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UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とは

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とは、パソコンの起動時に実行される、ハードウェアとオペレーティングシステム(OS)の間に位置するファームウェアの仕様の一つです。従来のBIOS(Basic Input/Output System)の後継として開発されました。

UEFIは、BIOSと比較して高速な起動が可能であり、GPT(GUID Partition Table)による2TBを超えるハードディスクの使用をサポートしています。また、セキュアブートと呼ばれるセキュリティ機能により、不正なソフトウェアの実行を防ぐことができるのです。

UEFIの設定画面は、マウスやキーボードによるグラフィカルなインターフェースを提供しており、直感的な操作が可能となっています。さらに、ネットワークからのリモート設定にも対応するため、管理者にとって利便性の高いファームウェアといえます。

UEFIは、モジュール構造を採用しているため、機能の追加や変更が容易であり、拡張性に優れています。ハードウェアベンダーは、独自の機能を追加することで製品の差別化を図ることができるでしょう。

現在、多くのパソコンメーカーがUEFIを採用しており、Intelや AMDなどの大手チップメーカーもUEFIをサポートしています。今後もUEFIは、パソコンのファームウェアとして主流になっていくと予想されます。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の高速起動とセキュアブート

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の高速起動のメカニズム
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュアブートによるセキュリティ強化
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とWindows 8以降のOS

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の高速起動のメカニズム

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、起動時に必要なハードウェアの初期化を並列処理で行うことで、高速な起動を実現しています。従来のBIOSでは、シーケンシャルな処理が行われていたため、起動に時間がかかっていました。

また、UEFIはハードウェアの初期化に必要なドライバをあらかじめロードしておくことで、起動時のドライバの読み込み時間を短縮しています。これにより、OSの起動までの時間が大幅に短縮されるのです。

さらに、UEFIはスリープモードからの復帰時間も短縮しています。スリープモードから復帰する際、ハードウェアの状態を迅速に復元することで、すぐに作業を再開できます。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュアブートによるセキュリティ強化

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュアブートは、起動時に実行されるソフトウェアの署名を検証することで、不正なソフトウェアの実行を防ぐセキュリティ機能です。あらかじめ登録された署名と一致しないソフトウェアは、実行が許可されません。

セキュアブートは、OSのブートローダーやドライバ、UEFIアプリケーションなど、起動時に実行されるあらゆるソフトウェアを対象としています。これにより、ルートキットなどのマルウェアによる攻撃を防ぐことができるでしょう。

セキュアブートを有効にするには、UEFIの設定画面から行う必要があります。セキュアブートを無効にすることも可能ですが、セキュリティ上のリスクが高まるため、通常は有効にしておくことが推奨されています。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とWindows 8以降のOS

Microsoft社のWindows 8以降のOSは、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュアブートをサポートしています。セキュアブートに対応したハードウェアでWindows 8以降のOSを使用することで、高いセキュリティを確保できます。

また、Windows 8以降のOSでは、UEFIの高速起動機能を活用することで、起動時間の短縮が図られています。シャットダウン時にメモリ上の情報をハードディスクに保存し、次回の起動時にそのデータを読み込むことで、高速な起動を実現しているのです。

ただし、UEFIのセキュアブートを有効にした場合、Linuxなどの他のOSをインストールすることが難しくなります。セキュアブートをサポートしていないOSを使用する場合は、セキュアブートを無効にする必要があるでしょう。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のGPTとネットワーク機能

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とGPT(GUID Partition Table)の関係
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のネットワークブート機能
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のリモート管理機能

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とGPT(GUID Partition Table)の関係

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、GPT(GUID Partition Table)による2TBを超えるハードディスクの使用をサポートしています。GPTは、従来のMBR(Master Boot Record)の制限を克服するために開発されたパーティションテーブルの仕様です。

MBRでは、ハードディスクのパーティション数が4つに制限され、パーティションサイズも2TBまでに制限されていました。一方、GPTでは、パーティション数は128個まで作成可能で、パーティションサイズの制限はありません。

UEFIとGPTを組み合わせることで、大容量のハードディスクを効率的に使用できるようになります。また、GPTには冗長性があるため、パーティションテーブルの破損に対する耐性も高くなるでしょう。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のネットワークブート機能

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、ネットワーク経由でOSをブートする機能を備えています。これにより、ネットワーク上にあるブートイメージを使用して、OSをインストールしたり、ライブ環境で起動したりすることができます。

ネットワークブートを行うには、UEFI上でPXEブートを有効にする必要があります。PXEブートを有効にすると、ネットワーク上のDHCPサーバーからIPアドレスを取得し、TFTPサーバーからブートイメージをロードして起動します。

ネットワークブートは、大量のパソコンにOSをインストールする際に便利です。また、ハードディスクが故障した場合でも、ネットワーク上のブートイメージを使用することで、システムを復旧できるでしょう。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のリモート管理機能

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、リモート管理機能を備えており、ネットワーク経由でUEFIの設定を変更したり、ファームウェアをアップデートしたりすることができます。これにより、管理者は、複数のパソコンのUEFI設定を一元的に管理できるようになります。

リモート管理を行うには、UEFIがネットワークに接続されている必要があります。また、リモート管理ツールを使用して、UEFIにアクセスします。リモート管理ツールは、UEFIベンダーから提供されているもの以外に、オープンソースのものもあります。

リモート管理機能を使用することで、管理者は、パソコンの設置場所に関係なく、UEFIの設定変更やファームウェアのアップデートを行えます。これにより、管理作業の効率化と、設定ミスの防止が期待できるでしょう。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の課題と今後の展望

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の互換性問題
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュリティ上の課題
  • UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の今後の発展と可能性

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の互換性問題

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOSと比較して多くの利点を持っていますが、互換性の問題が指摘されています。古いハードウェアやソフトウェアの中には、UEFIに対応していないものがあるため、動作しない場合があるのです。

特に、Linuxなどのオープンソースのオペレーティングシステムでは、UEFIへの対応が遅れており、セキュアブートが有効になっていると、インストールが難しくなる場合があります。互換性の問題を解決するには、ハードウェアやソフトウェアのベンダーがUEFIへの対応を進める必要があるでしょう。

また、UEFIの実装方法がベンダーによって異なるため、同じUEFIでも設定画面や機能が異なる場合があります。UEFIの標準化が進むことで、互換性の問題が解消されることが期待されます。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュリティ上の課題

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)のセキュアブートは、不正なソフトウェアの実行を防ぐために開発されましたが、セキュリティ上の課題も指摘されています。セキュアブートが有効になっていても、UEFIのファームウェアに脆弱性があれば、攻撃者にUEFIを乗っ取られる可能性があるのです。

また、セキュアブートが有効になっていると、ユーザーがオペレーティングシステムを自由に選択できなくなる可能性があります。セキュアブートをサポートしていないオペレーティングシステムをインストールするには、セキュアブートを無効にする必要がありますが、それはセキュリティ上のリスクを高めることになります。

UEFIのセキュリティを高めるには、ファームウェアの脆弱性を早期に発見し、修正することが重要です。また、セキュアブートをサポートしているオペレーティングシステムを増やすことで、ユーザーの選択肢を広げることができるでしょう。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)の今後の発展と可能性

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、今後も発展を続けると予想されます。UEFIの標準化が進むことで、互換性の問題が解消され、より多くのハードウェアやソフトウェアがUEFIをサポートするようになるでしょう。

また、UEFIの機能が拡張されることで、新しい可能性が生まれる可能性があります。例えば、UEFIにAI機能を組み込むことで、ハードウェアの異常を早期に検知したり、最適な設定を自動的に行ったりすることができるかもしれません。

さらに、UEFIがIoTデバイスにも採用されることで、IoTデバイスのセキュリティ強化や、リモート管理の効率化が期待できます。UEFIは、パソコンだけでなく、様々なデバイスのファームウェアとして使用される可能性を秘めているのです。

参考サイト

  1. Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html
  2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp
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