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ER図(Entity-Relationship Diagram)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


ER図(Entity-Relationship Diagram)とは

ER図(Entity-Relationship Diagram)はデータベースの構造を視覚的に表現するための図です。データベースの設計段階で、エンティティ(実体)と、エンティティ間のリレーションシップ(関連性)を明確にすることで、効率的なデータベース設計を行うことができます。

ER図ではエンティティを長方形で表し、エンティティの属性を楕円で表現します。エンティティ間の関連性は菱形を使ってリレーションシップとして表現されます。

ER図を作成する際はまずシステムで管理すべきデータを洗い出し、エンティティを特定します。次に、各エンティティがどのような属性を持つのかを明確にし、最後にエンティティ間の関連性を定義していきます。

ER図を用いることで、データベースの全体像を把握しやすくなり、設計の誤りを防ぐことができます。また、ER図はシステム開発に携わるメンバー間でのコミュニケーションツールとしても活用されています。

ER図はリレーショナルデータベースの設計に広く使われている手法です。ER図を基にして、リレーショナルデータベースのテーブル設計を行うことができます。

ER図におけるエンティティの表現方法

ER図におけるエンティティの表現方法に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ER図におけるエンティティの定義と表記方法
  • ER図でのエンティティの属性の表現方法
  • ER図におけるエンティティの識別子の重要性

ER図におけるエンティティの定義と表記方法

ER図ではエンティティを長方形で表現します。エンティティとはシステムで管理すべき情報の塊を指します。

例えば、学生情報を管理するシステムの場合、「学生」がエンティティとなります。エンティティ名は長方形の中に記載します。

エンティティは現実世界に存在する具体的な事物や、概念的な事物を表現することができます。ER図ではエンティティを特定し、明確に定義することが重要です。

ER図でのエンティティの属性の表現方法

ER図ではエンティティの属性を楕円で表現します。属性とはエンティティが持つ特性や性質のことを指します。

例えば、「学生」エンティティの属性として、「学籍番号」「氏名」「生年月日」などが考えられます。属性名は楕円の中に記載します。

属性には単一値属性と複数値属性があります。単一値属性は1つのエンティティに対して1つの値を持つ属性で、複数値属性は1つのエンティティに対して複数の値を持つ属性です。

ER図におけるエンティティの識別子の重要性

ER図ではエンティティを一意に識別するための識別子を定義することが重要です。識別子は主キーとも呼ばれ、エンティティの中で重複しない値を持つ属性です。

例えば、「学生」エンティティの場合、「学籍番号」が識別子となります。識別子はエンティティを一意に特定するために使用されます。

識別子はER図上では下線を引いて表現されます。識別子を正しく定義することで、データの整合性を保つことができます。

ER図におけるリレーションシップの表現方法

ER図におけるリレーションシップの表現方法に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ER図におけるリレーションシップの定義と表記方法
  • ER図でのリレーションシップの多重度の表現方法
  • ER図における多対多のリレーションシップの表現方法

ER図におけるリレーションシップの定義と表記方法

ER図ではエンティティ間の関連性をリレーションシップとして表現します。リレーションシップは菱形を使って表記します。

例えば、「学生」エンティティと「授業」エンティティの間には「受講する」というリレーションシップが存在します。リレーションシップ名は菱形の中に記載します。

リレーションシップはエンティティ間の関連性を明確にすることで、データベースの構造を正確に表現することができます。ER図ではリレーションシップを適切に定義することが重要です。

ER図でのリレーションシップの多重度の表現方法

ER図ではリレーションシップの多重度を表現することができます。多重度とはリレーションシップに参加するエンティティの個数の範囲を示すものです。

多重度は「1対1」「1対多」「多対多」の3種類があります。「1対1」は両方のエンティティが1つずつ関連を持つ場合、「1対多」は一方のエンティティが複数の関連を持ち、もう一方のエンティティが1つの関連を持つ場合、「多対多」は両方のエンティティが複数の関連を持つ場合を表します。

多重度はリレーションシップの線上に記号で表現されます。例えば、「1対多」の場合、一方の端に「1」、もう一方の端に「N」や「M」などの記号を記載します。

ER図における多対多のリレーションシップの表現方法

ER図では多対多のリレーションシップを直接表現することはできません。多対多のリレーションシップを表現する場合は中間エンティティを導入する必要があります。

中間エンティティは多対多のリレーションシップを分解し、1対多のリレーションシップに変換するために使用されます。中間エンティティは元の2つのエンティティとそれぞれ1対多のリレーションシップを持ちます。

例えば、「学生」エンティティと「授業」エンティティの間に多対多のリレーションシップがある場合、「受講」という中間エンティティを導入することで、「学生」と「受講」、「受講」と「授業」という2つの1対多のリレーションシップに分解することができます。

ER図を使ったデータベース設計のプロセス

ER図を使ったデータベース設計のプロセスに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ER図作成の前提となる要件定義の重要性
  • ER図の作成手順と注意点
  • ER図からリレーショナルデータベースへの変換方法

ER図作成の前提となる要件定義の重要性

ER図を作成する前に、システムの要件を明確に定義することが重要です。要件定義ではシステムの目的、機能、データの種類などを明確にします。

要件定義が不十分な状態でER図を作成すると、データベースの設計が適切でなくなる可能性があります。要件定義はER図作成の前提条件であり、十分に時間をかけて行う必要があります。

ER図の作成手順と注意点

ER図の作成手順はエンティティの識別、エンティティの属性の定義、エンティティ間のリレーションシップの定義の順に行われます。エンティティの識別ではシステムで管理すべきデータの種類を洗い出し、エンティティを特定します。

エンティティの属性の定義では各エンティティがどのような属性を持つのかを明確にします。リレーションシップの定義ではエンティティ間の関連性を明確にし、多重度を決定します。ER図を作成する際はエンティティ、属性、リレーションシップを漏れなく定義することが重要です。

ER図からリレーショナルデータベースへの変換方法

ER図はリレーショナルデータベースの設計に広く使われています。ER図で定義されたエンティティ、属性、リレーションシップはリレーショナルデータベースのテーブル、カラム、リレーションシップに変換されます。

ER図からリレーショナルデータベースへの変換には一定のルールがあります。例えば、多対多のリレーションシップは中間テーブルを導入することで解消されます。ER図を正しくリレーショナルデータベースに変換することで、効率的なデータベース設計が可能になります。

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