技術を組み合わせることで、これまで困難だった多様な酵素の効率的なスクリーニングが可能となり、医薬品開発や生体触媒プロセスの革新につながるだろう。しかし、このような新技術の導入には、既存の製造プロセスの見直しや規制対応など、様々な課題が生じる可能性も考えられる。

今後、このトランスアミナーゼ酵素スクリーニングキットを基盤として、より広範な酵素ファミリーへの展開が期待される。例えば、リパーゼやプロテアーゼなど、他の産業用酵素へのアプローチも視野に入れることで、バイオテクノロジー産業全体の発展に寄与する可能性がある。また、AIや機械学習技術を活用した酵素設計の最適化など、さらなる技術革新への道を開く可能性も秘めている。

一方で、この技術の普及に伴い、バイオセキュリティやデータ保護の重要性がより高まることが予想される。特に、bitBiomeの保有する膨大な微生物データベースの管理や、Twist Bioscienceの合成DNA技術の適切な利用に関する倫理的な議論も必要になるだろう。産業界と学術界、そして規制当局が協力して、この革新的な技術の恩恵を最大限に活かしつつ、社会的な課題にも適切に対応していくことが求められる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「bitBiomeとTwist Bioscienceが戦略的提携を発表、独自の生体触媒用酵素を初めて提供 | bitBiome株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000051834.html, (参照 24-08-07).

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