経済

ECONOMY

公開：2024-08-10

Visaがパリ五輪の経済効果データを発表、消費支出が前年比26%増加し若年層の旅行者が急増

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• Visaがパリ2024オリンピックの経済効果データを発表
• 開幕初週末の消費支出が前年比26%増加
• 海外からの支出は米国が最多、日本とブラジルが高成長

Visaの発表したパリ2024オリンピックの経済効果データの詳細

Visaは2024年8月8日、パリ2024オリンピック競技大会開幕後初の週末における消費支出のパターンに関する最新データを公表した。このデータによると、開幕後初の週末にパリの小規模企業におけるVisaカード保有者からの売上が前年同期比26%増加したことが明らかになった。特に劇場・ミュージアムでの消費が159%増と大きく伸びている。^[1]

海外からの消費額では、米国のVisaカード保有者が最も多く全体の29%を占めた。一方、対前年増加率ではブラジル（33%増）および日本（129%増）のVisaカード保有者が高い伸びを示した。また、パリにおける外国人のタッチ決済比率は前年同期比9%増の78%に達し、キャッシュレス化が進んでいることがうかがえる。

オリンピック大会期間中のパリ行き航空券予約は前年同期比39%増加しており、特に35歳未満の旅行者が120%増と大幅に増加している。パリ以外の開催都市でも消費が伸びており、サン＝テティエンヌで214%増、リールで100%増、マルセイユで38%増となっている。これらのデータは、オリンピック開催が広範囲にわたる経済効果をもたらしていることを示している。

パリ2024オリンピックの経済効果まとめ

タッチ決済について

タッチ決済とは、非接触ICチップを搭載したクレジットカードやスマートフォンを端末にかざすだけで支払いができる決済方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 接触型決済よりも迅速な決済が可能
• 衛生面での利点がある（現金や端末に直接触れない）
• 一定金額以下では暗証番号入力不要で利便性が高い

タッチ決済は、特に少額決済や混雑時の支払いにおいて効率的であり、利用者と店舗双方にメリットをもたらす。パリオリンピックでの外国人によるタッチ決済比率の増加は、この決済方式の普及と受容が進んでいることを示している。今後、世界的なイベントを契機に、より多くの国や地域でタッチ決済の利用が拡大していく可能性がある。

パリ2024オリンピックの経済効果に関する考察

パリ2024オリンピックの経済効果は、単なる一時的な消費増加にとどまらず、長期的な影響を及ぼす可能性がある。特に、35歳未満の若い世代の旅行者が大幅に増加していることは、将来的なリピーター獲得につながる可能性が高く、フランスの観光産業にとって重要な意味を持つだろう。一方で、急激な観光客の増加によるオーバーツーリズムの問題や、地域間の経済効果の格差が生じる可能性もあり、これらの課題への対応が求められる。

今後、オリンピック開催を契機としたデジタル決済の普及がさらに加速することが予想される。特にタッチ決済の利用率増加は、キャッシュレス社会への移行を促進し、決済の効率化や消費データの活用による新たなビジネス機会の創出につながる可能性がある。一方で、デジタルデバイドや個人情報保護の問題にも注意を払う必要があるだろう。

オリンピック開催による経済効果を持続可能なものにするためには、一過性のイベント効果に頼るだけでなく、インフラ整備や都市計画、地域振興策との連携が重要となる。パリ以外の開催都市でも消費が増加していることは、経済効果の地方への波及を示唆しており、この機会を活かした地域活性化策の展開が期待される。長期的な視点で、オリンピックのレガシーを活用した継続的な経済発展の戦略が求められるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Visa、パリ2024オリンピックがフランスにもたらす経済効果に関するデータを発表 | ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000006846.html, (参照 24-08-10).

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