TOPPANが正倉院展で「紫地鳳形錦御軾」のデジタルコンテンツを初公開、VR作品の特別上演会も開催

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TOPPANが正倉院展でデジタルコンテンツを展示
「紫地鳳形錦御軾」のデジタルアーカイブを初公開
VR作品「正倉院時を超える想い」の上演会を開催

TOPPANによる正倉院宝物のデジタル化と展示

TOPPANホールディングス株式会社のグループ会社であるTOPPAN株式会社は、2024年10月26日から11月11日まで開催される「第76回正倉院展」において、正倉院宝物「紫地鳳形錦御軾」のデジタルコンテンツを初めて公開する。このデジタルコンテンツは、高精細なアーカイブデータを活用して制作されたもので、宝物の美しさを様々な角度から映像で鑑賞することが可能となっている。^[1]

展示室内では、オリジナルの宝物とその再現模造とともにデジタルコンテンツが並べて展示され、鑑賞をより深めることに貢献する。高精細デジタルアーカイブの活用により、展示室の照明環境では捉えづらい細部を拡大して鮮明に表示したり、オリジナルでは見ることができない底の部分や内部構造をCG映像で分かりやすく解説したりすることが可能となっている。

また、関連イベントとして、VR作品「正倉院時を超える想い」の特別上演会が10月30日から11月1日までの3日間、各日6回実施される。このVR作品では、「正倉」と「螺鈿紫檀五絃琵琶」の高精細なアーカイブデータを活用し、プロのナビゲーターによるライブ解説付きで、正倉院の構造や秘められた謎を解説する内容となっている。

正倉院展におけるデジタル技術活用の概要

	デジタルコンテンツ展示	VR上演会
対象宝物	紫地鳳形錦御軾	正倉、螺鈿紫檀五絃琵琶
展示・上演期間	2024年10月26日〜11月11日	2024年10月30日〜11月1日
特徴	高精細アーカイブデータ活用、内部構造の可視化	プロのナビゲーターによるライブ解説付き
目的	宝物の理解を深める、細部の鑑賞を可能にする	正倉院の構造や謎を解説、体験型コンテンツの提供

第76回正倉院展の詳細はこちら

正倉院について

正倉院とは、奈良時代の宝物を収蔵する宝物庫のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

1260年以上の歴史を持つ世界最古級の木造宝物庫
9千件以上の貴重な宝物を収蔵
皇室の勅封制度により厳重に保護されてきた文化財施設

正倉院は天平文化を今に伝える重要な施設であり、その宝物は日本の歴史と文化を理解する上で貴重な資料となっている。TOPPANと宮内庁正倉院事務所が2018年から進めているデジタルアーカイブ事業は、これらの宝物をより多くの人々に accessible にし、その価値を広く伝える取り組みとして注目されている。

正倉院宝物のデジタル化に関する考察

TOPPANによる正倉院宝物のデジタル化は、文化財保護と公開の両立という点で画期的な取り組みだ。高精細なデジタルアーカイブは、実物の宝物に触れることなく詳細な研究や分析を可能にし、保存と活用のバランスを取ることができる。また、VR技術を用いた体験型コンテンツは、若い世代を含む幅広い層に正倉院の魅力を伝える効果的な手段となるだろう。

しかし、デジタル技術の急速な進歩に伴い、アーカイブデータの長期保存や更新に関する課題が浮上する可能性がある。技術の陳腐化やデータ形式の変更に対応するため、継続的なメンテナンスと技術革新への追従が必要となるだろう。また、デジタルコンテンツの著作権管理や不正利用の防止など、新たな法的・倫理的問題にも取り組む必要がある。

今後は、AIを活用した宝物の修復シミュレーションや、国際的な文化財デジタルアーカイブのネットワーク構築など、さらに先進的な取り組みへの展開が期待される。正倉院宝物のデジタル化は、日本の文化財保護の新たなモデルケースとなり、世界的な文化遺産のデジタル保存・活用の潮流をリードしていく可能性を秘めている。

参考サイト

^ PR TIMES. 「TOPPAN、「第76回正倉院展」で正倉院宝物のデジタルコンテンツを展示 | TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001487.000033034.html, (参照 24-09-07).

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