GCC(GNU Compiler Collection)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
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GCC(GNU Compiler Collection)とは
GCCはGNU Compiler Collectionの略称で、プログラミング言語のコンパイラの集合体を指します。GCCはC、C++、Objective-C、Fortran、Ada、Goなど、多くのプログラミング言語をサポートしています。
GCCはオープンソースソフトウェアとして開発されており、誰でも自由に使用、改変、再配布することができます。GCCはLinuxディストリビューションの多くでデフォルトのコンパイラとして採用されています。
GCCはソースコードを入力として受け取り、コンパイルと呼ばれる処理を行います。コンパイルとは人間が理解しやすい高級言語で書かれたソースコードを、コンピュータが直接実行可能な低級言語(機械語)に変換する作業です。
GCCはコンパイル時に最適化を行うことで、生成されたバイナリコードの実行速度を向上させることができます。最適化のレベルを指定することで、実行速度と生成されるバイナリのサイズのバランスを調整できます。
GCCはクロスコンパイルにも対応しています。クロスコンパイルとはある環境で動作するコンパイラを使って、別の環境で動作するバイナリを生成する技術です。これにより、例えばx86アーキテクチャのマシン上でARM用のバイナリを生成することができます。
GCCのインストールと基本的な使い方
以下3つを簡単に解説していきます。
- GCCのインストール方法
- GCCを使ったコンパイルの基本
- GCCのコマンドラインオプション
GCCのインストール方法
Linuxディストリビューションの多くではGCCがデフォルトでインストールされています。インストールされていない場合はパッケージ管理システムを使ってインストールできます。例えば、Ubuntuでは以下のコマンドでGCCをインストールできます。
sudo apt install GCC
macOSではXcodeに付属のCommand Line Toolsをインストールすることで、GCCを使用できるようになります。WindowsでGCCとMinGWを使用する場合はMinGWのインストーラをダウンロードし、実行することでインストールできます。
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GCCを使ったコンパイルの基本
GCCを使ってCプログラムをコンパイルするには以下のようなコマンドを実行します。
GCC hello.c -o hello
このコマンドはhello.cというCソースファイルをコンパイルし、helloという名前の実行可能ファイルを生成します。生成された実行可能ファイルは以下のコマンドで実行できます。
./hello
GCCのコマンドラインオプション
GCCにはコンパイルの動作を制御するための多くのコマンドラインオプションが用意されています。例えば、以下のオプションがよく使用されます。
-c: オブジェクトファイルを生成するが、リンクは行わない
-o: 出力ファイル名を指定する
-Wall: 警告メッセージを全て表示する
-O: 最適化のレベルを指定する(例: -O2)
-I: インクルードファイルのサーチパスを指定する
-L: ライブラリのサーチパスを指定する
-l: リンクするライブラリを指定する
これらのオプションを組み合わせることで、目的に応じたコンパイルを行うことができます。オプションの詳細はGCCのマニュアルページ(man GCC)で確認できます。
GCCを使った他の言語のコンパイル
以下3つを簡単に解説していきます。
- GCCを使ったC++のコンパイル
- GCCを使ったFortranのコンパイル
- GCCを使ったGoのコンパイル
GCCを使ったC++のコンパイル
GCCを使ってC++プログラムをコンパイルするにはg++コマンドを使用します。g++はC++のフロントエンドとして機能し、C++特有の機能(クラス、テンプレートなど)をサポートしています。
g++ hello.cpp -o hello
このコマンドはhello.cppというC++ソースファイルをコンパイルし、helloという名前の実行可能ファイルを生成します。C++の標準ライブラリを使用する場合は特別なオプションは必要ありません。
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GCCを使ったFortranのコンパイル
GCCを使ってFortranプログラムをコンパイルするにはgfortranコマンドを使用します。gfortranはFortranのフロントエンドとして機能し、Fortran特有の機能(モジュール、配列構文など)をサポートしています。
gfortran hello.f90 -o hello
このコマンドはhello.f90というFortranソースファイルをコンパイルし、helloという名前の実行可能ファイルを生成します。Fortranの標準ライブラリを使用する場合は特別なオプションは必要ありません。
GCCを使ったGoのコンパイル
GCCを使ってGoプログラムをコンパイルするにはGCCgoコマンドを使用します。GCCgoはGoのフロントエンドとして機能し、Go特有の機能(ゴルーチン、チャネルなど)をサポートしています。
GCCgo hello.go -o hello
このコマンドはhello.goというGoソースファイルをコンパイルし、helloという名前の実行可能ファイルを生成します。Goの標準ライブラリを使用する場合は特別なオプションは必要ありません。
GCCの活用事例
以下3つを簡単に解説していきます。
- オープンソースプロジェクトでのGCCの活用
- 組込みシステム開発でのGCCの活用
- 科学技術計算でのGCCの活用
オープンソースプロジェクトでのGCCの活用
GCCは多くのオープンソースプロジェクトで活用されています。例えば、LinuxカーネルやGNUツールチェーンの開発ではGCCが重要な役割を果たしています。
オープンソースプロジェクトでは様々な環境で動作するバイナリを生成する必要があります。GCCのクロスコンパイル機能を活用することで、複数のアーキテクチャやオペレーティングシステムに対応したバイナリを効率的に生成できます。
組込みシステム開発でのGCCの活用
組込みシステムの開発ではリソースが限られたハードウェア上で動作するソフトウェアを開発する必要があります。GCCは組込みシステム向けのクロスコンパイラとして広く使用されています。
GCCの最適化機能を活用することで、限られたメモリやCPUパワーを効率的に使用するバイナリを生成できます。また、GCCの各種オプションを適切に設定することで、組込みシステムに特化したコードを生成できます。
科学技術計算でのGCCの活用
科学技術計算の分野では大規模なシミュレーションや数値計算を行うために、高速なコードが求められます。GCCはその最適化機能により、高性能な科学技術計算アプリケーションの開発に活用されています。
GCCの最適化オプションを適切に設定することで、ベクトル化や並列化を効果的に行い、計算性能を大幅に向上させることができます。また、GCCのプロファイリング機能を活用することで、ボトルネックとなる部分を特定し、更なる最適化を行うことができます。
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