FAT(File Allocation Table)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
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FAT(File Allocation Table)とは
FATとはFile Allocation Tableの略称で、コンピュータのファイルシステムの一種です。FATファイルシステムはファイルの保存場所や空き領域の管理に使用されるデータ構造で、ストレージデバイス上のファイルやディレクトリの情報を格納しています。
FATファイルシステムはMS-DOSやWindows 95/98/Meなどの古いバージョンのWindowsで広く使用されていました。現在でも、USBメモリやSDカードなどのリムーバブルメディアに適しているため、これらのデバイスで使用されることがあります。
FATファイルシステムにはFAT12、FAT16、FAT32の3つのバージョンがあります。数字の部分は割り当てテーブルのエントリーに使用されるビット数を表しています。ストレージデバイスの容量が大きくなるにつれ、より大きなFATバージョンが必要になります。
FATファイルシステムの主な利点はシンプルな構造とほとんどすべてのオペレーティングシステムとの互換性です。しかし、大容量のストレージデバイスには適しておらず、ファイルの断片化やセキュリティの問題があるため、現在ではNTFSやexFATなどの新しいファイルシステムが主流となっています。
FATファイルシステムを理解することはコンピュータの動作原理やファイルの管理方法を学ぶ上で重要です。また、古いデバイスやソフトウェアを扱う際にはFATファイルシステムの知識が役立つことがあります。
FATファイルシステムの構造と動作原理
FATファイルシステムの構造と動作原理に関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- FATファイルシステムのストレージ構造
- FATテーブルの役割とファイル管理方法
- FATファイルシステムのブートプロセス
FATファイルシステムのストレージ構造
FATファイルシステムのストレージ構造は大きく分けて3つの部分で構成されています。ブートセクター、FAT(ファイル割り当てテーブル)、およびデータ領域です。ブートセクターにはファイルシステムの基本情報が格納されています。
FATはストレージデバイス上のクラスターの使用状況を管理するためのテーブルです。データ領域は実際のファイルやディレクトリのデータが保存される場所で、クラスターと呼ばれる固定サイズの単位に分割されています。
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FATテーブルの役割とファイル管理方法
FATテーブルはストレージデバイス上のクラスターの割り当て状況を管理する重要な役割を持っています。各クラスターに対応するFATエントリには次のクラスターの番号や特殊な値が格納されており、これによってファイルの断片化状態や空きクラスターを把握できます。
ファイルを作成する際、FATファイルシステムは空きクラスターを検索し、FATテーブルを更新してファイルにクラスターを割り当てます。ファイルを読み取る際はFATテーブルを参照して、ファイルが占有するクラスターの連鎖をたどることでデータにアクセスします。
FATファイルシステムのブートプロセス
FATファイルシステムを使用するデバイスは起動時にブートセクターの情報を読み取ることでファイルシステムを初期化します。ブートセクターにはFATの位置やクラスターのサイズ、ルートディレクトリの位置などの重要な情報が含まれています。
オペレーティングシステムはブートセクターの情報をもとにFATとルートディレクトリを読み込み、ファイルシステムの構造を把握します。これにより、ファイルやディレクトリの検索、読み書きなどの操作が可能になります。
FATファイルシステムの種類と特徴
FATファイルシステムの種類と特徴に関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- FAT12の特徴と用途
- FAT16の特徴と用途
- FAT32の特徴と用途
FAT12の特徴と用途
FAT12はFATファイルシステムの初期バージョンで、フロッピーディスクなどの小容量メディアに適しています。FAT12ではクラスター番号を格納するために12ビットが使用されるため、最大4,096個のクラスターを扱うことができます。
FAT12はMS-DOSの初期バージョンで使用されていましたが、現在ではほとんど使用されていません。しかし、組み込みシステムや小容量のメモリカードなどの特殊な用途で、FAT12が選択されることがあります。
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FAT16の特徴と用途
FAT16はFAT12の後継として開発され、より大容量のストレージデバイスに対応しています。クラスター番号を格納するために16ビットが使用され、最大65,536個のクラスターを扱うことができます。FAT16は2GBまでのパーティションに適しています。
FAT16はMS-DOSやWindows 95/98の時代に広く使用されていました。現在でも、小容量のUSBメモリやSDカードなどで使用されることがありますが、大容量のストレージデバイスには適していません。
FAT32の特徴と用途
FAT32はFAT16の制限を克服するために開発されたFATファイルシステムの拡張版です。クラスター番号を格納するために28ビットが使用され、最大2,147,483,648個のクラスターを扱うことができます。FAT32は最大16TBまでのパーティションに対応しています。
FAT32はWindows 95 OSR2以降のバージョンで導入され、現在でもUSBメモリやSDカードなどのリムーバブルメディアで広く使用されています。ただし、個々のファイルサイズが4GB未満に制限されるという欠点があります。
FATファイルシステムの長所と短所
FATファイルシステムの長所と短所に関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- FATファイルシステムの互換性と簡便性
- FATファイルシステムのファイルサイズ制限と断片化の問題
- FATファイルシステムのセキュリティの脆弱性
FATファイルシステムの互換性と簡便性
FATファイルシステムの最大の長所は幅広いオペレーティングシステムとの互換性です。Windows、macOS、Linuxなど、ほとんどすべてのオペレーティングシステムがFATファイルシステムをサポートしているため、異なるプラットフォーム間でデータを容易に交換できます。
また、FATファイルシステムはシンプルな構造を持っているため、実装が容易で、少ないリソースで動作させることができます。このため、組み込みシステムやポータブルデバイスなどでも広く採用されています。
FATファイルシステムのファイルサイズ制限と断片化の問題
FATファイルシステムの短所の1つはファイルサイズの制限です。FAT32では個々のファイルサイズが4GB未満に制限されています。これは大容量のファイルを扱う必要がある場合に問題となることがあります。
また、FATファイルシステムは断片化の問題を抱えています。ファイルが断片化すると、ディスク上の複数の場所に分散して保存されるため、読み書きのパフォーマンスが低下します。定期的にディスクのデフラグを行う必要があります。
FATファイルシステムのセキュリティの脆弱性
FATファイルシステムはセキュリティ機能が乏しいという短所があります。アクセス権の管理が限定的で、ファイルの暗号化やユーザー認証などの高度なセキュリティ機能が提供されていません。このため、機密性の高いデータを保存する場合には他のファイルシステムを選択する必要があります。
また、FATファイルシステムではファイルの削除時にデータが完全に消去されないため、削除されたファイルが復元される可能性があります。セキュリティ上の観点から、重要なデータを扱う場合はデータの完全な消去が可能な方法を用いる必要があります。
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