Teams Admin CenterでShiftsのフロントライン展開と管理が可能に、設定の一元化でチーム間の不一致を回避

text: XEXEQ編集部

「Teams Admin Center」に関する記事の要約

Teams Admin Centerでフロントラインチームへの「Shifts」の展開と管理が可能に
IT管理者はShiftsアプリの設定を事前構成し、すべてのフロントラインチームに展開可能
フロントラインマネージャーはセットアップを省略し、すぐにシフトスケジュールの構築を開始できる
IT管理者はすべての場所でShiftsの機能を一元管理できるため、チーム間の不一致を回避

フロントラインワーカーへの展開管理機能が「Shifts Admin Center」に

2024年5月9日、Microsoft TeamsのシフトスケジューリングアプリであるShiftsの管理機能が拡張された。Teams Admin Centerにおいて、IT管理者がShiftsアプリの設定を事前構成し、すべてのフロントラインチームに一括展開できるようになった。これによりフロントラインマネージャーは、セットアップを省略してすぐにシフトスケジュールの構築を開始できる。^[1]

Teams Admin Centerの新しいエントリポイント「Manage frontline experiences」から、Shiftsアプリの展開と管理を行うことができる。ウィザードを通じて、シフト要求機能の有無、休暇申請の理由、タイムクロックの使用可否などのShifts設定を構成し、すべてのフロントラインチームに適用するのだ。

さらにスケジュールグループの作成も可能。Microsoft Entraでフロントラインマネージャーのグループを定義し、スケジュールオーナーのアクセス権限を付与したり、動的グループを用いることでメンバーの自動更新も実現できたりする。

「Shifts Admin Console」でアクセス管理の設定変更が可能に

今回のアップデートにより、フロントラインマネージャーはShiftsアプリの設定を変更できなくなった。Teams Admin Centerで事前構成された設定が、すべてのフロントラインチームに適用されるためだ。マネージャーは設定ページで読み取り専用の情報のみ表示される。

同様にスケジュールグループについても、IT管理者が一元管理することになった。Admin Centerで作成されたグループは、フロントラインマネージャーによる追加、編集、削除ができない。職種や勤務地などに基づいて、ワーカーを適切に分類、管理することが可能になるのだ。

これらの機能強化により、フロントラインマネージャーはShiftsのセットアップや管理に時間を割くことなく、シフトスケジュールの作成に専念できる。すべての拠点で統一されたShifts設定が適用され、ワーカーの生産性とユーザーエクスペリエンスの向上が期待できるだろう。

考察

TeamsのShiftsアプリに、IT管理者向けの一元管理機能が追加されたことは大きな前進だ。フロントラインワーカーの生産性を左右するシフトスケジューリングにおいて、各拠点のマネージャーに設定を委ねていては、ベストプラクティスの共有や統一的なガバナンスの実現は難しい。組織全体で整合性のとれたシフト管理を行うには、ITによる集中制御が不可欠と言えるだろう。

一方で、現場の自由度が失われるリスクもある。フロントラインの業務は多岐にわたり、ローカルな事情に応じた柔軟な対応が求められるケースも少なくない。シフト要求の承認フローや休暇理由の設定など、ある程度の権限委譲が必要な領域もあるはずだ。IT主導の画一的な管理体制では、かえって非効率を招く恐れがある点に留意が必要だろう。

理想的には、基本的なルールや設定をITが標準化した上で、各現場の裁量に委ねる部分を明確にすることだ。Shiftsの新機能は、そのための枠組みを提供するものと位置付けられる。管理のレイヤーを適切に切り分け、フロントラインのニーズに即した最適解を追求していくことが、生産性向上の鍵を握るに違いない。Teamsのシフト管理戦略にも、まさにそのような柔軟性と適応力が問われている。より高度なカスタマイズ性や権限設定の実装など、今後の展開に期待したい。