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【CVE-2024-53055】Linuxカーネルのiwlwifiドライバーに無限ループの脆弱性、6 GHzスキャン処理の安定性向上へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linuxカーネルのiwlwifiドライバーに脆弱性が発見
  • 6 GHzスキャン構築時の無限ループの問題を修正
  • 複数のLinuxバージョンに対してパッチを適用

【CVE-2024-53055】Linuxカーネルのiwlwifiドライバーの脆弱性を修正

kernel.orgは2024年11月19日、Linuxカーネルのiwlwifiドライバーにおける6 GHzスキャン構築の脆弱性(CVE-2024-53055)を修正するアップデートを公開した。この脆弱性は255個以上の共存APが存在する場合に無限ループが発生する可能性があることが判明している。[1]

この問題は2.4/5 GHzスキャン中に発見されたすべてのAPセットに対して255個以上の共存APが存在する場合に発生する可能性がある。ループ変数がu8型であるため255を超える数値を扱えず、u32変数に格納された実際のAP数に到達できないことが原因だ。

修正では変数の型をu32に変更し、スキャンリストのAP数を1000に制限している。また、TBTTエントリサイズが最低11であることから、フレームサイズの上限4096(実際は約2300)を考慮すると、上限数は約372,000となり、u32型の範囲内に収まることが確認された。

影響を受けるLinuxバージョンまとめ

バージョン 影響状況
5.11以前 影響なし
5.11 影響あり
5.15.171以降 影響なし
6.1.116以降 影響なし
6.6.60以降 影響なし
6.11.7以降 影響なし

無限ループについて

無限ループとは、プログラムの実行が特定の条件下で永久に続いてしまう状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 終了条件が適切に設定されていない
  • カウンター変数の型が不適切
  • システムリソースを過剰に消費する可能性がある

今回の脆弱性では、変数の型がu8(8ビット符号なし整数)であるため、255を超える値を正しく処理できないことが無限ループの原因となっている。共存APの数が255を超えた場合、カウンター変数が上限に達しても処理が継続されるため、システムリソースを消費し続ける状態に陥る可能性がある。

Linuxカーネルのiwlwifiドライバーの脆弱性に関する考察

今回の修正により、大規模な無線ネットワーク環境においても安定したスキャン処理が可能になることが期待される。特に6 GHz帯の利用が増加している現状において、255個以上のAPが存在する環境でも正常に動作することは、エンタープライズ環境での運用において重要な意味を持つだろう。

今後はより多くのAPが共存する環境が増加することが予想されるため、同様の問題が他の箇所でも発生する可能性がある。変数の型選択やループ処理の設計において、想定される最大値を慎重に検討し、適切なデータ型を選択することが重要になってくるだろう。

また、無線ネットワークの高密度化が進む中、スキャン処理の効率化やリソース消費の最適化も重要な課題となる。今後はスキャン結果のキャッシュ機能の強化や、より効率的なスキャンアルゴリズムの実装が期待される。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-53055, (参照 24-11-26).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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