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【CVE-2024-42285】Linux Kernelに解放済みメモリ使用の重大な脆弱性、広範囲のバージョンに影響

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linux Kernelに解放済みメモリ使用の脆弱性
  • CVSS v3基本値7.8の重要度で影響大
  • ベンダーから正式な対策パッチが公開

Linux Kernelの解放済みメモリ使用に関する脆弱性が発見

Linux Kernelにおいて、解放済みメモリの使用に関する重大な脆弱性が確認された。この脆弱性はCVE-2024-42285として識別されており、CVSS v3による深刻度基本値は7.8(重要)と評価されている。影響を受けるバージョンは、Linux Kernel 4.8から6.10.3未満の広範囲に及んでおり、早急な対応が求められる状況だ。[1]

この脆弱性の影響範囲は深刻で、攻撃者によって情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害(DoS)状態に陥る可能性がある。攻撃の条件としては、攻撃元区分がローカル、攻撃条件の複雑さが低、攻撃に必要な特権レベルが低となっており、比較的容易に悪用される可能性が高い。利用者の関与は不要とされており、被害が拡大するリスクが懸念される。

対策として、ベンダーから正式な修正パッチが公開されている。具体的には、Kernel.org gitリポジトリにおいて、RDMA/iwcmに関連する複数のコミットが提供されており、これらを適用することで脆弱性を解消できる。システム管理者は、該当するLinuxシステムに対して速やかにパッチを適用し、セキュリティリスクを低減することが強く推奨される。

Linux Kernel脆弱性(CVE-2024-42285)の影響範囲

バージョン 影響の有無
Linux Kernel 4.8 - 4.19.319 影響あり
Linux Kernel 4.20 - 5.4.281 影響あり
Linux Kernel 5.5 - 5.10.223 影響あり
Linux Kernel 5.11 - 5.15.164 影響あり
Linux Kernel 5.16 - 6.1.102 影響あり
Linux Kernel 6.2 - 6.6.43 影響あり
Linux Kernel 6.7 - 6.10.2 影響あり

解放済みメモリの使用について

解放済みメモリの使用(Use After Free)とは、プログラムがメモリを解放した後にそのメモリ領域にアクセスしてしまう脆弱性のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • メモリ管理の不備により発生する深刻な脆弱性
  • 情報漏洩やコード実行などの攻撃に悪用される可能性
  • デバッグが困難で、発見や修正に時間を要する

この脆弱性は、CWE-416として分類されており、Linux Kernelのような重要なシステムソフトウェアでの発生は特に危険である。攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、システム全体の制御を奪取される可能性があり、機密情報の漏洩や改ざん、さらにはシステムのクラッシュによるサービス停止など、深刻な被害をもたらす可能性がある。

Linux Kernelの脆弱性対応に関する考察

Linux Kernelの脆弱性対応において、今回のように迅速なパッチの公開と適用は非常に重要である。しかし、広範囲のバージョンに影響が及ぶ脆弱性の場合、全てのシステムでパッチ適用が完了するまでに時間がかかる可能性が高く、その間にゼロデイ攻撃のリスクが高まる可能性がある。また、パッチ適用による互換性の問題や予期せぬ動作変更が発生する可能性も考慮する必要がある。

今後の課題として、脆弱性の早期発見と迅速な対応プロセスの更なる改善が挙げられる。静的解析ツールやファジングなどの自動化されたセキュリティテスト手法の導入を強化し、コードレビューのプロセスを厳格化することで、リリース前の脆弱性検出率を向上させることが重要だ。また、セキュリティパッチの配布と適用を自動化する仕組みの構築も、大規模なシステムにおける脆弱性対応の効率化に貢献するだろう。

長期的には、メモリ安全性を保証するプログラミング言語やツールの採用を検討することも有効かもしれない。例えば、Rustのようなメモリセーフティを重視した言語をカーネル開発に部分的に導入することで、UAFなどのメモリ関連の脆弱性リスクを低減できる可能性がある。ただし、既存のCコードベースとの統合や性能への影響など、慎重に評価すべき課題も多い。

参考サイト

  1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-006033 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-006033.html, (参照 24-08-23).

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