日本旅行がタイでサステナブルツーリズム推進プロジェクトを開始、環境保全と国際交流の促進へ

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

日本旅行がタイでサステナブルツーリズム推進プロジェクトを開始
マングローブの森と水田を開設し、環境保全活動を提供
タイ旅行のカーボン・オフセットプログラムを導入

日本旅行のタイにおけるサステナブルツーリズム推進の取り組み

株式会社日本旅行は、2024年8月8日にタイでのサステナブルツーリズム推進プロジェクトを開始したことを発表した。このプロジェクトは、観光産業として脱炭素社会に貢献することを目的としており、日タイ両国におけるサステナブルツーリズム推進の国際協力を目指している。^[1]

プロジェクトの一環として、タイ各地で2件の包括連携協定を締結した。バンプー自然保護センターとの協定により「日本旅行マングローブの森」を開設し、スパンブリー県の農業組合との協定で「日本旅行の水田」を設立した。これらの施設では、環境保全活動への参加を通じて、グローバルな視点から環境問題を考える機会を提供する。

さらに、アジア最大の製糖企業であるMitr Phol Groupとカーボンクレジットの購入契約を結んだ。これにより、タイ旅行の往復移動で排出されるCO₂を実質ゼロにする「海外版Carbon-Zero」プログラムの商品造成を開始した。タイ国政府観光庁のサポートを受けながら、このプロジェクトの発信を積極的に行っていく予定だ。

日本旅行のサステナブルツーリズム推進プロジェクトまとめ

	マングローブの森	水田	カーボン・オフセット
連携先	バンプー自然保護センター	スパンブリー県農業組合	Mitr Phol Group
場所	サムットプラカーン県	スパンブリー県	タイ全域
主な活動	マングローブ植林体験	環境に配慮した稲作	CO₂排出量オフセット
目的	沿岸生態系保護	持続可能な農業促進	旅行のCO₂排出削減
期待される効果	生物多様性の保全	農業を通じた環境保護	観光産業の脱炭素化

カーボン・オフセットについて

カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO₂などの温室効果ガスの排出について、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することで、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

自身の温室効果ガス排出量を認識し、削減努力を行った上で実施
排出量に応じたクレジットを購入し、相殺する仕組み
企業や個人が環境保護活動に参加する手段として注目されている

日本旅行が導入した「海外版Carbon-Zero」プログラムは、このカーボン・オフセットの考え方を旅行業界に適用したものだ。旅行者がタイへの往復移動で排出するCO₂量を算出し、それに相当するカーボンクレジットを購入することで、実質的にCO₂排出量をゼロにする取り組みである。

日本旅行のサステナブルツーリズム推進プロジェクトに関する考察

日本旅行のサステナブルツーリズム推進プロジェクトは、観光産業における環境保全の重要性を示す先駆的な取り組みだ。しかし、今後この取り組みを持続可能なものにするためには、参加者の継続的な確保と地域コミュニティとの良好な関係維持が課題となるだろう。また、カーボン・オフセットプログラムの信頼性を担保するため、第三者機関による監査や透明性の高い情報開示が必要になると考えられる。

将来的には、このプロジェクトをモデルケースとして、他の旅行会社や観光地にも同様の取り組みが広がることが期待される。さらに、環境保全活動と観光体験を融合させた新しい旅行スタイルの開発や、地域の伝統文化や生活様式を尊重しながら環境保護を推進する方法の模索など、サステナブルツーリズムの概念をより深化させる取り組みが求められるだろう。

長期的には、このプロジェクトが日本とタイの文化交流や相互理解を促進し、両国の持続可能な発展に寄与することが期待される。環境保全活動を通じた国際協力の新たなモデルとして、他の国々や地域にも波及効果をもたらす可能性がある。観光産業が環境保護と経済発展の両立を実現する先導役となることで、SDGsの達成にも大きく貢献するだろう。