TRENDEとONEエネルギーが事業吸収分割で合意、再生可能エネルギー事業の強化へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TRENDEがONEエネルギーの事業を吸収分割
蓄電システムレンタル事業などを承継
2024年10月1日に事業移管予定

TRENDEとONEエネルギーの事業吸収分割合意

TRENDE株式会社は、ONEエネルギー株式会社との間で、ONEエネルギーの事業の一部を吸収分割により承継することで合意した。この吸収分割の対象となる事業は、蓄電システムレンタルサービス事業、太陽光発電システムリース事業、および屋根借り太陽光発電事業である。2024年8月26日に発表されたこの合意により、ONEエネルギーの顧客に設置されている蓄電池や太陽光発電システムに関する権利義務の大半がTRENDEに移管される予定だ。^[1]

この吸収分割の背景には、気候変動に伴う環境リスクへの対応と低炭素化社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入促進がある。再生可能エネルギーの普及には電力供給の安定化が課題となっており、蓄電池はその解決策として期待されている。TRENDEは既に蓄電池および太陽光発電システムリース事業「テラリス」を展開しており、ONEエネルギーの顧客へのサービス提供においてシナジー効果が見込まれることから、本件事業の承継に至った。

TRENDEは、ONEエネルギーの顧客に対して「テラリス」太陽光発電システムのリースやAI「グリッドシェア」を用いた遠隔充放電制御が可能な家庭用蓄電システム"Smart Star"シリーズの紹介を行う予定である。さらに、将来的にはP2P電力取引技術を活用した個人間電力取引の提案も計画している。この事業承継により、TRENDEは再生可能エネルギー分野での事業基盤を強化し、より競争力のあるサービスの提供を目指すことになるだろう。

TRENDEとONEエネルギーの事業吸収分割の概要

	TRENDE	ONEエネルギー
本社所在地	東京都千代田区	東京都港区
代表者	妹尾賢俊・西尾仁志	池谷桂一
承継事業	蓄電システムレンタルサービス事業太陽光発電システムリース事業屋根借り太陽光発電事業	上記事業の権利義務を譲渡
既存サービス	テラリス	-
吸収分割予定日	2024年10月1日	2024年10月1日

P2P電力取引について

P2P（Peer to Peer）電力取引とは、発電・蓄電設備の保有者（プロシューマー）と電力の需要家（コンシューマー）が、プラットフォーム上で電力を直接取引するビジネスモデルのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

中間業者を介さない直接取引が可能
再生可能エネルギーの効率的な利用を促進
電力の地産地消や分散型エネルギーシステムの実現に寄与

TRENDEは、ONEエネルギーからの事業承継後、将来的にこのP2P電力取引技術を活用した個人間電力取引の提案を計画している。この技術の導入により、再生可能エネルギーの普及促進と電力供給の安定化、さらには地域のエネルギー自給率向上にも貢献することが期待される。P2P電力取引は、エネルギー分野における新たなビジネスモデルとして注目を集めており、今後の展開が注目されるところだ。

TRENDEとONEエネルギーの事業吸収分割に関する考察

TRENDEによるONEエネルギーの事業吸収分割は、再生可能エネルギー市場の競争激化と需要拡大を背景とした戦略的な動きと言える。TRENDEが既存の「テラリス」事業とONEエネルギーの顧客基盤を統合することで、スケールメリットを活かしたサービス提供が可能になり、市場シェアの拡大と経営効率の向上が期待できるだろう。一方で、事業統合に伴う顧客データの移行やシステム統合などの技術的課題への対応が重要となる。

今後の課題として、両社の企業文化の違いや従業員の意識統合、顧客サービスの質の維持などが挙げられる。これらの問題に対しては、綿密なコミュニケーション計画の策定や、統合後の組織体制の明確化、顧客サポート体制の強化などが有効な解決策となるだろう。また、AI技術を活用した電力需給予測の精度向上や、ブロックチェーン技術を用いたP2P電力取引プラットフォームの開発など、新技術の積極的な導入も期待される。

長期的には、TRENDEがこの事業承継を足がかりに、再生可能エネルギー分野での総合的なサービスプロバイダーとして成長することが期待される。電力小売事業との連携強化や、EVなど他の分散型エネルギーリソースとの統合的なマネジメントサービスの開発など、事業領域の拡大が今後の成長のカギとなるだろう。エネルギー分野のデジタル化と分散化が加速する中、TRENDEの今後の戦略展開に注目が集まる。