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公開：2024-09-06

AstroXが4億円の資金調達を実施、2025年の宇宙空間到達を目指しロケット開発を加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• AstroXが4億円の資金調達を実施
• 2025年の宇宙空間到達を目指す
• ロックーン方式での衛星打ち上げ開発

AstroXの衛星軌道投入ロケット開発と資金調達

民間宇宙スタートアップのAstroX株式会社は、ICJ2号ファンド投資事業有限責任組合をリード投資家として、プレシリーズAラウンドで総額4億円の資金調達を2024年9月5日に実施した。この資金を活用し、2025年度中の宇宙空間到達を目指してロケット開発投資と人材採用を強化する方針だ。^[1]

AstroXは「宇宙開発で"Japan as No.1"を取り戻す」をビジョンに掲げ、2022年5月に設立された企業である。世界の宇宙産業市場は2040年に約120兆円を超えると予測される中、日本国内では衛星を宇宙に運ぶロケットが不足しており、国内の小型衛星のほとんど100％を海外ロケットで打ち上げている現状がある。

この課題解決のため、AstroXはロックーン（Rockoon）方式と呼ばれる気球からの空中発射方式を採用し、高頻度かつ低価格での打ち上げを実現するべく研究開発を進めている。2023年12月には、サブオービタルロケット「FOX」の空中発射時の姿勢制御装置の統合試験に成功しており、今回の資金調達を機に2025年の宇宙到達を目指して開発を加速させる計画だ。

AstroXの資金調達と事業計画まとめ

ロックーン方式について

ロックーン方式とは、気球を使用してロケットを高高度まで運び、そこから発射する宇宙輸送技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 気球で成層圏までロケットを運搬
• 高高度からロケットを空中発射
• 従来の地上発射に比べ効率的な打ち上げが可能

AstroXが開発中のサブオービタルロケット「FOX」は、このロックーン方式を採用している。2023年12月には空中発射時の姿勢制御装置の統合試験に成功しており、従来の地上発射型ロケットと比較して、より効率的かつ低コストでの衛星打ち上げを目指している。

AstroXの衛星軌道投入ロケット開発に関する考察

AstroXのロックーン方式による衛星軌道投入ロケットの開発は、日本の宇宙開発における新たな可能性を示唆している。低コストで高頻度な打ち上げが実現すれば、国内の小型衛星開発企業にとって大きな追い風となり、日本の宇宙産業全体の活性化につながる可能性が高い。しかし、気球を使用する新しい技術であるため、安全性の確保や気象条件への対応など、従来のロケット技術とは異なる課題に直面する可能性もある。

これらの課題に対しては、徹底した実験と検証、そして航空宇宙分野の専門家との緊密な連携が重要になるだろう。また、法規制の面でも、従来の地上発射型ロケットとは異なる新たな基準が必要になる可能性があり、関係省庁との協議や国際的な基準作りへの参加も求められる。今後は、技術開発と並行して、これらの課題に対する包括的なアプローチが必要になるだろう。

AstroXの取り組みが成功すれば、日本の宇宙開発の新たな章を開くことになる。今後は、単に技術開発にとどまらず、宇宙ビジネスのエコシステム構築や国際協力の推進など、より広い視野での展開が期待される。同時に、宇宙ゴミ問題への対応や宇宙の持続可能な利用についても、先進的な取り組みを行うことで、日本の宇宙開発のリーダーシップを確立することができるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「衛星軌道投入ロケットを開発する民間宇宙スタートアップAstroXが、プレシリーズAラウンドにて４億円の資金調達を実施 | AstroX株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000101722.html, (参照 24-09-06).

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