ユナイテッド株式会社がAstroXに出資、Rockoon方式ロケット開発で日本の宇宙産業に新風

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

ユナイテッドがAstroX株式会社に出資
AstroXはRockoon方式ロケット開発を推進
日本の宇宙産業発展に貢献する期待

ユナイテッド株式会社のAstroXへの出資と宇宙産業の展望

ユナイテッド株式会社は、Rockoon方式ロケット打ち上げ事業を行うAstroX株式会社への出資を2024年9月5日に発表した。AstroXは「宇宙開発で"Japan as No.1"を取り戻す」をビジョンに掲げ、Rockoon方式での衛星打ち上げロケットの開発を進めている。すでにロケットエンジン燃焼試験や気球からの空中発射性開発、姿勢制御装置の統合試験に成功しているという。^[1]

内閣部宇宙政策員会の「宇宙産業ビジョン2030」によると、宇宙産業の市場規模は現状約1.2兆円で、2030年代早期に倍増させるという政府目標が掲げられている。衛星事業者の打ち上げ需要が増加する一方で、ロケット打ち上げ数は不足しており、国内におけるロケット打ち上げの商業化が急務となっている。

AstroXは、千葉工業大学宇宙輸送工学研究室教授のCTO和田豊氏や、日本のロケット開発の第一人者である執行役員前村孝志氏を中心とした強力な開発体制を築いている。ユナイテッドは、AstroXの強力な開発体制とビジネス力、ステークホルダーとともに前進する力に期待し、出資を決定したのだ。

AstroXの事業概要と出資の背景

項目	詳細
会社名	AstroX株式会社
本社所在地	福島県南相馬市
設立日	2022年5月20日
事業内容	宇宙輸送事業
開発方式	Rockoon（ロックーン）方式
主な成果	ロケットエンジン燃焼試験成功、気球からの空中発射性開発成功、姿勢制御装置の統合試験成功
出資元	ユナイテッド株式会社

Rockoon方式について

Rockoon方式とは、RocketとBalloonを組み合わせた造語で、成層圏までロケットを大気球で放球し、そこから空中発射を行う方式のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

成層圏（高度約20km）からのロケット発射
大気抵抗の少ない環境からの打ち上げが可能
地上からの打ち上げに比べ、燃料効率が向上

AstroXが採用するRockoon方式は、従来の地上発射型ロケットと比較して、より効率的な衛星打ち上げを実現する可能性を秘めている。この技術は、日本の宇宙産業の競争力強化に寄与し、政府が掲げる宇宙産業の市場規模倍増目標の達成に向けた重要な要素となる可能性が高い。

Rockoon方式ロケット開発に関する考察

Rockoon方式ロケット開発の最大の利点は、地上からの打ち上げに比べて燃料効率が向上し、より小型で軽量なロケットでの衛星打ち上げが可能になる点だ。これにより、打ち上げコストの大幅な削減が期待でき、衛星打ち上げの需要増加に対応できる可能性が高い。一方で、大気球の制御や高高度での発射技術など、新たな技術的課題も存在するだろう。

今後の課題として、気象条件による打ち上げ制約や、大気球とロケットの分離技術の確立が挙げられる。これらの問題に対しては、気象予測技術の向上や、高精度な制御システムの開発が解決策となりうる。また、将来的には再使用可能なRockoon方式ロケットの開発や、複数衛星の同時打ち上げ技術の確立など、さらなる技術革新が期待される。

日本の宇宙産業の発展において、AstroXのようなベンチャー企業の役割は極めて重要だ。政府や大手企業との連携を強化しつつ、柔軟な発想と迅速な意思決定を活かした技術開発を進めることで、日本の宇宙産業の国際競争力向上につながるだろう。Rockoon方式の実用化が実現すれば、日本の宇宙開発における新たな可能性が開かれることに期待が高まる。