Microsoft Azureとは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

Microsoft Azureとは

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームおよびサービスの総称です。ユーザーは、インターネット経由で仮想マシン、ストレージ、データベース、ネットワーク、アプリケーション開発環境など、様々なITリソースを利用することができます。

クラウド上でこれらのサービスを使うことで、企業はハードウェアの調達や管理にかかる時間とコストを削減できます。また、ビジネスの成長に合わせて、必要なリソースを柔軟にスケールアップ・ダウンさせることも可能となっています。

Azure上では、Windows ServerやLinux、SQL Server、Oracle Databaseなど、多様なOSやミドルウェアが利用可能です。さらに、機械学習、IoT、ブロックチェーンといった先端技術のためのサービスも提供されています。

セキュリティ面でも、Azureは高度な物理的・論理的セキュリティ対策を講じており、ISO、HIPAA、FedRAMPなどの業界標準にも準拠しています。グローバルに展開された50以上のリージョンから、ユーザーのニーズに最適な場所を選べるのも大きな特徴と言えるでしょう。

つまりAzureは、スピーディかつ効率的にITシステムを構築・運用したい企業にとって、非常に魅力的なプラットフォームなのです。導入企業数は年々増加しており、今やクラウドサービス市場の主要プレイヤーの一角を占めています。

Microsoft Azureの主要なサービスと特徴

「Microsoft Azureの主要なサービスと特徴」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Microsoft Azureが提供する多様なクラウドサービス
Microsoft Azureのサービスを活用するメリット
Microsoft Azureならではの特徴と強み

Microsoft Azureが提供する多様なクラウドサービス

Azureは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、データベースなど、ITシステムを構成する基盤となるサービスを幅広くカバーしています。例えば、仮想マシンサービスの「Virtual Machines」、オブジェクトストレージの「Blob Storage」、リレーショナルデータベースの「Azure SQL Database」などが代表的です。

加えて、これらの基盤サービスの上で動作するアプリケーション開発・実行環境も充実しています。「App Service」によるWebアプリ・APIの開発、「Azure Functions」を使ったサーバーレスコンピューティング、「Azure Kubernetes Service」でのコンテナオーケストレーションなどが可能となっています。

また近年では、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ分析、機械学習といった先進的な分野にも力を入れており、「Azure IoT Hub」、「Azure Synapse Analytics」、「Azure Machine Learning」など、多彩なサービスラインナップを誇ります。企業のDXを支援するツールキットも拡充されつつあります。

Microsoft Azureのサービスを活用するメリット

Azureのサービスを活用することで、企業はITインフラの構築・運用にかかる時間とコストを大幅に削減できます。ハードウェアの調達や設置、OSやミドルウェアのインストールといった作業は不要で、必要なリソースをオンデマンドで利用可能だからです。

また、ビジネスの成長に合わせて、システムの規模を柔軟に拡張・縮小できるのも大きな利点と言えます。トラフィックの増減に応じて、サーバーの台数やスペックを自動的に調整できるため、無駄なコストを抑えつつ、安定したサービス提供が可能になります。

さらに、運用管理の手間も大幅に軽減されます。セキュリティパッチの適用やバックアップなどは、Azureが自動で行ってくれるからです。開発者は本来のアプリケーション開発に集中でき、新しい価値の創出にフォーカスできるでしょう。

Microsoft Azureならではの特徴と強み

Azureは、他のクラウドベンダーにはない特徴や強みを持っています。例えば、Windowsサーバーをはじめ、Microsoft製品との親和性の高さは大きなアドバンテージです。Active DirectoryとのシームレスなSSOや、Officeとの連携も容易に実現できます。

また、オープンソースソフトウェアへの対応も積極的に進められています。Linux、Docker、Kubernetes、OpenShiftなど、幅広いOSSがAzure上で利用可能となっています。マルチクラウド環境の構築も容易だと言えるでしょう。

グローバル規模のクラウドインフラも見逃せません。世界50カ所以上のリージョンを有し、ユーザーは自社の拠点に最も近いデータセンターを選択できます。レイテンシの低減やデータ主権の確保にもつながります。信頼性や可用性の高いサービス提供を支えているのです。

Microsoft Azureのセキュリティとコンプライアンス

「Microsoft Azureのセキュリティとコンプライアンス」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Microsoft Azureにおける高度なセキュリティ対策
Microsoft AzureのコンプライアンスへのアプローチとISOなどの認証取得状況
Microsoft Azureを安心して利用するためのセキュリティサービス

Microsoft Azureにおける高度なセキュリティ対策

Azureでは、物理的セキュリティ、運用セキュリティ、データセキュリティなど、多層的なアプローチでクラウドのセキュリティが確保されています。データセンターは厳重に管理された施設内に設置され、不正侵入を防ぐ最新の設備が導入されています。

また、ネットワークレベルでは、DDoS攻撃の検知と防御、侵入検知システム、暗号化通信などの対策が講じられています。OSやミドルウェアについても、定期的にパッチが適用され、脆弱性が速やかに修正されるようになっています。

データの暗号化も重要な要素です。Azureでは、保管時と通信時のデータ暗号化をデフォルトでサポートしています。加えて、ユーザー側で暗号化キーを管理できる「カスタマーマネージドキー」のオプションも用意され、より高度なデータ保護が可能となっています。

Microsoft AzureのコンプライアンスへのアプローチとISOなどの認証取得状況

Azureは、グローバルな規模でさまざまなコンプライアンス認証を取得しています。ISO27001、ISO27017、ISO27018、SOC 1、SOC 2、HIPAA、FedRAMPなど、業界標準の規格をクリアしており、安心して利用できるクラウドサービスと言えるでしょう。

これらの認証は、Azureのセキュリティ体制が国際的な基準に合致していることを示すものです。例えば、ISO27017は、クラウドサービス固有の情報セキュリティ管理策を定めた規格で、Azureはこの要件を満たしていることが第三者機関から保証されているのです。

また、ヘルスケア、金融、政府機関など、特に厳しいコンプライアンス要件が求められる業界向けにも、Azureは専用のサービスを提供しています。HIPAAに準拠した医療情報の取り扱いや、FedRAMP認定を受けた米国政府機関向けのクラウドサービスなどがその例です。

Microsoft Azureを安心して利用するためのセキュリティサービス

Azureには、ユーザー企業のセキュリティを支援する多様なサービスが用意されています。例えば、「Azure Security Center」は、Azureリソースのセキュリティ状態を可視化し、ポリシーに沿った保護設定を自動的に適用してくれます。

また、「Azure Active Directory」は、ユーザーのアクセス管理やシングルサインオンを一元的に行える基盤です。多要素認証の設定も簡単で、不正ログインのリスクを大幅に低減できます。アプリケーションの認証・認可機能もADと統合可能なため、セキュアなシステム構築をサポートしてくれます。

このほか、脅威検知や脆弱性管理の「Azure Defender」、暗号鍵のライフサイクル管理を行う「Azure Key Vault」、専用のハードウェアを使った秘密情報の隔離実行環境「Azure Confidential Computing」など、企業のセキュリティ要件に合わせて最適なサービスを選択できるのもAzureの魅力と言えるでしょう。