NTTBPと日立がAIを活用した介護施設実証実験を実施、入居者の感情変化の予兆検知でサービス向上へ

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社（NTTBP）と株式会社日立製作所は、テルウェル東日本株式会社が運営する介護施設で、AIを活用した実証実験を行った。この実験では、入居者の映像・音声データから感情を分類し、介護記録やアンケート結果と組み合わせて分析を実施した。^[1]

実証実験の結果、AIによる感情分析は対象者の感情と約75%の精度で一致し、その有用性が確認された。この成果を受け、NTTBPと日立は2024年度中にサービスの事業化を推進する方針を示している。

本実験の背景には、日本の少子高齢化に伴う要介護認定者数の増加と介護業界の人手不足がある。AIを活用することで、入居者の感情や状況に応じた適切なケアの提供、安心安全の確保、介護サービスの品質向上、さらには介護スタッフの負担軽減・効率化を目指している。

AIを活用した介護サービスの導入に伴い、プライバシーの問題が懸念される。入居者の映像や音声データを常時収集することによる心理的負担や、データの管理・漏洩リスクへの対策が重要になるだろう。また、AIの感情分析の精度が100%ではないことから、誤った解釈による不適切なケアの提供も起こり得る。

今後、AIの感情分析精度のさらなる向上が期待される。特に、認知症患者など感情表現が難しい入居者に対する分析能力の改善が求められる。また、AIが検知した感情変化の予兆を、介護スタッフにリアルタイムで通知するシステムの開発も有用だろう。

AIを活用した介護サービスは、人手不足解消と質の高いケア提供の両立に大きな可能性を秘めている。しかし、AIはあくまでも介護スタッフを支援するツールであり、人間的な触れ合いや経験に基づく判断の重要性は変わらない。今後は、AIと人間の強みを組み合わせた新しい介護のあり方を模索していくことが期待される。

^ PR TIMES. 「AIを活用し介護施設入居者の感情変化の予兆を検知する実証実験を実施入居者の安心安全と介護サービスの品質向上、介護現場の負担軽減に貢献 | エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000143930.html, (参照 24-08-08).

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